ueハra

クリエイターでも何でもありません。SNSでオタク度高めに書いていて、引かれていそう笑な…

ueハra

クリエイターでも何でもありません。SNSでオタク度高めに書いていて、引かれていそう笑なので、ひっそりNoteに書きます。 興味は、科学書全般(特に宇宙、地球自体や生物の進化論)、地衣類、音楽(RCサクセション、クラムボンほか)、映画、人文系(今はゲンロンやシラス)など。

最近の記事

【読感】赤の女王

『赤の女王』性とヒトの進化 マット・リドレー著 長谷川眞理子訳 この本は素晴らしい。進化論の本です。生存のための淘汰はよく知られていますが、遺伝子レベルの生存競争や性淘汰はあまり知られていません。 最初、人間の本性についてから述べられます。よく氏か育ちか(遺伝か学習か)で対立させますが、人間も基本は動物であり、遺伝による基盤は同じはずで、主に人と動物の性淘汰とを比較することで、人間の共通的と言える本性が見えてくるのではないかと述べていて、本書の最後までの共通認識です。赤の

    • 【読感】人間の性はなぜ奇妙に進化したのか

      ジャレド・ダイヤモンド1997年著の邦訳の文庫本で読みました。 面白かったです。人間の性、例えば、女性の排卵の隠蔽や閉経が他の動物と比較して特異的、男性は家族にとって役に立っているのか?など進化生物学的に、遺伝子を残す生存戦略から、検討しています。 26年は経っているので、どこまで今も通用する学説なのかは、わかりませんが、人間や動物の性について、ここまでまとめて進化生物学的に解説した本は知りません。ただ、人間では実験できないので、謎はなかなか解決じせん。奥が深いですね。

      • 【読感】チョンキンマンションのボスは知っている

        文化人類学者の小川さやか著。著者がゲンロンカフェに出ていて知りました。研究対象の、都市のタンザニア人のアンフォーマルな零細商人達の独特の世界を描いています。 文化人類学のフィールドワークというと、未開社会の研究と思っていたが、最近は都市も研究しているらしい。別の学者の方でインドネシアのゴミ回収のシステムとか研究している方もいました。 さて、小川さんのタンザニア現地での調査内容は、『「その日暮らし」の人類学ーもう一つの資本主義経済』に書かれていて、すでに紹介しました。この本

        • 【読感】実践日々のアナキズム

          『アナキスト柔軟体操』ジェームズ・C・スコットのあみだした個人的反逆の手法です。 スコットの『実践日々のアナキズム』という本で紹介されています。まだ途中ですが面白すぎて書いています。 ドイツの田舎町で、信号機のある交差点を電車待ちの時間で観察する著者、一定の時間で青赤を繰り返す信号機。昼間の交通量の多い時間に合わせて設定されていて、夕方にはほとんどクルマが通らないのに、4,5分も待って真面目に信号機に従う人々をみて、これはおかしいのでは?と思うのですが、赤信号で渡るのは勇気

        【読感】赤の女王

          地衣類定点観測

          地衣類の成長速度を定点観測します。この記事は、多分1ヶ月ごとに更新します。 石垣市登野城の某所のフクギの樹皮上には、コフキヂリナリアとヒイロクロボシゴケが生きていて、成長しています。

          地衣類定点観測

          【読感】「その日暮らし」の人類学

          小川さやか著です。シラスを見てゲンロン12を読んで、面白い人だと思い、著書を手に取りました。 小川さんは文化人類学者ですが、フィールドワークが独特でアフリカの都市の零細行商人を調べながら自身も行商人をしたり、迷子になった村に棲みついたり、ワイルドな女性です。 彼女はアフリカ零細行商人の生き方を元に、独特の人間関係やその日暮らしの人生観を描いています。インフォーマルな世界で、日本の戦後の闇市みたいな世界に近いのでしょうか?フォーマルな契約ベースのビジネスや金銭の貸借りとは違

          【読感】「その日暮らし」の人類学

          ネット空間は画一化に向かう?

          本来タイトルは【読感】ゲンロン12ですが、これではわかりにくいので、内容をタイトルとします。 クリス・アンダーソンの『フリー』を巡って、無料が世界をよくするのかを論じたものでしょうか。 東浩紀さんは、座談会で、フリーを提唱したハッカー文化が、インターネットに期待した自由と多様性の世界は、コンテンツの画一化に向かっているとの危惧を述べています。ロングテールは収益化しないなど。 確かにフェイクニュースやTwitterでの程度の低い言い争いなど、ネット社会には幻滅することも多

          ネット空間は画一化に向かう?

