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自慢の雑学

【はじめに】

自慢できる雑学ではないです。

これを知ってると自慢できるというものでもないですが、広まって欲しいと思っています。


【自慢はなぜしたくなるのか?】

自慢は言葉による威嚇です。

野生動物は言葉を持たないので体を大きく見せるポーズを取ります。

人は言葉により自分を強く、大きく見せます。

より大きく強く見せるため誇張も含まれることが多いです。

これも野生動物と同じですね。
(エリマキトカゲやステゴザウルスのような)

最近ではマウンティングなんて呼ばれたりもします。

言葉によって相手よりも優位に立ちたいと思う感情からです。

自慢は自尊感情の表れです。


【自尊感情とは】

自尊感情自体は自分を価値のある存在だと感じる感覚で、人が生きていくのにとても大切な感情です。

自己肯定感とも呼ばれます。

自己肯定感が無い人は自分の中に安全地帯がありません。
自分の中に安全地帯が無いと勇気を持って人や社会と対峙する事が困難になります。

赤ちゃんなど小さな子供は自己肯定感を生まれながらに持っています。
いわゆる根拠のない自信です。

しかし年齢を重ねるにつれ、根拠のない自信は打ち砕かれ、自信に根拠を必要としてきてしまいます。

そして極端なことを言うと他者を蔑む事で自己肯定感を得ようとしています。

この事が自慢をよくする人の原動力になっていると考えられます。


【自慢の要因】

人は自慢をすることで、以下のことを解決したいと考えます。

〈本当の自分を知ってほしい〉

自分の思う評価と周りからの自分の評価に差があると感じた時に起こる衝動です。

もしくは間違っていることを正したいという衝動です。

ですが、本当の自分は自分にも分からない事が多いし、他者も他人のことなんか分かりません。

自分探しに出かけたまま自分が見つからない人は数多くいます。

ムキになって訂正してもしきれないし、見解(意識といったほうが良いか)が一致することなんてありません。


〈自己承認要求(肯定的要因)〉

100点を取った子供が両親に認めてもらいたい。褒めてもらいたいという心、言葉。

自分の能力や努力を認めてもらいたいという要求。

子供が親に言う場合や、上司に部下が言う場合など、上下関係の下の立場の人が上の立場の人に言う場合は、この自慢を聞いている人と言っている人の利害が一致するので何の問題もありません。

