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Mac Studio M2 ultraへのDTM環境の移行〜めちゃくちゃ時間かかった…

2016年にいわゆる"ゴミ箱Mac"と呼ばれるMac Pro Late 2013に変えてからはや7年、音楽制作のスペックとしてはまだまだ戦えるけど流石にいつ壊れてもおかしくないなと心配があったのというのと、経年劣化で冷却ファンが轟音を出すのが結構厳しい。合わせてグラボも怪しい。。
てなわけでMac Studio M2 ultraが発表されて予約可能になったその日に注文してゲットしました。なんせIntel CPU&MacOS X MojaveからApple Silicon&macOS Venturaに移行なので心配事もあったのですが思ったよりも大変だったので雑記として書いていこうと思います。


楽曲データ(Pro tools)の再現性を一番に

何年も前に書いていた曲がリリースされる事もよくあるので自分のストック曲はもはや財産。何年か前の台風で、もしかしたら浸水するかもって時に数ある大事な楽器があろうとも曲のセッションデータを収めたドライブを唯一抱えて避難したくらい。
なので"Pro tools"で以前の曲データを開いて再現できることをファーストプライオリティとし、且つCPUも変わるから移行アシスタントは使わずサラから一個一個プラグインや音源をインストールしました。
音源ソフトのサンプル系は専用の外付けSSDにまとめているのでMac Studioにがっちゃんこすれば良いだけだから膨大なサンプルのダウンロードはなし。とはいえ音源によっては自作のプリセットも結構あるのでこのプリセットも移していくのがこれまた大変。音源によってプリセットファイルのMac何の場所も違うし。。

2〜3日で終わるかと思ったら結局5日くらいかかりました。この規模のパソコン移行って一人暮らしの引っ越しくらい大変。

おかげで数多の苦難を乗り越え移行前のMacとほぼほぼ同じように作業できるようにカスタマイズできました。基本マシンは爆速ですから、快適だし音もめっちゃ静か。ちなみにM2ネイティブはまだまだ先だと思うからRosettaで開ければOKとしてます。Rosettaでも十分早え。

せっかくなので同じような状況の人もいるかもしれないので移行にめっちゃ苦労したソフトを紹介していきたいと思います。

Native Instruments Kontakt5

Kontakt5がmacOS venturaに対応してないのは知ってたし前もってKOMPLETE 14を導入していてkontakt7も使える状態だけど5を7に置き換えてくれるわけではないのでKontakt5で作ってある大量の自作キットとこれまた大量のテンプレートをkontakt7に置き換えねばなりません。というかkontaktを使わない曲はないです。
Pro toolsのTrack Presetで一気に20トラック以上Kontakt5が読み込まれるプリセットもあるので何千曲もある昔の曲データを直すのは諦めてPro toolsのテンプレートセッションとTrack Presetを置き換えるだけにしたのに恐ろしいほどの時間がかかりました。

何より苦労したのが昔の曲は開く必要がある時に都度都度やれば良いやと思っていたら、Kontakt5の自作キットがDEMOモードになっちゃって15分くらいで操作できない問題が。


サポートに問い合わせると丁寧にもこちらのページを教えてくれました。

https://support.native-instruments.com/hc/ja/articles/10492337780253

まあ、未対応ですからね。丁寧に答えてもらって感謝です。
上記でなんとか希望できるようになりました。とはいえライブラリー方は"アクティベート必要です"みたいになっちゃって音は出るけどそのまま使うのは怖いので結局はkontakt7に置き換えるんですけどね。
とりあえずはKontakt5が立ち上がればマルチを書き出し→kontakt7で読み込みはできるのでリカバーは十分なのでよしとします。

他にはKontaktを使う音源ライブラリーの方でSample Modelingの「The Trumpet」がNative Accessでロケーションできないというのもありました。同verの「The Trombone」はできるのに…。これは以前のMacの
Macintosh HD > ライブラリ > Preferences
にある『com.native-instruments.The Trumpet.plist』を
新しいMacの同場所にぶっ込んだら読み込めるようになりました。

他にも似たようなKontaktで読めないor表示されない音源もこの方法でいけました。

Reveal Sound Spire

これはうちだけの問題かもだけれど、SpireってAAXに対応したのってVSTより全然あとでうちでは当初komplete kontrolを立ち上げてその中のVSTのSpireを使っていた時期があり、その後AAX版も出たからそれはインストルメントトラックに直差しするようになりAAX版とVST版のSpireが混同している状態でした。

