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【マネー】「所得控除」と「税額控除」の違い

▶はじめに


年末調整、確定申告をするとき「所得控除」や「税額控除」といった用語が出てきますが、何がどう違うのかを調べてみましたので、まとめ記事にしました。

▶所得税の計算

■ざっくり理解

所得税の計算式は、ざっくり言うと以下の通りです。
 「所得」 × 「税率」 = 「税額」

「所得」に(所得≠収入です)
「税率」をかけて(5~45%の7段階)
「税額」を計算します。

■詳細を理解

実際には大きく以下の5ステップで計算されます。

給与収入から納める所得税額が算出されるまでの流れ

●所得計算プロセス
①給与収入(=年間収入)
 ・源泉徴収票の「支払金額」の数字です。
②給与所得(=給与収入ー給与所得控除)
 ・給与収入から「給与所得控除」(必要経費相当分)を引いたものです。
③課税所得(=給与所得ー所得控除)
 ・給与所得から「所得控除」を差し引いたものです。
 ・この段階で「課税」対象となる「所得」の計算が完了します。

●税額計算プロセス
 ④所得税額(=課税所得×税率)
 ・
課税所得に、税率を掛けて「所得税額」を計算します。
 ・税率は、所得に応じて「5~45%の7段階」あります

⑤納める所得税額(=所得税額ー税額控除)
 ・所得税額から「税額控除」を差し引いて、
  実際に納める所得税額が決まります。

■所得控除とは

「所得控除」は、所得計算プロセス
  ③課税所得(=給与所得ー所得控除
 に出てきます。
●給与所得から「所得控除」を差し引いて課税所得が計算されますので、「所得控除」は、課税される所得を減らす効果があります。
●注意点としては、「所得控除」分の金額まるまるの所得税が減る(節税になる)わけではないということです。実際には「所得控除額×税率」分だけ、納める所得税が減る(節税)ことになります。
●具体的には、所得控除の種類は以下の15種類があります。病院や薬代などの「医療費控除」、保険料支払いなどの「社会保険料・生命保険料・地震保険料控除」、ふるさと納税などの「寄付金控除」などが含まれます。
●多くの所得控除は年末調整でできますが、「雑損控除」「医療費控除」「寄附金控除」だけは確定申告をして適用する必要があります。

雑損控除医療費控除社会保険料控除小規模企業共済等掛金控除生命保険料控除地震保険料控除寄附金控除障害者控除寡婦控除ひとり親控除勤労学生控除配偶者控除配偶者特別控除扶養控除基礎控除

■税額控除とは

「税額控除」は、税額計算プロセス
  ⑤納める所得税額(=所得税額ー税額控除
 に出てきます。
●所得税額から「税額控除」を差し引いて、納める所得税額が決まりますので、「税額控除」は、納める所得税額そのものを減らす効果があります。
●つまり「税額控除」分の金額まるまるの所得税が減る(減税・節税になる)ということです。
●具体的な税額控除の種類としては、バリアフリー・省エネなどのリフォームをしたときの「住宅特定改修特別控除」、住宅ローン等の年末残高を基に算定される「住宅借入金等特別控除」、配当所得がある場合の「配当控除」などがあります。
確定申告をして適用する必要があります。

住宅特定改修特別税額控除(投資型減税)、
特定増改築等住宅借入金等特別控除(ローン型減税)、
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)、
配当控除、配当控除、寄附金特別控除、外国税額控除など

▶まとめ

●所得税は「所得」×「税率」=「税額」で計算されます。

「所得控除」は、
課税される所得を減らす効果があります
「所得控除」分の金額まるまるの所得税が減るわけではないです
実際は「所得控除額×税率」分だけ納める所得税が減ります
多くの所得控除は年末調整でできますが、「雑損控除」「医療費控除」「寄附金控除」だけは確定申告をして適用する必要があります

「税額控除」は、税額計算プロセス
納める所得税額そのものを減らす効果があります
「税額控除」分の金額まるまるの所得税が減ります
・確定申告をして適用する必要があります

以上です。


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