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コスホリ最上階で神秘と宗教を体験したという話。

これはコスホリ(コスホリック)にいったときの記録であり、あくまで主観としての体験記である。

コスホリとは、コミケなどのイベントではNGの写真集(ROM)、いわゆるR-18のコスプレROMを出展することができるコスプレの同人誌即売会。年4回ほど都内で開催されている。

18歳以上であり、それを確認するための身分証、そして1冊2000円ほどのパンフレットを購入すれば誰でも入場することができる。当時コスプレをしていた僕は知人の女性レイヤーが出展するということではじめてそのイベントに参加。いまから7年とか8年前の話。

僕が行ったコスホリの会場は1階から4階まであるビルで、階が上がるに連れてエロさが増していくわかりやすい構造だった。(ちなみに会場は毎回変わる。)知人が出展していたサークルは1階であり、非エロのフロアだったので
コミケでみる風景と変わらず妙な安堵感があったのを覚えている。

知人への挨拶もすませ、ROMも購入したので帰宅しても問題はなかったんだけど、せっかく2000円も払ったんだし…エロみたいし…と、興味本位で上の階も覗いて見ることにした。

ここでフラグが立っていたことには、その時は気づかなかったわけだ。

早速2階へと足を踏み入れるとお客さんの数は一気に増え、女性レイヤーがまとう布の面積も薄くなっている。売っているROMもコミケではNGになりそうなものばかりであるが、このあたりはまだ想定内。フロアをグルっと周り上の階を目指す。

しかし、3階に上がるとフロアの酸素は急に薄くなり、温度も上昇していることに気づく。湿度も高く、歩いているだけなのに汗が止まらない。人口密度が異常なのだ。

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このイベントの特徴として、ROMを購入することでレイヤーさんを撮影できる撮影券がついてくる。この撮影券があれば、各階フロアの壁際でレイヤーさんを独占撮影できるため、順番待ちのカメコでごった返してるわけだ。

ちなみに3階の女性レイヤーはほぼ下着である。

だいぶ雰囲気も堪能できたし、酸素不足と水分不足もあったので帰宅を考えたわけだけども、最上階である4階にいかなければラスボス前で逃げるようなもので、しばらく休憩をとった後、意を決して4階へと向かった。セーブポイントなんてものはない。

最上階。

4階フロアの決して高くはないその天井には雲がかかっており、フロア全体には少し霧がかかっているようにみえる。(※1)

(※1)
コスホリに訪れた大勢の来場者達の熱気でフロアの温度が一気に上昇し、来場者達の身体から発せられた汗によって水蒸気が発生、フロアの天井に溜まっていったその水分が冷房によって冷却され、白い霧のようなものが発生する現象である。後のコスホリ雲である。

奇しくもその霧のせいでフロアには神秘性が漂い、ほぼ全裸の女性は(一応なにかのコスプレ)非日常性もあいまって、女神かなにかのような崇拝性を醸し出し、異常な空間を構築してるのである。そんなほぼ裸の女神(コスプレイヤー)を撮影しようと汗をびっしょりかいた多くのカメラマンが密集している様子はなにかの宗教を想像させた。

空気が薄く低下した思考能力の中、皆が撮影しているし僕もROMを買って撮影しなければならない!という謎の脅迫概念が生まれるも、その異常な暑さと酸素不足から僕のHPはもう0に近く、断念せざるおえなかった。逆に助かったわけだ。

近年のコミケはライトオタク向けのイベント性が強くなっていることもあり、純度の高いオタクイベントを味わうことができたのは、それだけでも2000円以上の価値があったと思う。(前向に考えて)もう10年近く前だし、今は会場も広いだろうから雲はでないだろうけど、古のオタク文化を味わいたいならコスホリはおすすめのイベントである。

※サムネや使用写真はすべてフリー素材を使用しています。

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