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【資格】技術士 原子力・放射線部門(第一次試験)で素人が独学で最短合格するためには、過去問何年分を何周やればよいのか。どの設問形式を解けばよいのか。


▶技術士第一次試験「原子力・放射線部門」に合格!!

■原子力・放射線業務の素人の私が最短の勉強時間で独学で合格した勉強法を公開します

  • 私の専門はITですので、これまで原子力・放射線について勉強したこともありませんし、原子力・放射線に関する業務はこれまで一切実施していません。

  • このような素人の私でも、以下に述べる勉強法を実践することで、令和4年度の技術士第一次試験「原子力・放射線部門」で無事合格することができました。この記事が皆さんの勉強、合格の少しでもお役に立てれば幸いです。

技術士第一次試験「原子力・放射線部門」の合格証

■技術士第一次試験「原子力・放射線部門」の合格率

  • 技術士の技術部門のうち第一次試験を実施している部門は20部門あります。今回はこのうち「原子力・放射線部門」第一次試験(技術士補)に関する内容です。

  • 技術士第一次試験の合格率推移は以下の表のとおりです。このうち「原子力・放射線部門」については、過去9年間の平均合格率が63.5%と、20部門中で最も合格率が高い(難易度は「最も優しい」)部門となっています。

技術士第一次試験の合格率推移
  • 「原子力・放射線部門」がいくら一番合格率が高い(難易度が低い)といっても、事前に勉強・対策をしていなければ、合格は難しいでしょう。

  • 今回、私は技術士「原子力・放射線部門」の第一次試験を受験し、合格しましたので、独学で効率的・効果的に勉強する方法とおすすめの問題集・参考書についてご紹介します。

▶技術士第一次試験「原子力・放射線部門」の勉強法(独学)とおすすめのテキスト・問題集・参考書

(1) 「過去問」★★★☆☆

  • 技術士に限らず、一般的に資格試験の勉強の際に、最初に確認すべきものは過去問です。

  • 技術士の過去問は日本技術士会のWebサイトに公開されています。

  • ただし、「原子力・放射線部門」に限っては、後述する『日本原子力学会』のWebサイトに「過去問とその解答・解説」が分かりやすくまとめてありますので、そちらを活用した方が、圧倒的に効率的・効果的に勉強を進めることができます。

(2) 『日本原子力学会』Webサイト★★★★★

  • 『日本原子力学会』のWebサイトでは、技術士「原子力・放射線部門」の第一次試験の過去問について、丁寧に解答・解説されています。

  • 技術士の原子力・放射線部門では、第一次試験に対応したそのものズバリの良書の対策本が販売されていませんが、そのような書籍を購入しなくても、このサイトだけでも十分合格圏内に到達可能です。それだけ神のような存在のサイトです。私はこのサイトのおかげで合格できたと言っても過言ではありません。本当にありがとうございます!

  • 使い方は公開されているPDFファイルをダウンロードして、間違えなくなるまで何度か繰り返し実施するというシンプルなものです。私は今回、5年分を1周実施し、2周目の途中で本番の試験が来てしまったという状態でしたが、理想的には3周ほど回すぐらいが良いと思います。

(3) 『図解雑学 知っておきたい原子力発電』★★★★☆

  • 原子の構造から原子核反応のしくみ、さらには原子力発電のしくみなど、原子力の基礎知識を、豊富な図版と平易な文章で、わかりやすく解説してあり、全般的な基礎知識はこれ1冊で身につくと思います。

(4) 『イラストでわかる原発と放射能』★★★★☆

●原子力発電と放射能に関して、原子力発電のしくみ、放射能の人体や環境への影響とその防御策、新エネルギーの可能性などに関する基本的な事柄をイラストを使ってやさしく解説しています。平易な日本語で図も多く記載されているので、分かりやすく読み進められます。

(5) 『理工系のための原子力の疑問62』★★★☆☆

●原子力発電に関して、理工系なら知っておくべき原子力の基礎から最新の小型原子炉の情報までが解説されています。

(6) 『みんなの原子力発電』★★★☆☆

  • 初学者向けに、上記に挙げた書籍よりも、もっと基礎的なことから書いてある印象です。

  • また、例えを多用して文章が書いてありますので、日頃、原子力発電の業務に従事していない基礎的な知識が全くない方(私もその1人です)にとっては、イメージが掴みやすいのではないかと思います。

●「放射線」はビーム
●「放射性物質」は何をせずともビームを発している物質
●原子炉では、ある物質が発するビームが別の放射性物質にぶつかり、より強いビームを発生させる。強いビームを浴びた物質はまたもビームを発していく。これが「連鎖反応」
●「沸騰水型軽水炉」は、原子炉の炉心を水に浸けて、ぶくぶくとお湯を沸かし、発生した蒸気で直接タービンを回す
●「加圧水型軽水炉」は炉心に強い圧力をかけて水を沸騰させないようにし、高温になった水(一次冷却水)をポンプで引き出し、熱交換器でもう一度別の水(二次冷却水)を加熱、沸騰させてその圧力でタービンを回す
●原子核の中には「中性子」というプラスでもマイナスでもない粒があり、糊の役目をして、陽子をくっつけている

『みんなの原子力発電』, 青山智樹著, 総合科学出版より引用・加筆・修正

(7) 『よくわかる原発と放射能』★★★☆☆

  • 現役高校教師が行っている「原発出前授業」を書籍化したものです。難しい原発・放射能の話も、高校生相手に磨いた話術と図解で、誰にでもわかるよう書かれてあります。第1巻が原発・放射能の原理やしくみの内容ですので、技術士第一次試験対策としては、第1巻を中心に読むのが良いと思います。

(8) 『原子力百科事典 ATOMICA』★★★☆☆

  • 原子力に関する百科事典、用語集です。

  • 全体を通しての可読性はあまり高くないと思いますので、分からない用語が出てきたら、辞書として都度調べるのに使うのが良いと思います。

(9) 『エネルギー基本計画』★★★★☆

  • 最新のエネルギー基本計画の内容について出題されることもありますので、経済産業省のWebサイトでひととおり目を通して、キーワードや数値を頭に入れておいた方が良いと思います。

以上、多数のWebサイト・問題集・参考書を並べてみましたが、最低限『日本原子力学会』のWebサイトの過去問解説を読みながら繰り返し過去問を解き、分からない用語、キーワードについては、Webサイトや参考書籍等で補足するのがメインの勉強法だと思います。それだけやれば、合格にぐっと近づくことは間違いないです。

▶【結論】結局「原子力・放射線部門」に合格するには、過去問は何年分を何周やればよいのか。どの設問形式を解けばよいのか(限定公開)

■過去問分析結果

  • 「原子力・放射線部門」の第一次試験についても、他の技術部門と同様に、過去に出題された問題と同じ問題、似た問題、一部分だけが修正された問題が、一定の割合で出題されます。

  • 今回、過去問13回分について、以下の分析を実施しました。
    ①分野
    ②設問形式
    ③過去問の類似問題分析
    (令和4年度出題の設問35問について「いつ実施された試験に類似問題・同一問題が出題されているか」をまとめた表)

  • まず「①分野」については、原子力/放射線/エネルギー別の過去の出題数は以下のようになっています。これを見る限り、分野を絞って勉強するのは難しく、幅広い分野にまたがった知識習得が必要ということが分かります。

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