つい先日、子どもを持ちたくない人が半数超、というニュースを見た。ロート製薬の調査だそうだ。
私が読んだ記事では持ちたくないと思う理由は書いていなかったのでわからないが、子どもを望んでいない人でも子どもを持つ可能性は残しておきたいという回答もあったそうだから、若さゆえに人生について考え中なのかもしれない。

あくまで、私の子どもを持ちたくない理由。

そもそも子どもが好きじゃない。子どもの甲高い声が苦手。公園で楽しそうに笑っている子どもは、純粋にかわいいと思う。
ただ、大人に構ってもらおうとする時の大声や、泣き声がとてつもなく苦手。子どもが悪いわけではないし親も必死であやしているのだから、そこに苦情を言ったりはしないが、頭に響く。単純に疲れてしまうのだ。
親になったら毎日のようにその声を聞かされるのか、と思うとそれだけで嫌になる。

そして、母親という生き方に興味がない。
私は、純粋に母親という生き方に魅力を感じない。他の人が母親業を頑張っていることは魅力的だと思う。でも、それを自分がやりたいとは思えない。
後述する自分の母親との関係もあるのかもしれない。周りにいる人から子どもがかわいいという話より、悩みや愚痴を耳にすることが多いからかもしれない。あくまで人の体験談を聞くだけで十分だと思う。育児漫画などは、とても楽しく読んでいる。それで十分。

さらに、子どもを育てられる自信がない。今はとてつもなく「普通」のレベルが上がっていると思う。大卒院卒を合計すると６割にもなるそうだ。私の時代は、正確な数字かはわからないが、4人に1人が大学に行く、と言われていた。今では大学進学が当たり前なのだろう。
経済的負担や肉体的負担ももちろんあるが、子どもが、もし罪を犯したら、学校でいじめをしたら、自殺してしまったら、私は耐えられるかどうかわからない。耐えるしかないのだろうが。
私自身が自分を立派な人間だとも思えないので、こんな私が育ててもどうせまともな大人にはなるまい、と思ってしまう。少なくとも、私は母親向きの性格ではないと思う。
私は、少なからず完璧主義的な特性があるから、完璧な母親になれないなら、ならなくていいと思っているのかもしれない。

母親になったら母親を辞めることはできないのも、プレッシャーが大きすぎる。
よく「子ども生んだらかわいいよ」「そう言ってる人ほどいい親になるよ」と言われるが、そうならなかった時が問題なのだ。もし、かわいいと思えなかったら、いい親になれなかったら、虐待してしまったら。
夫と離婚して引き取ってもらうにしても、施設に預けるにしても、母親を辞めることは一生できない。
母親になったが最期、逃げ場がないように感じる。
特別養子縁組などをして、子どもと法的に縁が切れたとしても、子どもを身籠ったことや出産したことをノーカンにできるほど、面の皮は厚くない。そこまで恥知らずにはなりたくない。
ブラック企業ですら辞めることはできるのに、一生辞めることができない、というのはものすごく大きなプレッシャーだ。
私にとって、子どもを持つことは最も分の悪いギャンブルに思えてしまう。

あと、自分の親への思いもある。正直に言って、私は自分の親が好きではない。人として尊敬できない。
よくいう毒親ではなく、どちらかと言えば相性の問題だと思う。いい思い出もある。
でも、父親を見ても、母親を見ても、ああなりたいとは思わないし、憧れもしなかった。むしろ、この人たちはなんで結婚したんだろう、なんで子どもを持ったんだろう、と不思議に思っていた。
もし、自分が命懸けで出産して、人生をかけて子育てして、そんな風に思われたらたまったものではない。ここではマイルドに言っているが、自分は自分の本心を知っているから、こんな風に思われたら死にたくなる、と思ってしまう。
両親を尊敬できなかった、というのは、もしかしたら最大の理由なのかもしれない。

他にも色々理由はあるが、こんなところ。
若い頃から積極的に子どもを持ちたいと思ったことはなかったが、好きな人ができてその人の子どもを妊娠したら気持ちも変わるのかな、と思っていた。残念ながらその未来は訪れなかったし、今後も訪れないだろう。

私は、少子化を加速させたうちの1人だ。だから、罪滅ぼしとは言わないが、子どもを育ててる若い人たちに出来ることはしてあげたいと思う。子育てしやすい世の中であってほしい、子どもが幸せな世界であってほしい、と本気で願っている。