で、以前の曲を開くとkomplete kontrol内のSpireがない。OMG
原因はVST版のSpireのインストールverでVST版の方はver1.1を使っていて、AAX版は最新、VST版はver1.1を入れたらやっと再現できるようになりました。

他にもなぜかFactory Presetが一切表示されなくなったりだいぶ手こずりました。この一件でSERUM愛の方が勝りました。(笑)

にしてもVSTブリッジ的にkomplete kontrol使ったりVienna Ensemble Proだったり一つ介して音源ソフトを立ち上げる系ってこういう移行の時にほんとトラブルとか問題になること多いからイヤ。

もちろんVienna Ensemble ProももれなくDawと繋がりません。これなVEPのverあげろってのもあるけど、こんなこともあろうかと毎回プロジェクトを保存していたのでそれさえ開ければ繋がっていなくてもプリセット書き出しなりなんなりでPro tools内で再現できるのでOK。

Arturia

macOS Venturaにまだ対応のアナウンスはないけど動きます。ただ古い音源(Wurlitzer VとかProphet V)とかはアクティベート出来なかったりすぐ落ちたり使いものになりません。
ま、想像の範囲内だけど別にV2版ももってるしそれは動くから良いやと思った矢先、何気にArturiaのWurlitzerとかProphetとか古いverの方でプリセットをまあまあ作っていてそればV2では読み込めない仕様。。こいつはいけていません。海外のフォーラムでも上がっててなんだかなという感じです。
まじでV1のパラメーターをメモってV2で再現の作業に眩暈がしました。

そこまでArturiaをいっぱい使う人ではないけどガチArturia勢には大問題だなと思いました。

Plug in エフェクト

これはインストール自体に苦労したのはないけどVenturaまでOSが上がることによって出てくるプラグインのアップグレードするしない問題。
システム移行はプラグインの断捨離のいい機会だし、たいして使わない上に代替えが効くものにアップグレード代を払うのも馬鹿らしい。ってなわけで本当に必要なものだけアップグレードしました。

具体的にはWaves,REASON,あたり。そして残念なことにMcDSPは代替えが効かないFatzBoxだけ単体アップグレードして他は見切りすることにしました。

グッバイMcDSP。見た目も好きだったよ。でもFabFilterとWavesで十分なんよね。
にしてもFabFilterは使いやすい上に新しいシステムへの対応早くて素晴らしいです。

番外編:ストレージ

うちはこれまでバックアップ用ドライブは抜きにして、Pegasus R2でSSD3台(セッション用、音源用、Time machine用)とHDD1台(その他の何がしデータ)メインで使っていて、Thunderbolt2でSSDならまあ良いでしょって感じでそのまま流用しようと思ってたのですよ。
このタイミングで初めて計測して気がついたんですがPegasus R2ってRAID組まないとSSDでもREADで150MB/sちょいくらいしか出ないのね。ほぼHDDじゃん。Pegasus R2がSSD対応とは言ってないけどマウントできたからいけると思ってた。通りで特別早くはないと思ったわけだ。

そんなわけでストレージのケースも一新OWCの2.5インチ用の4台入るThunderbolt3のケースを買いました。これでREADで500MB/sちょい出てるので十分でしょう。RAIDは組まない派です。

これを機に4TBのSSDもう一枚入れてHDDは全部バックアップ用にして脱HDD化しました。Pegasusのファンも結構うるささいのでそれとおさらばできるのは嬉しいです。

まとめ

てなわけでめちゃくちゃ大変でした。移行アシスタント使えばもっと楽なんだろうけどインテルMacの余計なファイルがコピーされるのがイヤなのでこんなことになりました。
とはいえカスタマイズが決まればこんなに快適なことはないです。バッファ64でフルオケもりもりでも普通に動きます。こまめにバッファサイズを調整していた自分サヨナラ。このMacもまた7年以上使い倒そうと思います。

一応昔の曲も開けて、Kontakt5とか置き換えるソフトは置き換えれば引き続きの作業もできるようにしてありますが、どんなトラブルがあるかわから何ので以前のMacも据え置きです。売っても大した補填にならないだろうし。愛着もあるし。

そしてMac本体以外にこの移行でかかった諸費用は20万くらいでした。住民税も健康保険料も車検も重なっているので銀行口座もクレカの明細も2,3ヶ月見ないことにします。(笑)

そんなわけでMac移行雑記でした。

ついでに最後に宣伝をば

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