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【夏の移籍最終日! ガンバ大阪 戦力分析】

2021/8/13(金)本日が夏の移籍市場最終日となる。各チーム国内移籍が活発になる中、ガンバ大阪の移籍による戦力図を見ていこう。

夏季移籍市場

今夏のガンバ関連の移籍は8/13 16:00現在、加入1名、退団2名となっている。

ポジション別選手層 (1)

加入はJ2水戸ホーリーホックから両サイドバックをこなせる柳澤亘選手が加入。退団は、直近の徳島ヴォルティス戦に先発出場していた一美選手が徳島ヴォルティスへ、オーストリア2部FCジュニアーズにレンタル移籍していた中村敬斗選手がLASKリンツへと移籍した。

これにより、2021/8/13 16:00現在の所属選手のポジション別年齢別分布表がこれだ。

ポジション別選手層 (1)

怪我人は、GKが2名、サイドバック2名、サイドハーフ1名の計5名(林瑞樹選手は負傷か不明。)

一森選手、林選手についてはシーズン開幕前に負傷。

高尾選手は、ACL第一節タンピネスローバースFC戦で復帰後、代替え日に行われたJ1第3節ホーム大分トリニータ戦で後半5分から出場。しかしJ1第4節アウェイ北海道コンサドーレ札幌戦で、タイ代表チャナティップからアフター気味のファールを受けて負傷。右前脛腓靭帯損傷及び右前距腓靭帯損傷と診断され全治不明の状態になってしまった。

福田湧矢選手においては、ACL第5節タンピネスローバースFC戦でスタメン復帰し62分プレーしたが、続くACL第6節全北現代戦の前半31分に負傷。公式リリースが出ていないため、怪我の状態やおよその復帰時期がわからない状態だ。怪我人を除いて見た場合、GK3人、CB5人、SB5人、OMF9人、CM5+1人、ST(CF)2人となる。

選手層を見たときに気になるのはサイドバックとST及びCF型の選手の部分だ。

サイドバック最年長は32歳の藤春、その次が25歳の柳澤になる。こう見ると、ロンドン世代後期とリオ世代全般の年代のサイドバックが所属していないことがわかる。

また、近年負傷が多い藤春と現在の負傷者を除いた場合、左が3.5名、右が2名+小野瀬となる。

人数だけ見たら揃っているように見えるが、今季ここまで出場がないウォノと、ボランチで起用したい奥野のことを考えると人選不足となる。

またFWに関しては、1トップを務めるのが基本パトリックとペレイラの2人だが、正直ペレイラは2トップの一角or2シャドーに置いたほうが機能するように見えるため、前で落とせるFWはパトリックのみとなっている。

柳澤亘の加入

今シーズン開幕前からサポーターの中で上がっていた声はサイドバックの不足である。

開幕前に宮本体制下で試行錯誤されていた4-3-3のシステム。しかし3月上旬にクラスターが発生し、約2週間トップチームの活動が停止し、これによりコンディションが落ちる選手や、キャンプで落とし込んだことが0に戻ってしまうという事態が発生した。

そこで、高尾選手のコンディション不良や福田選手の脳震盪?により右サイドバックには急造で小野瀬選手を使わざる得なくなってしまった。

その結果、昨季誇った堅守は崩壊し、降格県内に落ちてしまった。

開幕前からサイドバック専門の選手を獲得していれば宮本ガンバが今でも続いていたのかもしれない。

宮本前監督が解任され、後任には強化部長の松波さんが代理監督として登用され、最終的に代理監督から監督に変更された。

松波ガンバでは、3-4-2-1のフォーメーションを基本として戦っている。サイドバックを置かず、ウイングバックを置くことにより、選手層の薄いサイドの枚数を減らしてローテーションできるようにしたとみられる。

松波監督に代わってからリーグ戦、カップ戦含めて9勝4分け7敗と勝ち越してはいるものの、リーグ戦ではビックネーム相手に勝つことができていない。

そんな中4バックと3バックを併用して相手によって戦い方を変えていくために、サイドバックの補強をした。それが水戸ホーリーホックから加入した柳澤亘選手だ。

FC岐阜在籍時には59試合4アシスト、今季から在籍した水戸では12試合1アシストを記録している。平均すると岐阜在籍時は14試合に1アシスト、水戸在籍時は12試合に1アシストととなる。

