車間距離はどれだけ開けたらいいのか_

車間距離はどれだけ空けたら良いのか?

【はじめに】

車間距離が近いと様々な悪影響があります。

しかし車間距離を空け過ぎても周りの車が気になります。

実際どれだけ空けたら良いのか?

を考えてみたいと思います。


【常識的な車間距離】

自動車学校でも習ったかと思いますが、停止距離は空走距離+制動距離です。

おそらく以下のように習ったかと思います。

40km/hのときは22m
60km/hのときは44m
100km/hのときは112m

車間距離はこの距離をベースに考える人が多いと思います。

出典:自動車の速度と停止距離 運転免許 学科試験模擬問題集
http://menkyo-web.com/sp/kiso/p10.html


【常識的な車間距離の問題点】

〈覚えられない〉

運転免許を取得するときには必死に覚えたかもしれませんが、思い出せない人が大半だと思います。

せっかく習ったのに覚えてないのでは役立てようもありません。


〈車間距離が正しく測れない〉

人の感覚で前方の車両との距離を正確に測ることは困難です。

停止距離を覚えていたとしても正しく距離を確保出来る人はいないと思います。


〈停止距離は常に変化する〉

停止距離は上記のように速度によって距離が変わります。

仮に全て覚えていたとしても、距離を正しく認知できていたとしても車両の速度によって変わるので目まぐるしく変化します。

速度の変化に追従して距離を変化させられる人はなかなかいません。


【本来は時間】

車間距離を考えるとき、前方の車両がいきなり停止するなんてことはありません。

障害物にぶつかったりしない限り、急ブレーキを踏んでも前方車両の制動距離までは動きます。

制動距離はブレーキを踏んでから止まるまでの時間です。

制動距離は摩擦と速度によりますが、前方車両と同じ道を走っているので同じ速度で走行していれば同じ減速度で停止できるので相対的に無視できるとします。

あとは空走距離です。

空走距離はブレーキを踏むまでの時間に速度をかけた距離です。

ブレーキを踏むまでの時間は速度に依存しません。

ということは、速度によって変化する距離ではなく、同じ時間だけ確保すれば良いです。


【車間時間を算出する】

空走時間を考えます。

ドライバーが危険を感じてアクセルを離して(0.4〜0.5秒)ブレーキに踏み換える(0.2秒)ブレーキが効き始める(0.1〜0.3秒)
合計すると平均は0.75秒とされています。

これに前方の危険を認識するまでの時間が追加されます。
前方の車両が急停止すると判断するための時間はシミュレーターでの実験では周りに気を取られている中での平均は1秒以上かかるとのことなので合わせて約2秒。

前方車両の減速度が想定以上だったと認識するまで1秒かかったとすると合計で3秒ほどかかります。

出展:予防安全性向上のためのドライバー特性研究
http://www.iatss.or.jp/common/pdf/publication/iatss-review/36-1-03.pdf


【覚えるのは3秒だけ】

上記のように3秒だけ覚えて実践すれば良いです。

これだけ覚えれば良いのであれば、誰でも覚えられると思います。

3秒の確保の仕方は簡単です。

前方の車が通った場所を自分が通過する際に3秒空いているかを確認するだけです。


【実際に3秒空けてみよう】

実際に3秒空けると、大半の人が「普段よりも遠いな」と感じると思います。

しかし、あらゆる状況下でも加害者にならないためにはこの時間が重要です。

前方車両の急ブレーキにも対応できます。


【追突事故当事者の弁明】

「急に止まるとは思っていなかった」というのが追突事故当事者の弁明です。

誰もが常に前方車両の急ブレーキを素早く認識できるわけではないので車間時間を確保することが重要です。


【停車時の車間距離】

車間時間が3秒だとすると停車時は0kmなので、計算上は車間距離0mになってしまいます。

常識的に考えてもそんなに短くしては危険です。

停車時は前方の車両のタイヤが全て見えるくらいまでの距離を保ってください。

AT車の場合は、なんらかの拍子でクリープ現象により、意図せず進んでしまう可能性があります。

上り坂での停車では、前方の車両が坂道発進で後ろに少し下がってくる可能性もあります。


【車間時間を空けることのメリット】

〈安全〉

言うまでもない当然のメリットですが、安全に寄与します。

安全運転全般に関しては下記のノートを参照ください。


〈精神衛生〉

車間距離を詰めていて割り込みをされるとイラっとしますが、車間距離を開けている時はイラっと来ません。

これは前方の危険度が下がるためです。

また、周りの車の車線変更をスムーズにすることができるので、道路全体の交通環境がよくなります。


〈低燃費〉

車間距離を空けることは低燃費運転にもつながります。

これについては下記のノートに記載してますので、気になる人は見てください。


【あとがき】

車間距離を空けることはさまざまなメリットがあります。

また、後ろの車の距離が近い場合の対処方法もありますので下記のノートを参照ください。


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