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自然農を始めるあなたへ

自然の中の循環を大切に、自然と寄り添う農家が増えつつあると感じる。
肥料や資材の高騰を背景に今までの農業から転換する人、初めて農の世界に足を踏み入れる人と多種多様だが、僕自身は自然農をお勧めしたいと思う。

僕の行う自然農に「耕さない」という原則がある。文字通り、できるだけ土中環境を壊さないように、不耕起もしくは浅く耕す(浅耕)程度にとどめること。
これは人それぞれだが、畑の環境を見て判断する。必要があれば最小限の範囲で耕す。そんな感じだ。

土の中の構造を潰したり混ぜ返したりはしない。よってトラクターなどの重機は使わないのだ。

ではどうやって土を柔らかくし、野菜が育ちやすい環境を作るのか。
そう、草の根や小動物、微生物によって耕される。いや耕してもらうと言ったほうがいい。彼らの活動が土質を改善していく。
人間はその環境を整えることに重きを置く。

自然農のポイント
①低コストでスタートできる。道具は鍬、のこぎり鎌、剣先スコップがあればなんとかなると思う。燃料費や資材費も少なくて済むのでランニングコストも抑えられる。
これは非農家の人には大きな意味を持つだろう。
初期投資が少なくて済む。

②体力的に楽であること。
耕すことをしない自然農では、初めこそ畝をたてるが、その後はその畝を使い続けるため年に何度も耕す慣行の栽培より体力的に楽であると感じる。
(畝立ては大変なので、最初は少し重労働かもしれない)

③土が柔らかくなるまでに時間がかかる。
人間が介入する割合は低いので、初めは思ったように野菜が育たないかもしれない。
人間がある程度圃場をコントロールできる慣行栽培とは違って、良くも悪くも自然任せである。

④広い面積を管理するには向かない。効率的に安定して栽培するとなるとどうしても面積を広げられない。

メリットと捉えるかデメリットと捉えるかはあなた次第だ。

まだまだあげるとキリがないのだが、まずは小さな範囲で始めるといいと思う。畑の土は毎年良くなっていく。団粒構造、根穴構造が進み、ふかふかの土に変化する。
そこにはたくさんの命が循環を繰り返す、ダイナミックな世界が広がる。

とはいえ、いきなり生計を立てられるほど甘くはない。

ゆっくりでいいと思う。よく観察しながら楽しめる自給的な自然農から始めてみてほしい。

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