見出し画像

【10日間瞑想コース】ヴィパッサナー@千葉

2018年の夏、千葉県で10日間のVipassana(ヴィパッサナー)瞑想のコースに参加した時の記録です。

Vipassana瞑想について

ヴィパッサナー (Vipassana) は、物事をありのままに見る、という意味です。インドの最も古い瞑想法のひとつで、2500 年以上前にゴーダマ・ブッダによって再発見され、普遍的な問題を解決する普遍的な治療法、 生きる技として、多くの人に伝えられました。 宗教とはかかわりをもたないこの技は、あらゆる心の汚濁を取り除き、解脱という究極の幸福を目指しています。

ヴィパッサナーは、自己観察による自己変革の方法です。この瞑想法では、心と体が互いに影響を与えている深いレベルに焦点を当てます。体の感覚は、肉体の生命を形作り、同時に精神の生命と途切れることなく関わってそれを条件付けます。その身体感覚に注意を定めることで、心と体の相互作用を直接に体験することができるのです。この自己観察に基づく自己発見は、心と体の深いレベルまでたどっていくことで心の汚濁を取り除き、愛と慈悲に満ちた、バランスのとれた心へと導いてくれます。

思考や感情、判断力や感覚を管理する科学法則は、鮮明になります。自らの経験を通じて、生まれては消え去るという自然の特質、苦悩を生み出し苦悩から自由になるための方法を理解します。明確な気づきを得てまやかしが消えるとき、自らを律する力は増して、人生は安らぎに満ちたものとなるでしょう。

出典元:日本ヴィパッサナー協会

参加会場・費用について

緑に囲まれた敷地内。電波は届きません◎

ヴィパッサナーは世界各地にセンターが設けられており、日本では千葉と京都で参加することができます。

運営は全て寄付により行われており、指導者やアシスタントなども全てボランティアによる奉仕活動として行われます。参加費はドネーション形式となっています。

参加しようと思ったきっかけ

インドにヨガのティーチャートレーニングを受けに行った際に、クラスメイトやインドの旅中に出会った旅人たちから勧められたことがきっかけでした。

スケジュール

朝食はこんな感じでした。

1日目は受付や部屋割などとオリエンテーションが行われ、夜8時ごろからコースがスタート。

翌日からの3日間は、ヴィパッサナー瞑想に入る前段階の修行として「アーナーパーナ」という呼吸に集中する瞑想法を行いました。私の場合、この期間は瞑想に全く集中できず、また、環境にも慣れていなかったこともあり常に精神的にイライラ。肉体的にも痛みがあり、辛いと感じました。

4日目の午後からの6日間は、ヴィパッサナー瞑想の修行を行っていきました。この練習に入ってからは、少しづつ瞑想に集中できるようになって行き、心も穏やかに落ち着いてきた気がします。

コースの9日間は”聖なる沈黙”の厳守が絶対で、会話はもちろんアイコンタクトや体の接触など他参加者との一切のコミュニケーションは禁じられています。

最終日は、食事をしながらみんなで談笑しました

最終日には、”聖なる沈黙”が解かれ他の参加者と話すことができます。修行の継続法とヴィパッサナー瞑想を日常生活に活かす方法の講話がありました。夕方の瞑想後は自由時間となり、参加者の方と食堂で談笑をしたりして過ごしました。翌朝の朝食後に全員で大掃除をし解散、という流れでした。

ちなみに、希望すれば奉仕者としてそのままセンターに滞在することができるようで、そのまま数日滞在を続けていた人もいました。

どんな風に10日間過ごしたか

一日のスケジュールですが、早朝4時半から9時半まで、グループ瞑想と個人瞑想の両方を合わせて、1日に約10時間ほど瞑想を行いました。休憩や食事などを挟み、夜にはヴィパッサナーについて学ぶ講話を聞く時間が設けられていました。