しかし、対等な立場や上の立場の人が下の立場の人に言う自慢は敬遠されます。


〈本当の自分を隠したい〉

劣等感の裏返し。否定的な要因です。
劣等感を払拭するために自慢をしたりします。

劣等感があると、その部分は隠したいのが人間です。

なぜなら劣等感を感じる箇所は自分の弱い部分、即ち弱点だからです。

弱点を晒すことは人間に限らず致命傷を負う可能性が出てきます。

隠したいと思うのは本能だと言って良いでしょう。


〈自分の立場を優位にしたい〉

これがマウンティングというやつです。

立場を優位にすることで、その場を支配しようとします。

場の支配は生物の根源的な欲求の1つです。

その気はなくともついついしてしまう事でしょう。


〈自己顕示欲〉

見せつけたくなる衝動に駆られる自慢です。

自分の価値や力を誇示したいという意思の中には、普段は認められていないという不満が隠れています。

自分そのものではなく、自分に立場が近いものも自慢の対象になります。

親兄弟などの自分の血縁はおろか、中には同じ出身地や同じ民族というだけで自慢する人もいます。


【自慢のリスク】

自慢したくなりますよね?
でも、自慢にはリスクがあります。


〈聞く人の妬みを買う〉

妬み(ねたみ)とは
「人を羨ましく思い、相手に悪意を抱くこと」
です。

悪意を抱いた相手は、あなたに不利益を生じさせようとします。

例えば悪い噂を立てたり、様々な手立てで孤立させようとします。


〈聞く人の嫉みを買う〉

嫉み(そねみ)とは
「人を羨ましがり、自分に劣等感を抱くこと」
です。

相手に劣等感を抱かれると、相手はマイナス思考になり、自慢をする人と一緒にいるのは嫌になります。

次第に相手は自分を避けるようになります。

避けたい相手であれば成功ですが、そうでなければあなたの周りから人は居なくなります。


〈劣等感を持っていると思われる〉

自慢は劣等感の裏返しという面があります。

声高に自慢すると、あの人本当は自信が無いんだと見透かされます。

本当は違ったとしても、虚栄だと誤解されます。


〈精神的に幼い人だと思われる〉

自慢は承認要求を満たすものですが、欲求を面に出す行為は抑制が出来ない未熟さの表れでもあります。

自慢の多くは自慢する人の精神衛生のためであり、他者の反感を買います。

反感を買うことが分かっている人から見れば、自慢をする人は他者の心情が考えられない、配慮出来ない人だと判断されます。


〈下品だと思われる〉

自慢には様々な表現方法がありますが単純化すると「自分は凄い」と言っています。

「凄い」とはどういった尺度なのかというと、「凄くないもの」があって初めて意味を成す相対的な尺度です。

ほとんどの場合「自分>あなた」という図式で語ります。

公然と相手を蔑む(さげすむ)行為に他なりません。

相手が「あなた」ではない場合もありますが、その場合も見ず知らずの誰かを貶め(おとしめ)ます。

これはハタから見たらとても下品で恥ずかしい行為です。


【自慢のメリット】

自慢のメリットは自慢をする人の自己顕示欲と承認要求を満たします。

これは優越感に浸る気持ちの良い行為です。

また、劣等感を払拭するために自慢する人もいます。

ただし、自慢で劣等感がぬぐいきれるものではありません。

改めて我に帰り、後悔することでしょう。

人は争いを未然に防ぐために機能することもあります。

力や意思を誇示することで、相手に侮られない(あなどられない)ようにします。

自分を攻撃すると仕返しを食らわすぞという意思があれば、相手は警戒して攻撃してこないということを狙っています。

人の関係性の中では相手と対等である事が重要です。
相手と対等で無い間柄になってしまうと、上下関係や主従関係が出来てしまいます。

良好な関係性を築くためにもある程度の牽制は必要です。


【自慢のテクニック】

自慢は恥ずかしい行為なので、自慢したい人は自慢そのものを隠しながら自慢をします。
間接自慢なんて呼ばれたりもします。

こういったテクニックはやればやるほどその小賢しさに残念感が漂います。


〈そんなことないよツッコミ待ち〉

とても自信がある自慢したいことをわざと卑下して言ったりします。

例えば「こんなこと大したことない」と言いながら自慢やスッピン自慢なんかが該当します。


〈不幸自慢〉

「今日徹夜だから」の中には「本来はこうじゃない。失敗しても当たり前。成功したら凄いと言って欲しい」が潜んでいます。
本来は体調管理が出来てない愚かしい行為でしかないんですが。

これが常習化すると危険です。
失敗しても許される理由を作るために、前もって自らにハンデを課すようになってしまいます。
(セルフハンディキャッピングと呼ばれます)


〈こっそり自慢したいものを潜ませる〉

「腕が真っ黒に焼けた」と言ってして腕に高級時計がハマってるとか、「車検で時間が奪われる」と言って高級車が写り込んでるとか。


【自慢のことわざ】

「自慢高慢馬鹿のうち」ということわざがあります。

やはり昔から自慢は嫌われるんですね。


【人から自慢されたら】

自慢する人はもともと自己肯定感の低い人が多いです。

自己肯定感が低いと心理的な健康を害します。

出来れば自己肯定感を取り戻すための生理現象だと思って聞いてあげてください。

マウンティングされたからといって、自分を相手より低く感じる必要はありません。

むしろ逆な事が多いです。


【まとめ】

人は自慢がしたいし、自慢をすることで争いを未然に防ぐという機能もあります。

しかし、人間関係においては相手に良い思いをさせないばかりか、自分に不利益を生じさせます。

やはり自慢はしない方が良いという結論に達します。

自慢は慎みましょう。

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