プレースタイルはデータ上から見るに、ドリブルで駆け上がっていくタイプのサイドバックではなく、組み立て型兼守備的サイドバックと言える。水戸在籍時のデータでは、クロス及びビルドアップ、対人の守備のポイントが高く評価されている。

そんな柳澤選手を獲得したことにより、4バック時にはRSBを、3バック時にはRWBを小野瀬とローテーションしながら起用されることが見込まれ、これにより、奥野選手を本来のボランチに、小野瀬選手を休ませながら起用できるようになった。しかし、福田選手と高尾選手の復帰時期が未定の今、もう一人サイドバックをとってもいいような気もする。

中村敬斗と一美和成の退団

今夏の移籍市場で急に発表された中村と一美の退団。中村敬斗は元々海外志向が強く、風の噂では将来的にマンチェスターユナイテッドでプレーするのが目標だとか。そのため、海外にレンタルで出た時点からガンバに戻る意思は低く、レンタル放出後ガンバは戦力として計算していなかったと感じる。そのため、中村敬斗の退団は今のガンバにそこまで大きなダメージを与えたとは言い難い。

逆に大きな話題になったのは一美の退団だった。

退団がリリースされる直前のアウェイ徳島ヴォルティス戦に先発出場し、今季ここまで18試合出場し1ゴールを記録している。昨季横浜FCでは4ゴール2アシストを記録しているが、今季ここまで出場時間が昨季の1/3以下ということもあり、スタッツとしてはそこまで悪くはないと感じる。

一美の退団には2つの理由があると考えられる。

1つは出場機会の減少である。ガンバU23では3年間で4776分、京都サンガでは2499分、横浜FCでは1765分出場しているものの、ガンバのトップチームでは2018シーズンと2021シーズン合わせて737分しか起用されていない。

今期に限ってはパトリックとペレイラが1トップに入っていることもあり、ベンチ入りはするものの、満足のいく出場機会が得られなかった。

2つ目は不慣れなポジションでの起用である。3-4-2-1にシステム変更がなされたあと、CFのポジションで使われることはなく、基本的に2シャドーの一角でプレーさせられ、不慣れなポジションのため、思うようにプレーできなかったと考えれられる。

出場機会が少なく、不慣れなポジションで出場させられる現状を考えると、移籍したいと考えるのは普通であると感じる。

では何故同一カテゴリーの徳島だったのか、なぜレンタルではなかったのか。

2年前京都でインパクトを残した一美ならJ2からも多くのオファーがあってもおかしくない。しかし、J2のクラブからのオファーと共にJ1のクラブからオファーが来たらどちらを選ぶか。そりゃあカテゴリーが上のJ1のチームを選ぶのは必然的であり、何もおかしいことはない。

何故徳島だったのか。

徳島は1トップに鹿島からローンの垣田、川崎からローンの宮代、自チームが保有権を持っている河田、西野、元ガンバの佐藤がいた。

しかし、今夏の移籍市場で河田が大宮に完全移籍で退団、残るはレンタル組の垣田、宮代と、今季試合しか出ていない佐藤と4試合の西野の4人になる。

更に、宮代については今季ここまで6ゴール、垣田については徳島で計20ゴールをマークしている。

ここで気になるのがこの2人の動向である。宮代は開幕前から海外移籍の噂が立っており、下手したら今シーズン限りで川崎に戻るかそのまま川崎から海外へ移籍するかの2択になる。特に最近川崎はダミアンが負傷したこともあり、負傷具合によっては川崎から復帰要請が出てもおかしくはない。

