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スペシャリティーを持つオールラウンダー

「何でもやります」「全部やります」

20代で独立したての頃、僕はとにかくこの言葉を連呼していました。

それを見て「安売りするな」とか「特化した方がいい」とか散々言われてきたけど、そもそも仕事ももらえないし、メジャーデビューという特化した成果を出しても仕事が無いのが現実。

耐え忍べばチャンスが来る?いつ?
力を持っている人に気に入られろ?誰に?

そんな曖昧でギャンブルな生き方より、僕はとにかく腕一本で生き抜く力が欲しかった。「こうすればこうなる」という確実な仕組みを知りたかった。

結論、そんなテッパンなルールは無いけど、スペシャリティーを持つオールラウンダーは強いことを知りました。


今の時代、腕が一本では全然足りなくて、とにかくやれることが多い方がいい。

ただし、順番が大事。

「特化した方がいい」というのはある意味正しくて、どんなに色々できたところで、クオリティが低ければ意味がないですよね。信頼も損なっちゃう。

だからAをやると決めたら狂ったように没頭するステップは必要で、それをものにする手法を身につけるのが最初です。

その「身につける手法」はBやCをやる時に役に立ちますし、新たな手法も追加されていくでしょう。

そうやって没頭したものが増えていくと、やがて、
[音楽]95点
[教育]95点
[デザイン]60点
[営業]70点
[動画]60点
・・・のような自分の能力のレーダーチャートができていきます。

野球やサッカーのポジションで例えてもいいかもしれませんね。
ピッチャー、ファースト、センターとか、フォワード、サイドバックとか。

もちろん「すべて中途半端にかじったオールラウンダー」では意味がなくて、一個ずつ真剣に追求した結果、レベルの上限値に達したスキルをいくつか持っているという状態がいいです。

ゲームをやる人はわかると思うけど、剣士と魔法使いの魔法レベルの上限値を比べたら、魔法使いの方がより高いレベルまで行けるようなものですね。

人それぞれが持つ特性によって、同じ事に取り組んでも、到達できるレベルにはばらつきがあるんです。


今の時代は誰でもなんとなくアプリをいじっているだけでデザインや音楽っぽいものが作れますよね。

若いうちはそれに十分価値があると思っていても、ビジネスの現場、商業の世界に足を踏み込んだ瞬間、それが通用しない。

そこで趣味レベルと仕事との境界線を知ります。

そういう経験をしたり一つの職種に従事している人からは「いくつもの職種が高いレベルでできるわけない」「遊び半分で色々やるもんじゃない」と思われるのは仕方の無いことですよね。


一方で、まだまだ理解されなかったりその生態が知られていないのが、僕らアーティストやクリエイター。

僕らは基本的に個人事業主や会社を持つ社長です。

生計を立てるのは結構大変で、主たる事業は設定するものの、継続するためには複数の事業を回して売上を立てていかねばいけないんですね。

だから給料ではなく、「事業売上-諸経費」が自分の収入なので、自分が欲しい収入の2倍以上は売上を立てないと生きていけないんですよね。

ここで、さっきのレーダーチャートが役に立つわけです。

平均点以上のスペシャリティだけでなく、できることを拡張していきます。

世の中のすべての仕事は、「業界・職業の理解度」と「最適な形でアウトプットするスキル」のかけ算だからです。

このどちらかだけでは事業は成り立たないので、日々寝ずに修練するわけですね。


そうやって生きてきたら、「何でもやります」「全部やります」は「何でもやれます」「全部やれます」に変わります。

僕がこういうことを発信していると「競合を増やすからよした方がいい」と忠告されることも多いんですが、逆です。

こういう働き方が一般的になっていけば、その感覚を共有できる人が増えるので、もっと仕事も増えると思っています。

この時代を楽しんでいる人達との出会いが僕のモチベーションです。


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ガリバー宇田川(アーティスト専門家)
メジャー経験のある現役シンガーで日本アーティスト協会代表理事。
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