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◤軽度知的障害者とは?

こんにちは、内ノ宮 基(うちのみや はじめ)と申します。
軽度知的障害者を家族に持つサラリーマンです。

後日、軽度知的障害者である弟のことをnoteの記事に上げようと思います。
今回は、その前の事前情報となる記事です。
知的障害者の定義を知っていただいた方が理解が深まると思ったため、投稿します。

下記の様な人にオススメの記事です。

  • 知的障害者について定義を知りたい人

  • 家族が知的障害者かもしれないと思っている人

  • 身近な人がこれから知的障害者としての検査を受けようとしている人

  • 境界知能や発達障害と知的障害者の違いがよくわからない人


時間のない人向けに結論だけ先に書きます。

Q.軽度知的障害者とは?
A.”知的機能の障害”が18歳までにあらわれていて、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別な支援を必要とする状態にある人を指します。
その中でも軽い症状の人を軽度知的障害者と定義付けられています。

Q.知的障害者として認められるメリットは?
A.障害者手帳が取得できることで受けられる支援が増えます。そして、家族としては原因がわかるため、これからの方向性や対策が定まります。

Q.”知的機能の障害”はどう判断するの?
A.知能指数(IQ)で判断します。

Q.”知的機能の障害”は18歳までに認められなくてはならないってホント!?
A.本当です。ただし、大人になってからでも、18歳以下の頃に”知的機能の障害”があったことを認められれば良いのです。

Q.日常生活に支障が生じているとは?
A.文字通り、日常生活(入浴やトイレなどから、家事までを含む)に支障が生じているかという意味になります。ただし、間接的な原因でも審査を通すことは可能です。

Q.何らかの特別な支援を必要とする状態にあるとは?
A.日常生活に支障が生じているために支援が必要だという状態です。時間軸を未来にまで広げた説明で特別な支援が必要な状況であることを証明できれば審査は問題ございません。

Q.何らかの特別な支援を必要とする状態にあるとは?
A.日常生活に支障が生じているために支援が必要だという状態です。時間軸を未来にまで広げた説明で特別な支援が必要な状況であることを証明できれば審査は問題ございません。

Q.知的障害と境界知能の違いは?
A.知能指数(IQ)の違いと支援の対象にならないという面です。

Q.知的障害と発達障害の違いは?
A.知的障害とは別の定義であり、自閉症などの色々な症状が発達障害に含まれます。そして、併用もあり得ます。


軽度知的障害者とは?

読者さんで、「軽度知的障害者って何?」「知的障害者と境界知能や発達障害と何が違うの?」という疑問を持っている方もいると思います。
そういった人向けに、まずは軽度知的障害者の定義から説明します。

まず、厚生労働省によると「”知的機能の障害”が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の支援を必要とする状態にあるもの」と定義されています。

箇条書きにすると

  • ”知的機能の障害”が18歳までにあらわれている

  • 日常生活に支障が生じている

  • 何らかの特別な支援を必要とする状態にある

の3点を証明する必要があります。

後ほど説明しますが、知的障害者の中でも重度知的障害者、中度知的障害者、軽度知的障害者に分かれます。
これは単純に知的障害の重さで分かれているイメージです。
”知的機能の障害”のレベルや本人の生活能力など様々なもので測ります。
その中で最も軽い障害を持っている人を軽度知的障害者と呼びます。
後ほど詳しく話しますが、2024年1月現在、IQ50〜70の人が軽度知的障害者と呼ばれる範囲です。(ただし、自治体によっては75までを”知的機能の障害”として認定する地域もある様です。)

知的障害者として認められるメリットは?

これは少し声を大にして言いにくい話ではあります。
なぜなら、捉えられ方によっては差別にも捉えられてしまうからです。
ただ、その差別と区別は違います。
差別とは不当な理由で一方的に区分けすることを指します。
一方、区別は違いを見分けて区分けすることを指します。
知的障害者という定義は厚生労働省で定義付けられています。
これは不当な理由にはなりません。
むしろ、しっかりと区別してあげることで前持って理解の得た場所で生活するというのは、本人にとって生活のしやすさに繋がると思うわけです。
健常者だと思われて接すると、想像力が乏しかったり、何度言っても理解しないなど怒りを買う原因にもなりかねます。
であれば、先に「私はこういう人だよ」と理解してもらってからの方が生活しやすいと思うわけです。

少し前置きが長くなりましたが、メリットの話に戻します。
大きなメリットは下記の通りです。

  • 障害者手帳が取得できる

  • (主に上記をベースとして)受けられる支援が増える

  • これからの方向性が定まる

主にこの3つでしょうか。
本記事では詳しくは述べませんが、障害者手帳の取得は大きなメリットです。
2つ目の通り受けられる支援が増えるからです。
障害者割引はもちろん、成年後見人制度やグループホームへの入所など、可能性の門が開きます。
さらには、3つ目のこれからの方向性が定まるというのは家族にとっては大きなメリットです。
原因が特定できれば、やることはシンプルです。
本人が生活しやすく、家族は安心して暮らすための方法を模索する方向で考えれば良いのです。

”知的機能の障害”はどう判断するの?

