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ふんどし。それは二律背反のファンタジー

無駄に考えるの大好きアーティストのUGYAUです。こんにちは。
本日は満を辞して(?)のふんどしの話題です。

一部のマニアックな方はご存知かもしれませんが、
わたくしUGYAUは
“日本ふんどし協会公認アーティスト”という肩書きも持つ、
ふんどしアート作家でもございます。

noteを読んでくださっている方には初めましての皆様も多いかと思いましたので、ここらで一回ふんどしについても書いておかねばとなるまい…。
と、思い立ちました。

ふんどしアートってなんぞ?と興味を持ってくださった方、ちらっとご覧になってその魅力を知ってもらえたら幸いです。


板切れに描き始めたふんどしアート作品。

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2008年から描き始めた板絵のアート作品。その名も、

『FUNDOSHI FANTASY』

これはUGYAUの代表作の一つでございます。

板に描いた一枚一枚が独立したアート作品でもあり、作品全体が一つのストーリーになっている物語作品でもあります。

最初からストーリーがあったわけではなく、”褌(ふんどし)を装備したキャラクターを描こう“という程度の軽いノリ。
紙にではなく1枚の板に1人のキャラクターを描いて並べたらかっこいいかも?と言う感覚的なもの。

何故ふんどしを選んだのかと言えば、日本っぽさ(あるいは江戸っぽさ?)を感じるアイテムだったから。
その頃特に和風のテイストで作品作りをしていたので和柄や着物の人物をよく描いておりまして、ふんどしというアイテムはより和風を強調出来るモチーフだなと思ったのですよね。

まあ、思い返すと深い事は何も考えておらず、
“和風” “着物” “江戸” “ふんどし” “祭”  かっこいい おもしろい!
くらいの連想ゲームで、その場の勢いが9割だったかな…。

後は見てくださるお客様の反応も良かったのもある。
特に若い女の子たちがキャッキャと喜んで見てくれたのです。

それが嬉しかった単純なUGYAUは
「ならばいっそ、ふんどしばっかり描いたらもっとウケるかも?」
と女の子にモテたい下心を出したわけです。

そこで、ふんどし作品ばかりを描く方法として“キャラクター”を思いつきました。
架空の世界のキャラクターを考えて全員ふんどし装備にすれば、あまり考えずにどんどん作品を描いていけそうだなあと。
(…実際、そんな単純には制作は進められなくなるのですけど。)

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架空のファンタジー世界を考え、そのキャラクターを作る。

褌装備の勇者。
褌装備の王様。
褌装備のお姫様。
褌装備の敵。
褌装備のボスキャラ。 などなど

小学生の時に発売されたドラクエやファイファン(地元ではこの略し方でした)で育った世代で、王道RPGの影響をかなり受けました。
なので王道的ファンタジー世界にふんどし成分を投入してキャラクターを作り、作品を描いていきました。

(ちなみに、最初は松の板にアクリル絵具を使って制作。
枚数を重ねるごとにヒノキの板も使う様になり、絵の具もアクリル絵具から水干絵の具(粉状のものを膠で溶いて着彩する手法)に変わって行きました。)

そうして制作を進めて何人ものキャラを描いていく中、わたしはこう思う様になりました。
ファンタジー世界にふんどし成分が入ったのではなく、むしろふんどしそのものがファンタジーだなあと。

お前は一体何を言っているんだ?
ってなると思うので、もう少し説明させていただきます


ふんどしはファンタジーだ。

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【ふんどし(褌)】  
日本の伝統的な下着。局部を隠すモノ。  江戸時代に入り一般庶民にも広まった。  
当時はふんどしをつけていることはステイタスでもあった様で、 レンタルふんどしを裾まくりした着物から見せびらかす事もあったとか。  
それは見栄の象徴であり個の主張であり、見せるモノだった。   
現在、ふんどし文化が廃れている理由は 西洋文化の普及により臀部を出している事が西洋人にとって公序良俗に反する事だったため、 西洋人への礼儀として臀部を隠す様になった事が一因という説がある (FUNDOSHI FANTASY 前書きより抜粋)

