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OLA革命-自分度の広げ方 11「シン・アーケード」

基本構想の具体化は火災から

 商店街の理事長であった武藤さんと、以前から商店街の再構築については話しあっていて、ここにどのような共用空間(コモン)をどう作れば、さびれた商店街が変わるのか、ということをずっとイメージはしていたんです。そこにたまたま火災があり、武藤さんにも火がついたというか、一気にいろんなことを具体化していく話となりました。
では基本構想について具体的に説明しましょう。

シン・アーケードについて


シン・アーケード基本構想

 右側の断面図を観ていただければいいかと思うのですが、杉の丸太(7M程度)と檜の角材(150mmx150mm程度)でこの木製アーケード(以降シン・アーケード)は構成しています。
杉の丸太も檜の角材も地域にいくらでもある材料です。これらをふんだんに使います。
 商店街のかつてのアーケードが、2階の床高さで構成されていると考えてもらえばいいかと思います。車については、バスやトラック等の大型車は近くにバイパスがあるので、小さな車や緊急車両程度が通れる程度のイメージですね。
 左の俯瞰図を観ていただくと、2階がイメージできますかね。1階部分の4mの通路を設け、2階は広いテラスを作り、かつ真ん中に2mの開口部を設け、光や風が通るように計画しています。1階部分にもテラスを作ったり花を飾ったりできるスペースができます。
 2階のテラススペースは、避難時に横移動できること、そして階段を一定間隔に設けることをルールとします。
 この構想は、この地域の方々とのお話からインスピレーションをいただきました。「こんなふうだといいなあ」「こうだと安心できるよなー」「気持ちいい場所にしてほしいなあ」という声を拾い上げて提案するもので、地域の方々が望んでいることを絵にしただけです。

共用空間(コモン)の自由度

 断面図の2階のブルーの部分は、個々人が自身の費用で、自身が作っていくスペースです。参加とか自主運営だとかそういうことではなく、まさに、みなさんが共に共用空間を作っていくこと。この自由度と距離感が重要ではないかと考えています。これは、かつての共同体社会では存在していて、かつ戦後のルール化、法整備の中で失われてしまった豊かさと自由度であり、大きな可能性への挑戦だと考えています。

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