さて、メリットを認識したところで知的障害者の定義の話に戻します。
ここでポイントとなるのが、”知的機能の障害”です。
ただ、”知的機能の障害”と言われても客観性がないですよね?
「どうやって”知的機能の障害”と判断するの?」って感じだと思います。
そこで登場するのが皆さんも聞き馴染みのある言葉、IQです。
IQとは知能指数のことを指します。
知能知数は知能検査と呼ばれる検査で測ります。
知能検査には数種類ありますが、”ウェクスラー式知能検査”と呼ばれるものが有名です。
これは同年齢の人々と比べて、どの程度の知能水準を持つかを示すための検査です。
この検査結果から判明した数字がIQとなります。

では、”知的機能の障害”の話に戻ります。
”知的機能の障害”が認められる範囲は、IQがおおむね70以下までを指します。
さらに細分化すると、2024年1月現在、IQ50〜70の人が軽度知的障害者と呼ばれる範囲となります。(ただし、自治体によっては75までを”知的機能の障害”として認定する地域もある様です。)

簡単に表すとこんな感じです。
IQ70以下:知的障害者
IQ71〜84:境界知能
IQ85〜115:平均


ここで一つ疑問に感じた人がいると思います。
「IQ(知能指数)で、どの様に分類するの?」
その答えは正規分布で説明がつきます。
正規分布とは、平均値を基準として中央から左右対称に広がる分布です。
具体的に言うと、5を基準とした場合、5が一番多くなります。
次に4と6が多くなり、その次は3と7、さらに2と8と続き1と9、最後は0と10は一番少ない数字になり、図にすると山形に分布されます。


これをIQに当てはめるとIQ100を基準に正規分布されているため、IQ100から遠くなるほど割合が減る仕組みです。
平均的なIQは85〜115に収まると言われており、全体の約68.2%の人がここに当てはまります。
単純計算で10人に6〜7人は平均的なIQということになります。

少し記事の主旨とずれますが、IQ71〜84の人は「境界知能」と呼ばれます。
この境界知能の人は、前述している”知的機能の障害”には当てはまりません。
(自治体によってはIQ75までが”知的機能の障がい”として認められている地域もあります。)
故に、生活の補助が必要な場合でも助成を受けられないなどの問題点が浮き彫りになっています。
必要な人が必要な助成を受けられないという問題は、まだまだ解決されていないのが現状です。
とは言っても、この件は記事の主旨とズレるのでこの辺にしておきます。

”知的機能の障害”は18歳までに認められなくてはならないってホント!?

では、IQが70以下(地域によっては75以下)であれば認められるのでしょうか?
それは違います。
ここで知的障害者の定義を引用します。

「”知的機能の障害”が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の支援を必要とする状態にあるもの」

つまり、”知的機能の障害”が18歳頃までにあらわれたことを証明しなければなりません。
一番簡単な方法は18歳になる前に知能検査を受けて証明することです。
しかし、私の弟は28歳で知能検査を受けました。
普通に考えたら手遅れです。
しかし、大人になってからでも、18歳以下の頃に”知的機能の障害”があったことを認められれば良いのです。
つまり材料を集めて、証明することができれば知的障害者として認められます。
私の弟の場合、母がすでに亡くなっていたというよりも、母が亡くなったことがきっかけで障害に気づきました。
そのため、祖母や親戚などから弟の幼少期の頃の情報を集めました。
さらに母の遺していた日記や小学校入学の際の書類という記録が大きな要因となりました。

ですので、”知的機能の障害”が18歳までに認められなくてはならないということは本当ですが、大人になってからも証明する方法はあります。
また、検査や面談なども数回に分けて行うので、この時に本人のあるがままを伝えてあげるサポートが重要になります。
具体的な方法やヒントはぜひ私の著書をご覧ください。

日常生活に支障が生じているとは?

続いて、日常生活に支障が生じていることも証明しなければなりません。
ただ、中々証明が難しい部分ですよね。
一人暮らししているのであれば、証明は容易いと思います。
しかし、私の弟もそうですが、実家暮らしをしていると日常生活に支障は出ていても見えにくいです。
ここで日常生活とは何かを考えてみます。

日常生活
読み方:にちじょうせいかつ

毎日繰り返される取り立てて特別な出来事のない生活を指す語。日常的な生活、暮らし

引用元:Weblio辞書

想像通りです笑
では思いつく限り、日常生活について出してみます。

  • 睡眠(起床、就寝)

  • 歯磨き

  • 食事

  • 着替え

  • 入浴

  • トイレ

  • 料理

  • 掃除

  • 洗濯

  • 買い物

と言ったところでしょうか?

