小説~第8話~
Misaki oasis lab代表の上山浩一です!
連載小説タイトル未定第8話です!
お楽しみに!
~前回までのあらすじ~
川田は、自室ベランダの手摺に貼り付けられていたバラの花びらを回収し、ゴミ箱に捨てようとすると、ゴミ箱の中にバラの茎が入れられていた。一体どうなっているのか?・・・仕事終わりに再びベランダを確認したが、バラの花びらは貼り付けられていなかった。土日をベッドで過ごし、月曜日出勤した日、高野から昼食を誘われる。高野は、以前の食事の一件を話題に上げる。川田は高野がまるで2人いるかのような錯覚を覚える。
~第8話~隠滅
昼食を終え、現場に戻ると、
「川田くんさあ、いよいよ上司にゴマすり?」
森さんがあきれた様子で声をかけてきた。
「だからそんなんじゃないですって!」
わたしはつい声を荒げてしまった。
「まあいいわ。川田くんってやっぱりそういうタイプなのね」
わたしはほとほと嫌気がさした。
なんとか気を取り直して午後からの業務に集中しようと努めた。
一日の業務が終わり、わたしは更衣室に向かった。
誰とも顔を合わせたくなかったので、更衣を済ませると、急ぎ職場を後にした。
今夜は何事もなく帰れそうだ・・・
車を運転しながらわたしはそう思い、胸をなでおろした。
マンションに戻り、ベランダを確認すると、バラの花びらは貼り付けられていなかった。
もう何も気にする必要はない・・・
バラが並べられていたこと、高野さんのこと・・・そんなどうでもいい調査など飽き飽きしてきていた。
バラが並べられていたり、手摺に貼り付けられていたことは、確かに気味の悪いことだし、高野さんのことだって気になる点はあるけれど、気に病むだけ損だと思った。
わたしは、帰り途中に購入していた国産牛ステーキを綺麗に平皿に盛り付け、ゆっくりと堪能し、今までのことを頭から消し去った。
ステーキサイコー!!!
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