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小説~第12話~

 Misaki oasis lab代表の上山浩一です!
 連載小説タイトル未定第12話です!
 お楽しみに!

~前回までのあらすじ~

 川田は、喫茶店で海外の有名なアーティストとばったり会った翌日、職場で高野に彼女が現在失踪中であることを知らされる。川田も高野に昨日のことを話す。終業後、改めて高野に呼ばれ、彼女に川田から連絡するよう指示がある。川田は海外の有名なアーティストの女性に連絡することになった。

~第12話~調整

 1回目の発信は受け取ってもらえなかったが、2回目で電話が通じた。

「もしもし・・・」

 恐る恐るな声色で海外の有名なアーティストが電話に出た。

「もしもし、あの~昨日喫茶店でお会いした川田と言います。先日あなたのマネージャーさんとその友人と一緒にお食事をした者です」

「よかった。わざわざ連絡をくださってありがとうございます。改めましてわたしはメメという名前で世界中でアーティストとして活動している者です。先日は何もご紹介することなく失礼いたしました。端的に申し上げますと、実は今、わたしはマネージャーと折り合いのつかないことで揉めています。非常にお恥ずかしいことです。このたび、非常に不躾なお願いですが、一度マネージャーを除くあの食事の時のメンバー3人でもう一度お会いして相談に乗っていただきたいのです」

 一気にまくしたてるように話されたので、わたしは動揺したが、まず高野さんにも話を知らせたいと思い、

「ちょっとこのまま待ってもらえませんか?実は今わたしの目の前にあなたのマネージャーの友人がちょうどいるので相談させてください」

 そう答えると、海外の有名なアーティストは、

「そうなのですね。それはちょうどよかった。ぜひそうなさってください。わたしは、このまま電話を切らずに待っていますので」

と丁寧に応じた。わたしは高野さんに電話の内容を伝えた。

「わかったわ。それじゃあ川田くん、よかったら今からでもお食事の席をもうけますけどいかがでしょうか?ってそのメメさんに伝えてちょうだい」

 高野さんはそう返事をした。

 うわぁ・・・やっぱり何か巻き込まれそう・・・

 わたしはそう思ったが、もう後には引けず、

「わかりました」

 そう高野さんに答えて海外の有名なアーティストに伝言を伝えた。

「うわぁ!とても嬉しいです!ありがとうございます!でも残念ながら今日は駄目なのです。ごめんなさい」

 わたしは内心少しホッとしつつ、駄目な理由を詮索するのは失礼と思い、

「それは失礼いたしました。ではまたメメさんのご都合の良い日をお教えいただけますか?わたしたちもそれに合わせますので」

「すみません。今すぐに都合の良い日が分かりかねますので、よろしければ今度は私の方からこのお電話に掛け直させてくれませんか?」

「あぁいいですよ。それじゃあ一応この電話番号をお伝えしておきますね」

「ありがとうございます」

 こうしてわたしはメメという海外の有名なアーティストに電話番号を伝えた。

 電話を終え、高野さんに電話の内容を伝えると、

「そう。それは残念だったわね。まあしょうがないわ。川田くん、メメさんからの電話ちゃんと受け取るのよ。そうして連絡があったらまたわたしに伝えること。わたし、いつでもメメさんと会えるようにしばらくスケジュール空けとくからわたしの都合はとりあえず気にしなくていいからね」

 そう言うと高野さんは何事もなかったかのようにその場を後にした。一人残されたわたしは、

 これから一体どうなるのだろう?・・・

と、只々途方に暮れていた。

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