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日記:土曜日の朝そして木蓮

アーモンド、胡桃、ヒマワリの種、120℃10分ずつローストした。よく冷ましたらそれぞれの瓶に入れて、朝ごはんのオートミールに加える。
ダークなチョコレートを入れると、温めたアーモンドミルクに溶けて全体がチョコレート味になる。

昔はバナナとか ヨーグルト、ハチミツなんかも一緒に加えていた。だんだんシンプルが良くなってきてしまった。


今日は曇ったり晴れたり 変な天気だ。さっきまでにわか雨が数分降った。



昨日散歩に行くと木蓮が咲き始めていた。たった三日ほど来なかった道なのに。なぜか心の中で、ごめんね、って言った。

遠かったので拡大してスクショしたもの
この花の告げるもの


      静寂と愛おしさ


木の実や種をローストしながら昨日のことを思い出している。私はなぜこの世に生まれたのだろう、それをずっと考えながら街を歩いたからだ。好きでも嫌いでもあらゆる人に出会い、苦しんだり喜んだりして来た。

たくさん夢を描いてたくさん遊んだ。働きもした。とにかく生きたんだ。




木蓮に出会い、涙が出たのは

歩き疲れたからじゃない。


情報が多すぎて 心が潰れそうだったから、自分の過去の過ちに気持ちが押しつぶされそうだったから、あれもこれも積み重なって しんどくなったその瞬間、木蓮は美しかったから。


その容姿の如くの香りを放ち そんな素敵ないでたちをして あなたが好き と 告げてくれた。


もう
抵抗せずに お休み
あなたは 何もしなくても
すてきだよ

何もしなくても
そのままで

だから
わたしが ここにいる

静寂と愛おしさを差し伸べた その花と枝が 
すこぶる 優しかった。

      


      なるがまま


なるがまま あるがままでいいんだって。無理しなくても、がんばらなくても。本当は苦しくて張り裂けそうになるのだけれど、じっと耐える。痛みや悲しみが過ぎ去るまで。何度も振り返る。浅はかな自分しか見えてこない。だから、


土曜日、
今日の朝は ローストした香りと空模様が、

誰も苦しませないように 雲は ものすごく早く 過ぎ去ろうとしている。晴れたり曇ったりしながら。私に気を遣い、あるがままをかき抱こうという。全部 自分でしなくてもいい その為に私がここにいるのだからと 告げていた。

越えるべき時間。不思議だが、私にしか分からない時間のことだ。どうか、幸せに 今日までの全ての辛いことが 雲に流れ 風に流れ 春の陽気に溶けてしまうように。どうか少しずつ 終わって、完全に消えてなくなり、動く雲、過ぎゆく風、陽気のように 木蓮のいい香りに包まれて ほのかな愛に抱かれていたい、それだけでいい。

そして全部

忘れよう。



ローストのいい香りの中で、
きっとまたお菓子を焼く仕事を始めるのだろうとしみじみ思った


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