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母校の有名人

誰もが一度は調べたことがあるんじゃないかしら。自分の母校卒業の有名人。
「えー!あの人同じ学校出身なんだ。」
世代が違っても全然お目にかかったことがなくても何故か親近感を覚えるし、それをきっかけに応援することもある。


私が高校生になる頃は、「読モ(どくも)」と呼ばれる雑誌の読者モデルをしているティーンの有名人も多くいた。

神奈川県の横浜住まいだったこともあり、
「入学が決まった私の高校へ通うバス路線、『プチセブン』に出てた一個上の神田うのちゃんの学校もあるから会えるかも!」
とか、
「兄の学校にいた谷原章介さんって『メンズ・ノンノ』のモデルの先輩、めっちゃカッコよかったって噂」
とか、後の芸能人たちが同世代にも当たり前にいて、自分がこれから通う高校にもモデルのような素敵な人が学校に一人くらいはいるんじゃないかと胸をときめかせて入学したものだ。

しかし、まぁ考えればわかるけれど、芸能人みたいな人がその辺に当たり前にいるわけもなく、ドラマのモブキャラのエキストラのような立ち位置を期待したミーハーな気持ちさえいつしか忘れていった。

その後平凡で平和な高校生活を送り、秋には文化祭後の後夜祭のイベントで「ミス&ミスター コンテスト」という男女両方あるミスコンのような催しがあった。
たしか、まだ文化祭がはじまる前に、エントリーなし・全校生徒の中から投票できて、後夜祭で最も得票数の多い男女三人ずつを発表のような形式だったと記憶している。

まだ頭の片隅にミーハーな気持ちがあった一年生の頃。どんな人たちがうちの学校のいちばんなんだろうとわくわくした。
別にエントリー制ではないので誰を推してもいいはずではあるのに、なぜか自然発生的にいろんな友達が自分の部活の先輩や仲のいい友達を宣伝しはじめた。
「うちの部の○○先輩、めっちゃカッコよくて楽しくて最高だからぜひ投票して!」 
「うちのクラスなら○○にしようのよ。顔だけはよくない?」
「うちと学年だったら○組の○○ちゃんが賀来千香子さん若くしたみたいでかわいい♡」
なんだか選挙活動みたいな様相をおびてきて、おもしろい。
結果としては、男子はいちばん事前によく名前を耳にした、部活の後輩が声を大にして宣伝していた2年生。女子は、あまり私のところまでは声が届いていなかったけれどかわいらしい先輩だった。


翌年も「ミス&ミスター コンテスト」が行われ、同じような宣伝活動を経て、男子は去年の優勝者と同じ人気者で政治力の高そうな3年生。女子は自分と同じクラスで同じ部活の、自分の知る中では最高にかわいらしい友達が優勝した。

そんな2年間を顧みて、
「そうか、世の中のコンテストや人気投票は、ルックスだけじゃなくて選挙活動と政治力なんだ!」
と思うと同時に
「うちの学校には読モとか芸能界とかで活躍するようなキラキラタイプはいないんだな…平凡な公立高校の普通科だし。」
と残念にも思った。

当時、自分の高校の卒業生の有名人といえば親より年上の女優さんや有名アニメの有名な声優さんなどがいたのだが、どちらもあまり身近にお見かけする方ではないためすっかり頭から抜け落ちて、失礼なものだ。
世の中には、大人になってから社会で努力した結果として有名になる人のほうが多いのに。
その、2年連続優勝者を見てなんとなくがっかりした気分になったのは自分の未熟さ故だということにもまるで気付いていなかった。



そんな未熟な高校生から大人となった今、当時「本物の人気者」をちゃんと見極めていちばんに選んだ母校の仲間たちと、その頃から「本物」だったムロツヨシさんには心から謝りたいと思っている。
面と向かって失礼な事を言ったわけではないので謝られても困ると思うけど。

私はいま、大いなる反省を胸に、若者はみんなみんな大きな仕事を成し遂げる前の卵だと思って大事にする。



というのは、6/24の今日。
こんなつぶやきを目にしたから。

これを見てなんとなく思い出したので。
いや、言い訳っぽくなるけれど、かっこよくなかったわけじゃなくて。高校生の頃の彼は、今の藤井風くんみたいに爽やかで、気さくで後輩にも優しいって校内でも有名だった。
きっと人をとりこにする魅力のある人で、まわりが勝手に宣伝活動したくなってしまうんだと思う。



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