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人を褒めることが苦手だった理由


最近気づいた。
人を褒めている人って少ないな、と。

そういう私も、あまり人を褒めてこなかった。
生徒さんたちにも、むしろ試験当日までにやるべきことを伝えることに一生懸命で、褒めるというより「できています」と、ただのチェックだけしていた。

試験の期日が迫ってくると、特に「何とかしなければ」という気持ちが先行して、褒めるということはできなかった。


なぜできないのか?


を真剣に考えたことがなかったのだが、最近自分が人を褒めていることに気づいた。

「すごいねー」

「えらいねー」

「なかなかできませんよ」


と、自然と褒めていることに気づいた。


以前から私を知っている人は、ちょっと不思議かもしれない(笑)

では、なぜ褒めることができるようになったのか、を考えてみた。
(分析グセが発揮されているだけ)


それは、「自分1人で背負い込むのをやめたから」


以前の私は、「私が生徒さんを合格させないといけない」と、常に、真剣に、一分の隙もなくそうとしていたし、それが絶対大事だと信じていた。
だから、「人の人生背負っている」と思って、教えていた。
そこまで考えなくてもいいし、実際に試験を受けるのは生徒さんだし、と今は思うのだが、その時は真剣にそう思っていた。

コロナで、いやその少し前から、燃え尽き症候群のようになっていた。
(30年近く、燃え尽きなかったのも、我ながらすごい笑)


そこで引越しを機に、2022年は新たな考え方で、スタイルでやってみようと思って、教え始めた。

つまり

「生徒さんしかできないことは、あなたが頑張ってください」

「私にしかできないことはやりますが、最終的にはあなたが試験を受けるのですから」

という、ある意味当たり前の考え方にした。

そして、「合格率」には拘らず、合格する人はするでしょう、というスタンスで教えてきた。
結果的には、今までと変わらない高い合格率を出すことができた。
(生徒さんの質の高さ、と素直さによるところが大きいのだけど)

「なーんだ」


って感じだ。

この「生徒さんと自分の線引き」をして、課題の分離をして、それでちゃんと結果が出るんだ、と思った。

そして、生徒さん達を褒めた。
褒めるところは、ちゃんと褒めた。
本当のことしか褒めないけど、気づいたことは褒めた。

生徒さんとの線引きをしたことで、私に「心の余裕」が生まれたのだ。


そう、人を褒めるときに必要なのは、「心の余裕」「自己が確立されていること」なのだと思う。


私には今まで「心の余裕」がなかった。

自分で背負い込んでいたから、なんとかしなきゃって思っていたから、心に余裕なんてなかった。

自己は確立していると、自分では思う。

ただ、自己が確立されていないんだろうな、と思う人はすごい人を見たときに「いいなー、羨ましいな」と思うようだ。そう思うと、「褒める」に至らない。

「いいな」「羨ましいな」というのは、褒め言葉ではない。
下手をすれば、「嫉妬心」につながる。
相手を認めて、褒めること、ということとは、似ているようで違うのだ。

(褒めるというのは、こんなに頑張るなんて、誰でもできることじゃないよ」というような言葉だ)

自己の確立のためには、「自分の軸があり、自分を知っていること」が大事だ。
自分が確立されているから、人を変に羨ましがることもないし、でも自分にできないことをしている人を、褒めることができる。心の底から。


さらに言えば、「お金と時間の余裕」も大事だ。
ただ、「心の余裕」には「お金と時間の余裕」が含まれていると思うので、あとはその余裕をどうやって自分が生み出して行けるかを考え、実行するだけだ。


このことに気づいたのは、2021年までの自分と2022年の自分を変化させた(自分で変えたくて変えた)からこそ、だと思うが、もう一つは「私は今まであまり人に褒められたことがないな」と思ったからだ。


両親からもあまり褒められたことはない。
父は、晩年私を褒めてくれることが増えたが、具体的に褒められたことはあまりない。
具体的に褒める、って大事だと思う。もっと褒めてもらってもいいんじゃないか、と最近は思うのだけど、褒めてはもらえない。(笑)
具体的に褒められると、自分を見てくれていることがわかるし、自分へのアドバイスにもなるんだけど、と思う。


そう言えば、私は「褒める」というより、「生徒さんが気づいていないその人自身の強み、良さ」はたくさん伝えてきた。
気づいていないのが、もったいなくて、教えてあげたいと思うからだ。


そうか・・・

私が褒めていないのに、なぜ生徒さんたちは私のいうアドバイスをしっかり聞いてくれたのか、がわかった。
ちゃんと見ている、ということが伝わっていたからなんだな・・・

(と書きながら気づく)

あまり褒められずに育った子供(私)は、今大人になり、良い年齢になり、今自分で自分を褒めている。
冷静に見ながら褒めている。
誰にも見せていない自分を、自分だけは知っているから、褒めている。

結果が出たとき、

本当に頑張ったと思ったとき、

自分を褒める。

謙虚さ、は持ちながら(もっと頑張っている人はいると思うけど、私にしては頑張ったよ、と思うことは悪いことではないだろう)褒めることで、さらにやる気が出てくるのだから、ただでモチベーションアップができている。

これってすごく大事だな、と思うし、今の心の余裕を持ち続けたら、きっと周りの人のことをもっと気づいて、褒めてあげられるだろうな、とも思う。


人のことを褒めると、気持ちがいい。
相手が喜ぶし( お世辞は言わないけど)なんかあったかい気が充満するから。

こんなことを考えられるようになったのは、やっぱり、自分を、そして自分の考えを変えたからだな、と思う。
今の自分を好きでいられる努力は、これからもずっと続けて行きたいな。



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