この辺りの事柄に支障が生じていることを証明しなければなりません。
実家暮らしの場合、ハードルが急激に低くなりますよね?
親がやってしまえば終わるものばかりです。
掃除や洗濯は家事レベルです。(上記箇条書きで太字にしているもの)
中々証明が難しいですよね。
ただ、これが重度や中度の場合だと話が変わってきます。
付き添わなければ入浴やトイレ、着替えすらも難しい人もいるのです。
そういった場合は、日常生活に支障が生じていると認められるようです。

ただ、私の弟は軽度知的障害者でそのあたりは一人でもできます。
しかし、家事レベルの日常的生活が難しいのです。
母の死後、クックパッドなどのレシピサイトを見て料理も少しした様ですが、すぐに外食やデリバリーになりました。
掃除もしないので、すぐにゴミ屋敷になりました。
洗濯は父に任せきりです。
買い物は金銭感覚がぶっ飛んでいるため、使いすぎます。
そう弟の場合は、金銭面の管理ができないため、日常生活に支障が生じているという事実を伝えました。
同時に私の悩みでもあったので、そこを面談のたびに担当者の方に伝えました。
加えて父も仕事柄、家にいないことも多かったため、そこもポイントになったかもしれません。
この様に間接的な要因(弟の例だと金銭感覚)も、日常生活に支障が生じていることの証明になります。

と書くと、難しいと思われる方もいると思いますが、気軽で大丈夫です。
事実を伝えれば良いです。

何らかの特別な支援を必要とする状態にあるとは?

これは抽象度が高い言葉ですよね。
「そもそも何らかの特別な支援って何?」って感じです。
ハッキリ言います。
ここは言語化できないです笑
とは言え、厚生労働省が正式に定義付けているわけですから、意味や範囲はあるはずです。
ただ、私にはわかりません笑

そのため、私の捉え方程度として読んでいただければ幸いです。
再び知的障害者の定義を引用します。

「”知的機能の障害”が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の支援を必要とする状態にあるもの」

「日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の支援を必要とする状態にあるもの」とあります。
つまり、「日常生活に支障が生じているから特別な支援が必要ですよ」と言って「確かに必要ですね」とさせれば良いのです。

例えば、先ほど例に出したように重度や中度の方だと入浴やトイレを一人でできない方もいます。
そんな状況で親がもしも突然いなくなったらどうなるでしょうか?
入浴やトイレはもちろん、食事すらできない状態になります。
そうなると待ち受けるのは最悪の結末ですよね。
その状況が分かっている状態で「特別な支援が必要です」と言えば、「確かに必要ですね」となるはずです。
ここで大事なのは、特別な支援が必要な状況であることを証明することです。
現実的に支援が必要だということを証明することに越したことはありませんが、「スグに特別な支援が必要です!」という状態になってから知的障害者であると認めてもらおうとしても遅いですよね?
「誰がその手続きするんだ?」って話にもなります。
ですので、時間軸を未来にまで広げた説明で特別な支援が必要な状況であることを証明する必要があります。
またも弟の例で話すと、金銭管理ができなく日常生活に支障が生じているため、何らかの特別な支援が必要な状態でした。
金銭管理ができないということは、お金が無くなる可能性も人より高いです。
お金がなくなればどうなりますか?
借金か犯罪が考えられます。(もちろん、生活保護も選択肢に入りますが、弟自ら考えることは難しいので除外しました)
借金ならまだしも、犯罪の場合、誰かに迷惑がかかります。
そう考えると、何らかの特別な支援が必要なわけですね。

知的障害と境界知能の違いは?

両者の違いの結論としては、IQの違い支援の対象にならないという面です。

少しお話した様に基本的にはIQで判断します。

IQ70以下:知的障害者
IQ71〜84:境界知能

と判断しますが、地域によってはIQ75でも知的障害者の範囲に入ります。
境界知能の範囲の場合、現時点では明確な診断名ではありません。
そのため、例えば特別な支援が必要な場合でも支援の対象にはならないのです。
それでも知的障害者の人と似たような特徴がみられることもありますし、違和感も些細すぎてわからないことが多いのです。

知的障害と発達障害の違いは?

発達障害は近年、急激に耳にすることが多くなった言葉だと思います。
では、「何が違うの?」と聞かれると、知的障害との併用もあったりして判断が難しいです。
人によっては同一の意味として捉えている方もいます。
なので、ここは厚生労働省の定義を基に考えます。

厚生労働省によると
発達障害者支援法において、「発達障害」は「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」
と定義されています。

つまり、結論としては知的障害とは別の定義であり、自閉症などの色々な症状が発達障害に含まれるのです。
そして、併用もあり得る。
となります。
発達障害については私も詳しくないため、そちらの詳細は控えます。

書籍の紹介

本記事の内容から私の経験談まで書いた書籍が下記です。

私と同じ様に家族に軽度知的障害者を持ち不安という方に向けて、
手帳取得へ向けた案内
・検査の仕方
・面談時のポイント
離れていても情報を手にいれる方法
・おなじみのツールの意外な使い方
家族以外からサポートを受けるという手段
・グループホームの入り方
・家族が言ってもダメな時の方法
などの実用的な情報や
軽度知的障害者の可能性についてまで言及しています。

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近年物価上昇でワンコインなんて聞かなくなりましたよね。
ワンコインランチなんて言葉もありましたが、今では聞きません。
しかし、当書籍はワンコインです!
家族が知的障害者で悩んでいる人にとっては、その悩みから解決されるヒントが載っている書籍がワンコインです。
少し下衆くなってしまいましたので、ここら辺にしておきます。
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