スライド125

膝のスペシャルテストの重要性 No.3

膝を評価するうえで、特に私が重要だと感じている評価方法に

①ラックマンテスト
②伸展制限評価


があります。

前回はラックマンテストとジョイントプレイの重要性について触れました。
今回は伸展制限評価について述べていきます。

膝が膝であるための条件は「しっかり伸びて、曲がる」と言われていますが、私は特にしっかり伸びるという条件がとてつもなく重要だと感じています。

このため「しっかり伸びる」を「的確に評価」するようにいつも心がけています。

その評価方法は、シンプルで「健側と比較する」です。
(ただし健側も症状がある場合は、健側を純粋に比較することができませんが…)

そして、的確に評価するには「わずかな左右差も評価」するという視点が必要です。


その時のコツとしては…

①膝蓋骨が両側真上を向くように股関節を内旋させる

②脛骨を把持して、膝関節裂隙をゆっくり押し込み、大腿骨と脛骨の位置関係を感じながら左右差を比較する
(膝の伸展度合いを左右で感じる)

③もし数値化する必要があるならHHD(Heel Height Differrence)で再度評価する


※HHDに対しては下記イラストを参考にしてください。


このように的確にまずは健側と比較して、伸展制限評価を行います。

徒手療法や運動療法を行うたびに伸展制限評価をすれば、どのアプローチが効果的かも把握できますので一石二鳥です。

問題点を絞り出すことが可能となるとても重要な評価ですね(^-^)


例えば、右変形性膝関節症と診断された方が来院され、疼痛改善目的に対応をしたとします。

この時、

・右膝の伸展制限評価では-10度(押し込むにつれて膝内側前面の痛みを訴える)で、HHDは健側と比較して2横指。

・圧痛組織は膝蓋下脂肪体で普段の疼痛と非常に似ていた。

・ラックマンテストでのジョイントプレイは大きい(End feelによるHard end pointはしっかり感じられる)

と評価できたとしましょう。

そして実際に、膝蓋下脂肪体の柔軟性回復で伸展制限評価0度で、HHDは健側と比較して0.5横指まで回復し、疼痛訴えなく歩行時の蹴り出しも良好となった場合に…

あなたは自主トレや介入頻度をどう考えますか??


私の場合ですが…

毎日、膝蓋下脂肪体のマッサージ方法を指導し、1か月後にチェックする方針とします(その間に何かあればすぐ連絡するよう依頼)。

これは、制限因子が明確になっていること、
1回の介入で疼痛と可動域が改善していること、
自主トレ内容が絞れていること、
そして、なによりジョイントプレイが大きく軟部組織の硬さが問題になることがあまりないことを加味しての内容です。

もし、1回の介入で疼痛と可動域が改善していても
ジョイントプレイが小さい(End feelによるHard end pointは硬さを感じる)場合、軟部組織が硬いことが容易に予想でき、自主トレに苦渋することが予測されます。

セラピストが簡単に行う操作でも、本人にとっては非常に難しいという事が多々ありますが、この難しさを作っている要因に軟部組織の硬さが関係していると私は感じています。

だからこそ、ジョイントプレイが小さい場合(Hard end pointの硬さを感じる場合)、私は自主トレがきちんとできているか、さらに制限が自分で行っても改善させられているかを1週間後にできればチェックします。
場合によってはインソールを作成することを視野にもいれます。


以上のことから、ラックマンテスト伸展制限評価は臨床において特に重要と私は考えています。


もちろん他の評価も重要なのですが(*^-^*)

こうした大切な実技も含め、基礎から学び直す少人数の実技セミナーが開催できたことが本当に嬉しく思っています。

また定期的に行いたいと思いますので、興味のある方はこのnoteをフォローしていただければと思います。

それではまた次回(*^-^*)

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