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子どもの貧困・教育格差の解決を支援するCFC(チャンス・フォー・チルドレン)の取り組みを上田市でも!~2023年3月議会③~

(斉藤達也)各々の担当課のほうから(学習支援事業の)課題をお聞きしましたが、開催日時を選択できるようにしたりですとか、あと福祉課の事業に関しては支援員を増やしたり、訪問以外のやり方というのも考えていきたいということだったのですが、それを受けまして次の質問に移ります。

子どもの貧困・教育格差の解決を支援するCFCの取り組み

 次に、貧困の世代間連鎖を断ち切ることを目的に、主に経済的な理由によって教育を十分に受けることができない子供、若者及びその家族に対する支援活動を行っているチャンス・フォー・チルドレンという公益社団法人があります。1995年の阪神・淡路大震災のときに避難所での無料学習支援を行った学生ボランティアが母体となっており、2008年のリーマンショックで子供の貧困問題が深刻化したことを受け、子供の学校外教育費用の援助を開始し、さらに2011年の東日本大震災後には法人として独立し、現在では東北の被災者をはじめ全国14都府県での経済困窮世帯の子供たちの教育支援を展開しています。
 具体的には、スタディクーポンといって、生活困窮世帯等の子供に対して、学習、文化、スポーツ活動等教育支援に関するサービスに使途を限定したクーポンを助成する事業を行っており、現金給付とは異なり、確実に教育や子育て支援の機会を届けることができる。登録した事業者の数だけ子供たちに幅広い支援の選択肢を提供できる。クーポンの利用相談を切り口に家庭とのコミュニケーションが図られ、支援が必要な家庭への相談支援につなぎやすい等の特徴があります。
 現在、子育て・子育ち支援課及び福祉課で行っている2つの事業は、子ども・子育て・教育支援を重点分野に掲げる市の事業として、とても意義のあるものだと思いますが、それを課題を克服して、さらに拡充して、支援が必要な子供たちに届けるためにクーポン型の学習支援の導入の検討を提案したいと思います。クーポン型の学習支援事業は、登録事業者が多いほど利用者に幅広い選択肢を提供できたり、支援が必要な家庭への相談支援につなぎやすいといった特徴があるが、従来の支援事業の拡充として導入を検討できないかお尋ねし、第4問といたします。

クーポン型の学習支援事業導入には財政面の課題が・・・

◎福祉部長(堀内由紀夫君) クーポン型の学習支援事業につきましては、特徴としてクーポン型事業に登録した事業所であれば、支援を必要とする児童生徒の生活圏内の学習塾を利用できるなどの利点があると認識しております。また、児童生徒が学習塾などを利用するに当たり利用者負担を気にする必要がないこと、スポーツ教室などの習い事についても、幅広く利用対象としている自治体があることや、実施自治体が支援対象者や給付上限額を設定できる点などについて確認をしております。
 先ほど答弁させていただきましたが、現在、上田市で実施している、独り親家庭生活・学習支援事業と、生活困窮世帯を対象とした子供の学習・生活支援事業については、両事業とも一定の成果は上がっていると評価するとともに、課題があるとも認識しております。
 そのような中で、ご提案のクーポン型学習支援事業導入については、支給対象世帯をどの範囲とするのか、また支給対象事業を学習支援事業に限るのか、習い事などまで広げるのか、国の補助対象が限られる中で、財政面の課題もあるため慎重な検討が必要であると考えております。
 長野県が本年度行った子どもと子育て家庭の生活実態調査によりますと、経済的理由で子供に習い事や体験をさせられない困窮世帯のうち、年間の世帯所得が210万円未満の割合が、5年前の調査と比較し、33.3%から44.7%に上昇したとの調査結果もございました。
 家庭の所得格差が児童生徒の就学や習い事の機会に格差を生んでおり、この状況を変えるために、子供本人に対し学習支援を行うことや子育て家庭に対する支援を行うことで、子供の将来の自立を後押しすることは大変重要なことであると認識しており、議員ご提案のクーポン型の学習支援事業を含めた事業拡大について、庁内連携を図りながら検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

子育て・教育に最も注力するのであれば予算配分も見直して欲しい

(斉藤達也) ご答弁いただきました。さきの2つの事業、本当にまだまだ支援できる子供たち多いと思うのです。事業の金額もそれぞれ250万円とか260万円とか、そのぐらいにとどまっていますし、(土屋市長が仰るように)本当に最も注力する分野が子育て、教育支援ということであれば、そこの予算配分も含めて見直しを検討するときに来ているのではないかなと、個人的には思います。

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