垣田については、保有元の鹿島にFWがエヴェラウド、土居、染野、東京オリンピック代表の上田綺世の4人在籍していることがキーとなっている。

エヴェラウドは今季開幕前に中国方面から狙われたり、ブラジル方面から狙われたりと年齢と移籍の噂を考えてもいついなくなってもおかしくはない。

上田綺世は東京オリンピックではいまいちだったものの、鹿島での結果とU-24日本代表に選ばれる実力から、早くて今シーズン終了後に海外移籍する可能性が高い。特に、同じ東京オリンピック代表に選ばれた林大地は、今夏の移籍市場でベルギーのシントトロイデンに移籍が決まったことから、上田及びマリノスの前田も近い将来海外移籍する可能性が高い。

そうなると残るのは染野と土居だが、土居はサイドでも起用できるため、純正CFの選手が少ないと感じてしまう。ましてや、今夏の移籍市場で小泉と白崎がサガン鳥栖へ移籍したので尚更土居がサイドで使われることが多くなり、CFの枚数が足りなくなるだろう。

そうすると来シーズン徳島には垣田と宮代はいない可能性が高く、今シーズン残留し来シーズンもJ1で戦うことを考えた場合、外国人枠を圧迫せずに各カテゴリーで一定の結果を出した一美に白羽の矢が立ったと考えられる。

一美の退団でCFの枚数が減ったガンバ大阪。ここまでの起用法を見るに3-4-2-1の場合CFはパトリックorペレイラで、4-3-1-2なら宇佐美orシウバ+パトリックorペレイラの起用になるため、今シーズンのFWの補強はほぼないと考えられる。

現在フリー!10/1まで獲得可能。この選手ガンバに欲しくない?

1人目は長友佑都。両サイドバックこなせて代表クラス。年齢34歳と高いものの、1~2年間の契約なら取ってもよさそう...?移籍金はかからないが、ネックになるのは給与面..?

2人目は元サンフレッチェ広島の塩谷司。先月アルアインと契約満了でこちらも現在フリーなため給与面だけ折り合いが付けば...

3人目は元柏レイソルの工藤壮人。アメリカ移籍後ゴールからかけ離れてしまっているので、現実問題獲得するかは微妙なところ。昨シーズンまでの千真さんみたいにスーパーサブで爆発してくれたら面白そう。

4人目は先日神戸と契約解除をしたケニア代表のアイユーブ・マシカ。スピードが武器のマシカ。2トップの一角や2シャドーの一角において裏狙わせたら面白そう。特に慰安のガンバに少ないスピード型なので獲得したら重宝されそう。

実はこの選手狙い目じゃない?

1人目は清水エスパルスのディサロ燦シルヴァーノ。藤本憲明が神戸からレンタルで清水に行ったことで、CFでの序列が下がったと思われるディサロ。今シーズンはインサイドハーフで使われることが多いが、最近の清水は4-4-2の布陣を敷いてるため、インサイドハーフのポジションも消滅。昨シーズン北九州での活躍を考えると、出場機会を求めて獲得できるかも?

2人目はサンフレッチェ広島の永井龍。今シーズンここまで3試合で出場時間は45分のみと出場機会に恵まれない永井。広島に来て2シーズンでここまで1得点と長崎時代を考えると物足りない。しかしCF以外にも名古屋時代にウイングもやっていたため、ポリバレントなプレイヤーでスピードあり、ワンタッチの捌きありを考えると獲得してもよさそう。更に広島と言えば3-4-2-1の布陣を敷いている。システム的にすぐにはまりそう。但し彼元セレッソ所属のため、来る可能性は低いかも...?

3人目は湘南ベルマーレのタリク。第15節で1カ月の負傷離脱をしたタリク。2シーズン合わせてここまで2得点と得点力は少ないが、今シーズンの出場時間を見るとオファー出せば来てくれるかも?プレースタイルも一美と似ている部分もあるため、獲得したら面白そう。

まとめ

夏季の移籍市場での補強は柳澤だけと、まだまだ残留に向けて2~3人補強してもよさそうな状況。

現在契約が残っている選手は明日以降獲得不可能なため、現実的に獲得しないと思われるが、フリーの選手は10/1まで登録可能なため、ここからフロントの仕事量によって上層部の本気度が伺えるだろう。

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