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作曲しようぜ!!作曲不完全マニュアル 第5回『素晴らしきオンコードの世界』

少し間が空いてしまいましたが作曲不完全マニュアル5回目です。本当は作曲編だけで4回くらいかなと思っていたのですが書くほどにあれやこれや出てきて今回でちょうど折り返しくらいかなと思ってます。ご購入いただいた方々ありがとうございます。第1回〜第4回までをまとめて購入できるマガジンもありますので個別購入がめんどい方はそちらを。

今回はこれまでのコードを基本としつつそれを崩したものとしてオンコードについて取り上げていきたいと思います。ワタシ自身よく使うもので好きな手法です。オンコードって慣れないうちは『何のために存在するのか』すらわからなかったし、ベース演奏ではルート以外は何を弾いていいか最初はわからなかったしで嫌いでした。でもその意味合いがわかるとエモい存在で、特にベーシストはその要なので前向きに取り組めると幅が広がります。それでは『素晴らしきオンコードの世界』へ行ってみましょう。

購入していただいた方のみコメントが出来るので今回の内容でもそうでないものでもコメントで質問してくれたら一生懸命答えます。(コメントは誰でも見れるようなのでパーソナルな事や機密事項に関しては答えかねます。)

オンコード(分数コード)

オンコード、または分数コードと呼ばれるコード。分数のように上下に分かれて表記してあるコードで他にもC/EとかConEとか書かれます。都合上ここでは譜面は分数で、テキストではC/Eで書いていきます。知らない方のために説明すると

分母が単音(ルート)、分子が和音となっているコードです。わかりやすくイメージするならピアノの左手が分母、右手が分子みたいな感じです。バンドとかで考えるなら分母がベース、分子が鍵盤とかギターとかです。
極端に言うとバンドだったらギターとか鍵盤などの和音を弾く楽器ならオンコードの分母の方は無視しても良かったりして実際省くこともあります。そう、オンコードの分母はベースが強く関係します。

で、理屈はわかったけど実際オンコードってなんで使うん?どこで使うん?となりますが実はその使われ方は主に2パターンしかありません。

1.ベースのルートの動きをスムーズにするため
2.オンコード自体の特殊な響きが欲しいから

この二つです。さらにこの2つはそれぞ見た目は似たようなオンコードで表記されますがわかりやすい違いがあります。

これがそのまま

①分子のコードの構成音をルートに持ってきているパターン=
ベースのルートの動きをスムーズにするため

②分子のコードの構成音にない音をルートに持ってきているパターン=
オンコード独自の特殊な響きが欲しいから

と考えて大丈夫です。実際は全部オンコード自体の特殊な響きが欲しいから使うんですけどそこはあえて分けて紹介ていきます。

この項のまとめ
・オンコードは分母が単音(ルート)、分子が和音
・オンコードの分母はベース、または鍵盤の左手が担当
・使う理由はルートの動きをスムーズにするか、オンコード独自の響きが欲しいかの2つ

ルートモーション

まず①分子のコードの構成音をルートに持ってきているパターン=ベースのルートの動きをスムーズにするためのオンコードに触れていきます。ルート、すなわちコードの最下音の動きをルートモーションと呼びます。ここでもなんかカッコいいのでそう読んでいきます。()

下降するルートモーション

例えば次のようなコード進行があります。

上の譜面のように和音の方はボイシング(コードの構成音の押さえ方)を転回するとコードチェンジしても近い音域で収まるのですがルートは単音なのでそうはいきません。CからGは結構飛びます。そこでコードのサウンドは大きく変えたくないけどなんとかスムーズに出来ないかという理由で生まれるのがこのオンコードです。コードのサウンドは大きく変えたくないというのがポイントで、ならどうしたらいいの?ってとこで『そのコードの別の構成音をルートにすればいいじゃん』という発想です。鳴ってる和音は同じ、ただしルートが変わってますという感じです。
そこでこのルートモーションをスムーズになるようにオンコードを駆使したのがこちら↓前半が元の進行、後半がオンコードをverです。

このようになり、オンコードを使っていない方も普通なんですけど、オンコードを使ってルートモーションをなだらかにした方は印象がだいぶ変わります。どちらが良いというわけではなく、どちらも選べるのが楽しいのです。例えば最後のサビだけルートモーションを変えたりしたら結構ドラマチックになったり。
でこれのもう一つ良いところとして試しに簡単なオケとメロをつけてみます。↓

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