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Synthesizer V(歌声合成ソフトウェア)凄いね

久々にソフトでびっくりしました。ぶっちゃけソフト音源とかエフェクトプラグインなんかよりもずっと驚きました。その名もSynthsizer V。いわゆる歌声合成ソフト、、私のようにこれらに疎い人にわかりやすく説明するならボカロ。

よくあるピアノロールにメロディー打ってそこに歌詞を打ち込むとその通りにソフトが歌ってくれるというやつです。『最近はそこそこ進化してきたよね〜』くらいにしか思ってなかったんですけど、ごめんなさい僕の勉強不足でした、はい、正直舐めてました。()

知り合いのクリエイターの家で与太話していたら『これ凄いっすよ。』とその場でSynthsizer Vの実演してもらったんだけど、想像の10倍ちゃんとしてました。かなり人っぽい。そして何よりベタ打ちでも十分それっぽい。

↓の動画で雰囲気わかります。普通のリスナーなら人が歌ってるって思っちゃうかもですよ。

初音ミクを始めとするボカロは自分には使い道がないけどこれなら十分に使えるって事で早速導入してみました。ダウンロード版なら1万円ちょいなのでコスパも良し。ちなみに歌声データベースは無料で落とせる『Mai』しか使ってません。

メインボーカルとして使えるか?

ひとまずサンプルを作って見ましたよ。(絵は動きません)

どうでしょうか?曲がアホっぽいのは置いておいてメロのmidi読み込んで歌詞打っただけで調整もしないでこれならちょっと驚きです。ま、ぶっちゃけメインVoとしてどこで使うのかは謎ですが仮歌では使えるかもしれないですね。

自分の場合仮歌を入れてくれる人をうちに招いて歌詞のはめかたや自分のイメージを伝えながら作って行くという方法で録るけど、完全リモートで仮歌を録る時に歌詞のハマりを説明する時の"仮"仮歌にも持ってこい。

そしてなんと言っても魅力的なのはAIリテイクという機能自動で生成された歌い方が気に入らなかった場合、その辺りを選択してボタン一つでその部分を歌い直したかのような感じで新しい歌い回しを提案してくれるという。程よいテイクが出るまで何回かAIリテイクボタンを押せばいいのです。微調整とか入りません。AIぱない。

当然、生成されたものをそのまま書き出してオケに入れてはいオッケーとは行かずにEQやコンプなどの調音は必要ですかね。上のサンプルではサチュレーションとEQとコンプを入れてます。

とはいえ生歌のハイ成分に比べると絶対的に欠けてるのでどうしても遠くなっちゃうのがこの手のソフトの悲しいとこですかね。

コーラスとして使う

実はこれがやりたくて導入しました。メインボーカルのクロスやコーラスなどで人数感が欲しい時、生歌で録ったものに重ねてみたいという。
実際の人で人数感があるコーラスを録ろうとしても経験上、ボーカリスト1人でやる場合、色々工夫しても声色違い2種類×ダブルの4声くらいにしかなりにくいわけです。人数感欲しい場合はその字のごとく人数増やさないと無理です。
そこでSynthesizer Vで重ねてやるとちょっと人数感出そうだなと。
実際これはやってみて案外使えそうでした。

そしてここでもAIリテイク機能が便利。人でやる場合ダブルは2回歌わないといけないけどSynthesizer Vなら1トラックで出来たものを複製してババっと全選択してAIリテイクボタンをポチでダブルの完成。これは楽だし効果もちゃんとダブルの感じです。人の場合はピッチ修正をしなきゃいけないこともあるので。

ハモも、もしメインボーカルと同じ声じゃなくてもいいならSynthesizer Vでもいい説あります。↑のサンプルもSynthesizer VでメインVoを複製してやってます。
よくあるのはメインVoを複製してMelodyneで音程を変えてハモを作る事ありますが元がメインVoなので位相問題が起きて工夫が必要だけど、Synthesizer Vは複製してもAIリテイクで別テイクみたいになるのでMelodyneで作るハモよりよっぽど効果的です。

↓Synthesizer Vで作ったハモのダブル

Pro toolsでの問題

自分はPro toolsでしか作業をしてないのですがSynthesizer VはAAX対応してません。VSTかAUです。なのでNative instrumentsのkomplete kontrol内でVST版を立ち上げて使ってます。使えないことはないけど、経験上プラグイン内のトラックに打ち込む系はVSTブリッジみたいなのは安定しない事多し、
案の定セッションによってはSynthesizer Vを立ち上げるとフリーズ。。どうせ固まるならVienna Ensemble Proの方がいいかも。スタンドアローンで使うのは一番安定してるけど行ったり来たりで嫌いなんだよな。

komplete kontrol内で立ち上げた場合は書き出し時にまあまあタイミングが遅れます、そしてよくノイズが入ります。これもVSTブリッジのせいっぽいてすな。いい加減M2 Mac Studioに移行して以来アップグレードしていないVienna Ensemble Pro入れますか。今セールだし。

まとめと雑感

てなわけで最近珍しくソフトで驚いたSynthesizer Vについてでした。
自分の場合、コーラスの厚みだとか人数感を出すユニゾンだとかの音源の補佐的な使い方ならかなり使い道を感じました。そして開発してる人達に拍手を送りたい。
自分がこの手のものに疎いので触れてこなかったけどテクノロジーぱないし、人の仕事が無くなるというリアリティもうっすら感じましたよ。

とはいえ、クライアントに提案する曲のメインボーカルで使うことはよっぽどの場合でない限り、今まで通り人にお願いして録るでしょうね。
ぶっちゃけ歌声合成ソフトでも作れないことないしわざわざスケジュール合わせて人を呼んでギャラも払って録るのはコスパも手間もかかるけど、人を相手にしてる商売なのだから篭りがちなクリエイターはなるべく人と作業することが大事だと思うわけです。
思っていたような歌にならないときは曲に問題があるのかなとか、歌い手のニュアンス一つでめっちゃかっこよくなったりの気づきも多い。
『今の歌い方めちゃ良いのだけど、たとえば他の人に今歌ってもらった感じをやって欲しいときどう説明したらいいと思う?』なんて相談できるし。
何百、何千と歌を録ってきた事がVoディレクションの現場にも生きてきたことは間違い無いので。

あとうちにボーカリストを呼ぶときは30分世間話、30分録音、15分世間話。そんな感じです。でもその世間話で音楽だったり仕事のアイディアが生まれたり、そんな時間を大事にしたいなと、もう少しだけテクノロジーに反発もしたいと()

まとめるとSynthesizer Vいいソフトです。


ついでに最後に宣伝をば

自作ベース音源作りました。
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