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松田隆さんの令和電子瓦版を批判する人へ

2021年2月12日の夜8時から深夜にかけて、特定のハッシュタグをつけてフリーランスのジャーナリストである松田隆氏を応援するTwitterデモ(ツイデモ)が行われました。

これは松田隆氏が主幹するインターネット報道サイト「令和電子瓦版」に掲載された性被害者の告発記事がきっかけです。

レイプ被害を受けた当事者が、松田氏の取材に対して伊藤詩織さんの言動に疑問を呈しています。内容は「性被害者がとる行動とかけ離れている」。

まさにSNSで揺れに揺れている伊藤詩織さんの性被害の有無について「令和電子瓦版」は性被害者の視点を基に問題提起したのです。


この松田氏の記事について多くの非難が上がりました。

#令和電子瓦版
#性被害者を伊藤詩織さん叩きに利用するな

このようなハッシュダグをつけて松田氏を非難するツィートが多数拡散されました。

今回、@lisanha123氏が企画したのはこのツイデモへのカウンターデモでした。

事件への検証や感想はセカンドレイプなのか?

この事件は民事・刑事共にまだ未解決です。

山口敬之氏(元TBS記者・伊藤詩織さんにレイプ被害を受けたと著書『BlackBox』で告発されている)が起こした伊藤詩織さんを虚偽起訴罪で訴えた刑事告訴は不起訴処分ながら、検察審査会へ送られる見通しということで、未だ刑事事件では決着しておらず、民事も控訴審が続いています。

そして再三ご報告申し上げているように、控訴審は詩織さんの損害賠償請求に対して請求原因の事実認定レベルから見直すということが決まっていると山口氏側弁護団の一人、大西達夫弁護士がよしりん裁判の法廷で断言しました。自判になるのです。

事件の全容は見えておらず、真相解明はこれから始まります。

詩織さんの書いた告発本に対して性被害者が疑問を持った。それを松田氏が取材して記事にした。これだけのことで、どうしてこんなにも批判が集まるのか。当事者の存在を疑う人もいて、当人が見聞きしたら辛い思いをされるのでは、と思いました。

詩織さん以外の性被害者の声を信じない認めない。性被害者への差別化、おかしくないですか?

これは思想信条の自由がありますから、個人の勝手ですが、報道した記者を攻撃するのは間違っているでしょう。これは報道弾圧であり、言論弾圧であり、性被害者へのヘイトスピーチでしょう。性被害者を侮辱しているのはあなた達だ。

この議論の最終的な責任者は伊藤詩織さんである

前にも書きましたが、この伊藤詩織さん裁判クラスターで発生する議論の最終責任者は伊藤詩織さんに帰結します。なぜなら彼女が本を出し、記者会見をし、問題提起しているからです。

疑義があり、疑問があるなら彼女にまず、問いただすべきです。「このような記事が出ているがどのように反論するか」最初に報道を攻撃する姿勢は思考停止で事件の真相解決から遠ざかります。


皆さんは知らない間に詩織さんの親衛隊みたいになっていませんか?彼女は教祖でも王女でもない、ジャーナリストです。言論人です。自分に疑義がかかったら、そのような記事が出たら、いくらでも自分で反論したらいい。

裁判中なので、ということは通用しません。その裁判中に本を出したのは彼女ですから。

我が身が盾になって...それが真相解明に何か役立ちますか?自己陶酔を排してください。

報道洗脳の恐ろしさ

まず、この事件の情報は詩織さんの発信のみ。これを『週刊新潮』が記事化していますが、裏取りがあったか非常に怪しい。しかもこの新潮の報道がベースになって山口氏へのメディアスクラムがかけられた。

権藤しまさんの検証記事より〜

“いわば官邸の門番たる中村氏ご当人に、トップの意を受け、あるいは忖度して捜査を中止したのか問うと、
「ありえない。(山口氏の立場に)関係なく、事件の中身として、(逮捕は必要ないと)私が決裁した。(捜査の中止については)指揮として当然だと思います。自分として判断した覚えがあります。事件が最後にどう評価を受けているかを見てもらえば……」”