          【読感】言語の本質

          私の本紹介は読書感想文ですので、タイトルの頭に【読感】とつけることにします。 『言語の本質』中公新書 今井むつみ、秋田喜美 著 オノマトペの研究から人間の言葉とはどういうものなのだろうかを探求した本です。 オノマトペとは『ゲラゲラ』とか『もぐもぐ』とか『ふわふわ』とかのコトバです。オノマトペの世界中の言語による違いや赤ちゃんがオノマトペから言葉を学んでいく過程から、人間がコトバを学ぶ基盤となっている記号設地問題いわゆる事物と記号(言葉)がつながっていることを人間の五感で

          【読感】言語の本質

          くくく

          原田郁子さんと角銅真実さんのユニット『くくく』に興味があるのですが、音源が見つからず、探していたらありました。 細野晴臣さんのラジオ番組で聴けました。旧正月の原田郁子さんの配信で、音源化とか考えてない感じだったので、これは貴重なのではないかと思うので、記録しておきます。今年5月かなライブの告知ありましたが、私は遠隔地なのでねー。

          八月の御所グラウンドほか読んだ本

          好きな作家の万城目学さんが直木賞をもらったので、久しぶりにSF以外の文学作品を読んでみました。 万城目さんの『八月の御所グラウンド』は本としては2作収録の本で、1つ目は女子駅伝の爽やかな青春小説、直木賞の御所グラウンドは、京都の狭い世界を舞台にしたフィールオブドリームスの日本版みたいな印象で、キャラクターが面白いのがいいてすね。ただ、腹を抱えて笑えるインパクトは鴨川ホルモーだね。 芥川賞の『東京都同情塔』はSFっぽい感じで、面白く読み進めたけど、最後は唐突に終わったので、

          八月の御所グラウンドほか読んだ本

          世界史の構造2

          柄谷行人の『世界史の構造』読了しました。といっても何とか最後までとにかく字面を追った程度で、とても解説とか要約できそうもありません。 共同幻想である国家や社会の歴史的形態を交換様式ABCDで理論的に説明し、カントの目指した永遠平和への道筋を、これまで歴史に表れていない交換様式Dで実現していくという本かな?自信ないけど、現段階での私の大まかな理解です。 私は哲学を体系的に読んだことがなく、知識もありませんが、若い頃に読んだ吉本隆明とか文化人類学、現代思想には興味があって何と

          世界史の構造2

          日本最西端の地衣類

          地衣類の存在を知り、自分がいかに世界を知らないかに衝撃を受けて約1年。地衣類観察がライフワークになりそうです。発表の場は、Facebookの地衣類ネットワークスクールですが、濃いクローズドのコミュニティーですので、noteでも広く紹介していきます。 ただし専門家ではなく一愛好家ですので、種の同定は私の師匠(後述)に確認済みのものを基本としますが、勉強のために私の推定を載せる場合もありますので、正確性には期待しないでください。また、記事ごとに追加情報があれば更新していきます。

          日本最西端の地衣類

          モオツァルト・無常という事

          『無常ということ』だいぶ前に読んで記憶が曖昧ですけど、間違っていたら後で修正します。 この本、確か大学の同級生から渡されたんだよね。私は宮沢賢治と同様、法華経信仰に大学時代は邁進していて、物理学科なのにね笑。 でも、私の仏教学の師匠の植木雅俊博士も大学は物理学なんですよね。 植木さんは「私にとって、ブツリのブツは物ではなく、仏と書きます」と説明しているそうです。 まあ、そういうことで、同級生も仏教かぶれに呆れていたと思うのですが、この本の『無常ということ』は深いですよ。

          モオツァルト・無常という事

          世界史の構造

          この本読み終えたらNoteに感想文書くつもりでしたが、途中経過を書いちゃいます。私の哲学探求への道標になる本ですね。 これまで、大学浪人時代(宅浪2年で、勉強1割、読書9割生活 笑)から哲学や思想書を読んでは挫折を繰り返しています。吉本隆明とかフランスのポストモダン思想とかですね。 数年前に、ハラリのサピエンス全史を読んで、人間社会を部族の時代から国家まで広げた『虚構』という言葉で、吉本の共同幻想とはこのことだったのかと腑に落ちて、なるほど哲学や人文学はこの幻想をテーマに

          世界史の構造

          原田郁子さん旧盆配信

          先ほどまでクラムボンの原田郁子さんの旧盆オンラインライブ飲み会に参加してました。赤ワインとウイスキーBUSKER飲みながら。楽しかったですね。 私からの質問もたくさん読んでいただきました。クラムボンの『風邪をひいたひょうしに』という曲好きなんですが、風邪をひいた時に書いたのですか?という質問に、本当は『風が吹いたひょうしに』(だったかな)で作っていて、なんか面白くないなと、ご自分でパロディーにして、風邪にしたそうです。 前の配信の時は、『意味はない』という曲のエピソードや

          原田郁子さん旧盆配信

          家は生態系

          家は生態系ーあなたは20万種の生き物と暮らしている(ロブ・ダン著、白揚社)読みました。 非常に面白くて、みんなに読んでほしいですね 副題が示すとおり、家の中には細菌、真菌、節足動物など多くの生き物が住み着いている。今まで当然調べられているだろうと思っていた身近な生き物や目に見えない生き物、生物学者は熱帯の密林とか森には出かけるが、実は家は調べていなかった。 最近は腸内細菌や菌根菌など、病原菌ではない共生している微生物の重要性がわかってきています。著者らは世界中の人に協力を

          家は生態系