介護⑥〜人は一人では生きていけない
昨年末に、特養に入居する父が施設から出たいと懇願しているのを、老母と説得に向かいました。結果は、渋々ながら父はまだまだ施設のお世話になる事に理解を示したようです。
大晦日に慰労の意味も含め、実家にいる母を訪ね、私の弟や私の家族も含め、焼肉パーティーを催しました。
その折、母より「施設の担当の方から、電話があったよ」「ご長男さんが施設に継続してお世話になるように強く言ってもらえたおかげで、あれ以来、その事は口に出さなくなりました」と。
母は安堵の表情を浮かべました。
そうかそうか、母も私も宣告するのは辛かったですが、これで良かったのだと、顔を見合わせました。
それにしても、介護施設の職員の方のお気遣いや思いやりや仕事ぶりには敬服の連続です。自分の希望だけをお構いなしに述べる者の相手をするだけでも、大変なご苦労なのに。
折下、昨年暮れに作家の伊集院静さんが亡くなりました。孤高のイメージの強い彼のエッセイの中で、繰り返し「人は一人では生きていけない」と書いてあるのを思い出しました。
そう人は一人では生きていけない。
改めてお会いできたご縁を大切にしようと染み入った年末でありました。
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