新潮の伊藤詩織さんへの逮捕状を握りつぶした張本人とされる中村格氏(当時の警視庁刑事部長)への取材。

新潮「トップの意を受け、あるいは忖度して(山口氏への)捜査を中止したのか問うと」に対して

中村「ありえない」

とNOと答えている。

権藤しまさんの検証の通り、中村氏は「逮捕」の中止を認めておらず、逮捕状が本当に発付されたのかも分からない。曖昧模糊です。

そしてこの新潮の記事が本当にひどいと思うのは読者に捜査までも中止になったと誤認させる注釈がついてることです。捜査は中止になっていません。不起訴処分になったということは、送検されており、権藤しまさんの検証通り、捜査は完遂しています。また中村氏は政権への忖度を明確に否定しているのです。「ありえない」と。

しかし、なぜか『BlackBox』では認めたことになっている。政権への忖度で逮捕が中止された、と中村氏が認めたように書かれており、「私は真実を曲げるのが大嫌いです」と詩織さんおっしゃるわりには、読者へ「逮捕状が権力によってもみ消された」と印象誘導させる仕組みを作っています。

これもハッとしました。詩織さんは自分から就職目的(VISA)の為に山口氏に近づいたのではないことを山口氏が認めた、ように書いてありますが、山口氏は「職権を使ってあなたを口説いたりしていない」という事を主張していて、詩織さんの行為、行動については触れてないのです。

書いてあることがいちいちまともでなく、書き出すときりがないのです。ジャーナリストってこれでいいんですか?

皆さん、報道に先入観を埋め込まれていませんか?あなたが今まで受け取った、津波のような「政権によって逮捕状が取り消された性被害者である伊藤詩織さん」という情報を一つ一つひき剥がしてみてください。

あなたは報道によって洗脳されている可能性があります。

逮捕状が発付される証拠は存在したのか

彼女の著作をよく読むと、詩織さんが性被害にあったとする、逮捕に至る要件を満たす証拠がないまま、逮捕状が発付された可能性を感じます。

皆さんは逮捕中止だから詩織さんのいうことは真実だと思っていませんか?真相はそうではないかもしれない。真逆かもしれない。

その視点でこの事件を考えると、実はこの事件は「山口氏への不当な逮捕状を警視庁が止め、その不祥事を隠蔽した事件」かもしれないのです。(なので取材の壁は厚いと思います)

山口氏へのメディアスクラムに隠された真実_それらを検証していく行為は決して伊藤詩織さんへのセカンドレイプではなく、事実検証の一つにしか過ぎません。事実がわかってない以上、「詩織さんは性被害者である」との前提での議論は無意味です。

松田氏は詩織さんが性被害者を騙った可能性を検証しているのです。その論拠の一つ、性被害者の声を議論の輪に投げ込んだに過ぎません。

この事件は見方を変えると

①詩織さんが虚偽告訴をした可能性(虚偽告訴事件)

②逮捕状が不当に発付され、それをもみ消された事件(警視庁不祥事もみ消し事件)

として分類できます。

なので①の検証材料として、松田氏の記事にある性被害者の証言は重要な意味を持ちます。

詩織さんが証拠もなく山口氏を訴えようとして、高輪署の刑事がそれに同調した、不当に逮捕状が出た(あるいは出ていないが、出たと刑事が詩織さんに話した)それを慌てて警視庁が止めた。

不当捜査を認めてしまうと、高輪署長と警視庁TOPの責任問題になるので、この事実を隠蔽した。なので警視庁は議員の査問にも、記者の取材にも真相を話さない。こんな状況かもしれません。

冷静に情報分析をして、客観的視点、人権への配慮をわすれないように、この事件を論評したいものです。

で、あるなら、松田氏の記事は歓迎すべき別視点をもたらすもの、として平らかに受け入れるべきです。

詩織さん懐疑派へ

最後に、この事件を追求してきた多くの方々に敬意を持ってこの記事を書きました。皆さんのたゆまぬ真相究明に努力する姿こそ、私がこの事件に引き込まれるきっかけとなりました、これは確かなことです。

また、厳正なる取材で性被害当事者の声を拾った松田隆氏の記事を読んで私が長く忘れていた(報道の正義)を思い出すことができました。松田氏に感謝と感動の気持ちを捧げたいと思いました。有難うございます。

(了)






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