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アドラーに学ぶよく生きるために働くということ(岸見一郎)【書評#165】

『嫌われる勇気』で有名な岸見一郎さんの労働論。
岸見さんは長い間、非常勤の仕事しか就けず、不安定な生活が続いていたらしい。しかし、還暦直前で『嫌われる勇気』という大ベストセラーを生み出した作家となった。人生は何が起こるかわからないものだ。

岸見さんのは、アドラー心理学の専門家だが、アドラー自身も仕事について言及していたらしく、アドラーの考えもこの本を読んで知ることができる。

人生には取り組まなければならない「仕事の課題」「交友の課題」「愛の課題」という三つの「人生の課題」があるとアドラーはいいます。いずれの課題も、それだけを独立して解決することはできず、各々の課題を解決するためには、他の二つの課題も解決できていることが前提です。

p.21

 ドイツの心理学者であるエーリッヒ・フロムは、
「愛の本質は、何かのために『働く』こと、『何かを育てる』ことにある。愛と労働とは分かちがたいものである」(『愛するということ』)
 といっています。
(...)
 人は何かのために働く時、その何かを愛するのであり、他方、何かを愛する時、その何かのために働くのです。

p.25


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