大きな転換期に差し掛かった私学がどのようにあるべきか

 働き始めて10年目。運よく高校1年生に配属された初年度から、1~3年を繰り返して3度卒業生を送り出した。そして今年は初めて学年を変わって、引き続き3年生の担任になった。

 基本的な形は変わらないが、やっぱり初めて受け持つ子たちには緊張する。それが3年生ならば猶更。こちらとしてどこか申し訳ない気持ちでいっぱいだった。配置返還は毎年行われるもので、確実な人事は無いので仕方がないことだけど、出口に向けて一番大切な時期に初めての人が受け持つということにはやはり多少のストレスが生じると思う。だからこそ、全力でやらないといけない。それが教師の責任でしょう。

 高校生の最終的な目標は一般的に大学進学だと思っている。ひいては進路指導なんだけど、4年制大学進学率が90%以上の勤務校ではこれがほとんどの生徒に当てはまる。だから、著名な私学附属中学・高校に人が集まるんだろう。そこに負けないようにするのが、僕ら中堅私学の腕の見せどころだ。

 先日、東京都で高校授業料実質無償化の所得制限(910万円)が撤廃された。これにより、公立と私立を選ぶ中でのお金の壁がなくなり、さらに特待生の意味が薄れる。つまり、受験生から本当に選ばれる学校にならないと、淘汰されていくということ。

 生き残っていくのに関して、私学は企業と同じ。これからは各学校の建学の精神、特別活動(行事・部活)、そして進学実績がより一層シビアに判断されるようになる。私たちに出来ることは何か。

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