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大阪市をウォッチしよう!! 01 なぜ大阪市会の傍聴を続けるのか

 名古屋市から大阪市に転居して5年半。名古屋の頃は、市議会を傍聴したことは一度もなかった。大阪に来て「維新政治」に腹が立ち、大阪市議会(大阪市では市会と呼ぶことが多い)を傍聴するようになった。
最初は市会ではなく、大阪市廃止・特別区設置の是非を問う「法定協議会」を傍聴した。歴史と伝統ある大阪市を廃止することが、市民として、地方行財政を研究してきた者として許せなかったからだ。法定協議会を傍聴して、維新委員の横柄な態度を近くで見ることができた。コロナ禍の住民投票に反対して、傍聴仲間と市会に陳情書を提出し、住民監査請求をした。市会の本会議や委員会を定期的に傍聴して、レポートを投稿してきた。
二度目の住民投票の結果、大阪市は存続することになったが、大阪維新の会は大阪府市一体化の策動を始める。政令指定都市・大阪市を骨抜きにするものだ。その背景には、大阪湾の人工島「夢洲」で開催予定の万博、IRカジノ誘致があり、大阪市の財源を府に巻き上げるのが狙いであった。夢洲など大規模開発に関わる都市経済、建設港湾委員会などの傍聴にも通ったが、コロナ禍で傍聴が制限され、リアルではなく、ネットでの傍聴が多かった。
5月18日・19日14時から、大阪市会本会議を傍聴した。4月の選挙で市長と市議が選出され、新しい体制の大阪市議会のスタートであり、議長と副議長、市会運営委員長などが選出された。定数81のうち、大阪維新の会が46人と過半数を占めており、次いで公明党18人、自民党・市民クラブ11人、自民党・市民とつながるくらしが第一4人、共産党2人であり、3月までとは議席と顔ぶれに大きな変化があった。
 維新議員が議場真ん中にドカンと、多くの議席を占めている。初めて傍聴に来た人や維新議員の支持者らしき人が多かったようだ。選挙後の市会は、こんなものだろうか。いつもと違った雰囲気であり、なんだか居心地が悪かった。
会期は6月9日まで。議員定数の削減も最終日に議決されるらしい。市会議員の定数のうち、定数3~6の11選挙区で各1ずつ減らす条例改正案を維新は提出するようだ。まさに少数会派を切り捨てる削減案である。大阪市議会はますます行政の「追認機関」となり、大阪維新の会という地域政党の「翼賛議会」になってしまうのでないか。最前列で傍聴していて、だんだんと腹が立ってきた。
横山市長の就任挨拶にも腹が立った。聞き取りにくかったが、子育て支援や教育など、総花的に政策を並べるばかりで、メリハリに欠けていた。一方で府市一体の成長戦略、夢洲での万博やIRカジノには力をこめていた。「維新政治」のもと、橋下・吉村・松井とつづいてきた大阪市長。これからも、横山市長と維新議員の動向、さらに大阪市行政をチェックしていきたい。
議員定数削減とIRカジノ誘致について陳情書を提出したが、次回に話すことにする。

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