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営業はいらない(三戸政和)【書評#164】

現在、テクノロジーの進展が著しい。その影響は営業職にも及ぶ。
本の題名にもなっているように、営業職の必要性はどんどんなくなっている。
そんな中、どのような会社が営業なしでも利益を上げているのか、また、今後減り続ける営業職の中で生き残るのはどのような人なのかが書かれている。

正直私は、今後営業職に就く可能性はほとんどないので、この本は直接は関係なと思っていた。しかし、AIやネットなどのテクノロジーが仕事をどのように変化させたのか、そして今後どのように変化していくのかを知ることができた。

プロダクトアウトかマーケットインか、といった二元論ではなく、その二つをうまくつなぐ思考法が必要だと考えているのだ。 その思考法とは、「エクスペリエンス優先型の発想法」である。 エクスペリエンス、すなわちユーザーが得られる「体験」や「感動」を想像しながら製品やサービスの開発に当たるのが「エクスペリエンス優先型の発想法」だ。 p.69

 最高の「エクスペリエンス」を提供できる会社が行き着く先は、「営業をする必要すらない世界」である。 p.79

国民総メディア化の時代においては、ユーザーのエクスペリエンスを追求した商品を形にできれば、自分のメディアを持つ顧客が勝手に宣伝することで無駄な営業は必要なくなるということだ。 p.89

「営業」というもの自体がなくなりうるこれからの時代、営業マンはどのように生きればいいのだろうか。(...)考えられる道は三つある。①セールステックを使いこなし自らのセールスの成果を底上げする。②セールステックを使いこなすセールスチームの指揮官になる。③営業職から離れ自ら戦略を立てられる新たな地位に就く。 p.140

 最初はたしかに青かったブルー・オーシャンも、結果的には単純な「差別化戦略」でしかない以上、いずれは血で赤く染まり、レッド・オーシャンへと変貌する。 その流れをなんとか食い止めることはできないか? そう考えて私が編み出した戦略が、これから解説する「ブルーポンド戦略」である。(...)ブルーポンド戦略とは、「競合のいない青い小さな池を生み出すこと」を目指すものである。広大で真っ青な「海」を目指すのではなく、小さくも大きな価値のある、自分専用の「池」での成功を目指すのだ。 この「ブルーポンド戦略」は、ブルー・オーシャン戦略の「模倣されやすい」という欠点を補完する、「ポスト・ブルー・オーシャン」とも言える戦略である。 p.149

ブルー・オーシャンで先行者利益を取った後も、継続して模倣されづらい事業とは以下の五つである。 ①既存事業(商品)との対比が大きいとき②市場での独占の達成③規模の経済が働いているとき④ネットワーク外部性が働いているとき⑤高い顧客ロイヤリティが発生しているとき pp.149-151

 この②と⑤の状態を同時に達成することが「ブルーポンド戦略」の核心である。したがって「ブルーポンド戦略二つのミッション」は、次のようなものになる。 第一のミッション 規模の小さい市場で独占を達成する第二のミッション 身近な範囲で高い顧客ロイヤリティを生み出す p.153


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