眠れないのです

君の形が　目の奥まで

もうすぐに　夜は明けて　しまうというのに

長い旅の終わりが見えて
僕は　ひどく疲れてしまい

もうこれ以上って
心は呟く

あたたかな国へ　光を求めて
今度は　西に　歩いてみよう

手のひらで　
小さな
花びらは
ほころんで
散る

もう
その儚さを
あなただとは
思わない

僕は
ぬかるみに　癒しを覚え
泥だらけになった靴を　
愛しんだ

喉の渇き
目の前は　蜃気楼

あなたを失う
萎えた心

僕は
再び
誰かを
求めない

もう

この
難破した船を
海に浮かべる人は
いないから

どう

追憶の中から
古い人格が顔を出す

今まで
忌み嫌う
さよならを
連発した

悲しみや
苦しみは
現実のような顔をして

また
襲いかかるけど

今度は
笑って
畳んでしまった

僕の
あの人は
この素敵な空になり
誰かの　優しい胸で
微笑んだらいい

感傷の
メランコリー

まわる
記憶と追憶の中で
君は　煙のように
漂った

そんな煙みたいに　消えた過去
掴むことも　許さない

もう一度も
なくなった

追憶
眠れぬ今

さよならを
連発した

20240406 teo