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世界史の構造2

柄谷行人の『世界史の構造』読了しました。といっても何とか最後までとにかく字面を追った程度で、とても解説とか要約できそうもありません。

共同幻想である国家や社会の歴史的形態を交換様式ABCDで理論的に説明し、カントの目指した永遠平和への道筋を、これまで歴史に表れていない交換様式Dで実現していくという本かな?自信ないけど、現段階での私の大まかな理解です。

私は哲学を体系的に読んだことがなく、知識もありませんが、若い頃に読んだ吉本隆明とか文化人類学、現代思想には興味があって何とか理解したいと思っています。

この本は古典ともいえるカント、マルクスなど、多くの哲学者や思想家の論を縦横に論じながら、柄谷行人のオリジナルの交換様式の理論で、部族社会からヨーロッパの絶対王権、帝国主義、資本主義の成り立ちを説明しています。

マルクスの資本論(読んだことありません)の生産段階(経済構造?下部構造?)のありようで上部構造の国家が規定されるという理論に対して、贈与や交換などの流通過程が重要、しかも国家は下部構造の従属物ではなく、国家には国家独自の構造があるというところが、柄谷の理論の違いでしょうか。

国家や資本主義を無くして自由で平等な社会を作ることが、マルクスなどの目標だったようですが、柄谷も同じ目標を掲げているようです。まだ見ぬ交換様式Dは部族社会の贈与の交換様式Aを高次元で実現したものらしく、これが柄谷の社会運動組織NAMに関係しているのかもしれません。

前回も少し書きましたが、この本は、私の哲学の知識の道標的なものになりそうです。日本人の書物にはあまりない骨太で体系的な本で、何度も読み返してみたいですね。

でも、まだネーションという概念の把握もままならない私の感想ですので、悪しからず。

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