食事ですが、朝食・昼食の1日2回+午後のティータイムにはバナナと林檎半分といったフルーツが提供されていました。基本菜食の和食が中心ですが、カレーやスパゲッティなどもでてきたりとバリエーションもあり、どれも優しい味で心が満たされました。

宿舎は、ドミトリーと個室が男女それぞれ2棟。参加経験のある古い生徒や、年配の参加者の方は個室、新しい生徒や年齢の若い方はドミトリーに割り当てられているような印象でした。

施設は清潔感があり、空調の整備も十分で、特に設備面でのストレスはありませんでした。周りは山に囲まれた静かな環境で、夕日や夜空がすごく美しかったです。

達成感に溢れていた最終日

インド・リシュケシュ・ビートルズアシュラムの瞑想ルームにて

コース中は自分と向き合う時間となり、会話を含めアイコンタクトなど、他者とのコミュニケーションは取らない原則となっていました。

10日間、沈黙を守り続けるのは、なかなか大変なことでした。けれど、心に大きな変化があったのは確かでした。

最終日の”沈黙が解かれる”瞬間は、かなり戸惑いました。久しぶりに”人と顔を向かい合わせ喋る”ことがとてもうれしくて、面白い感覚だったことを覚えています。

いろんなバックグラウンドの方々が参加していました。タイと日本を行き来するフリーランスの翻訳者、ヨガ講師、自給自足の村で暮らしていたという方、日本の建築を学ぶ研修できているポーランドの大学生、インドで日本人教師をしていた方、大学を卒業後ピースボートで通訳ボランティアをしていたカナダ人、マッサージ師、妊婦さんなど。

コースの運営から、食事の用意や給水所のキーパーの補給などの生徒のサポートを行ってくれる奉仕者の方々も、興味を惹かれる魅力的な方が多かったです。コースの最後にボランティアをしている彼らのうちの数名が体験談を語ってくれました。
大学講師をしているという男性は「普段は教える立場にあるので、場をコントロールするようになりがち。また、ヨガや瞑想を長年練習しているが、いつでも自分のペースやルールで行うことができるので、自分勝手になっていると感じていた。それらを見つめ直してみようと思い参加したが、今回他人に奉仕してみることから多くを得る事ができたので、生徒の方々に感謝したい」と語っていました。
彼らの気持ちを聞いて感謝が溢れると同時に、奉仕という行為にも多くの学びがありそうだな、と奉仕者としての参加にも興味が湧きました。その2年後に、わたしもニュージーランドで奉仕者として参加することになりました。

参加した後の気持ち

正直、すごくきつかったです。外部と隔離された生活や規律の厳守、長時間座り続け自身を観察し続けるという行為は、決して楽ではありませんでした。
1日がものすごく長く感じ、センターから逃げたくなることも多々ありました。しかし、10日間のコースをやり遂げてみて、これからの人生を生きる中で本当に役に立つ”生きる技”を学ぶことができたと思いますし、参加できたことに本当に満足しています!

当時は特に、色々を外の世界や他人のせいにしがちで、苦しみの原因は外にあると考えていました。
ヴィパッサナーを実践中、足が痺れ腰も痛くなり最初のうちは「耐えられない!」と足をすぐ解いてしまったり、常に気持ちもイライラとしていました。しかし、手法を理解し回数を踏むうちに、その痛みをただ観察しながら1時間を苦しまず過ごせるようになってきました。
体の痛みが時間が経てば消え去るように、喜びも悲しみも痛みさえも起こっては消える”変動的”なものなんだと、体で実感できました。”基本的に苦しみは自分で作り出しているもの”という事実を理解することができた今回の経験は、私にとっては大きな収穫でした。
ヴィパッサナーは”人生を楽に生きるための技”を教えてくれた、そういう風に感じています。

参加してから、早5年、、、!しばらくメディテーションの練習は続けていましたが、現在はできていません。。。でもベネフィットは計り知れないことは、実感済みなので、良いタイミングでまた始めよう、と記事を書いていて思い直しました。

サポート頂けると、とってもうれしいです:)良いバイブスをシェアしていきます♩