これはわたしが出版した作品集の中の文章からの引用ですが、
昔の方のふんどしへの認識は現代の日本人の持つ感覚とはだいぶ違っていた様なのです。
隠したいの?見せたいの??と思わずツッコミを入れたくなってしまいます。

現代においてはお祭りなどでふんどし姿の男性がお神輿を担いだり太鼓を叩いたりする姿が見られます。
下着なのですが堂々と見せているのが面白いと思う。

そこにあるのは、本来なら隠す事を目的とした下着という役割を持ちつつも、あっけらかんとした表情でむしろ存在を主張しているという二律背反性

男らしくキリッと引き締まったイメージから喚起される明るいフェロモン。

そして非日常性

“ふんどし”と言う言葉からは”パンツ”よりもはるかに高いポテンシャルを感じませんかね?
言葉として聞いた時に「え?ふんどしですか?」ってなりませんか?
この感覚もふんどしの非日常性によるものではないか、と思ったりもするんですよね…。(あくまで個人的見解ですが)

もちろん、現在もふんどし愛好家の方は多数居られます。

しかし、私の日常にはこれまでほぼ関わりがなかった。
皆様も特別な機会がなければ、普段の生活でふんどしに触れる事はほとんどなかったのではないか。

映画や時代劇などでしか観た事のない、物語の中の存在だったふんどし。

それはまるで
”御伽の世界(ファンタジー)のアイテム”ではないか!

UGYAUはその様に感じてしまったのです。

(近年では日本ふんどし協会さんの地道な活動によりメディアなどでも取り上げられることもしばしば。
たくさんのふんどしメーカーさんがスタイリッシュなふんどしを販売されていて、デパート等でも手に入れやすくなってきています。嬉しい限り。)


増えゆくファンタジー世界の住人

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こうしてUGYAUの脳内でファンタジーアイテムと化したふんどし。
それを装備するキャラクター達。

2008年から描き始めたFUNDOSHI FANTASY 作品は気がつけば60を超えました。

当初は“勇者が旅をする”と言う漠然としたストーリーしかなかったので、どんなキャラクターを描くかは割と適当。
次は魔法使いを描こう。メイドさんもいいな。おデブキャラもいたら楽しいな。
リクエストを受けて描いたナースもいましたし、フクロウやサソリのキャラもお客様のオーダーを受け描かせていただきました。

RPGゲームのキャラクターのイメージで描き始めたので、全てのキャラクターに名前をつけ、設定も考えました。

例えばこのキャラ。

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A Lion Spirit Yayoi  /  獅子の精 野世衣

精霊(Spirit):LV3
意外とおっとりしているが変形すると手がつけられない
【 装備褌 】 片喰蝶紋の長細越中褌

こんな感じに名前と設定と装備を考えます。
作品制作の実働は8時間でもキャラクター設定するのに2週間かかった。みたいな事態も多々あった…。
(誰だ、あまり考えずにどんどん作品が描ける方法とか言ったやつは。)
でもこの方法でやっていなかったら、ここまで描き続けることはなかっただろうなと正直思います。

設定を考える時、適当とは言いつつもなんとなくは全体のバランスを取りながら設定を決めておりました。
勇者が冒険する中で、「このキャラクターに会ったら次に出会うのはこんなキャラではないか」と話の前後を気にしたり、
「このキャラは実は裏で繋がりがある」とか「このキャラはこいつの敵役だ」とか。

そうするうちに段々と自分でも話の全体が見たくなってきた。
勇者の旅の道のりとその結末を知りたいと思う様になりました。


FUNDOSHI FANTASYの物語 クラウドファンディングに挑戦

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“ふんどし勇者の冒険物語をキチンと作り、板に描いた一枚ごとの作品を一冊の作品集にまとめたい。”
FUNDOSHI FANTASYの制作を始めてから8年目の2016年の夏の決心でした。

そこから印刷会社やかかる費用を調べ始めたのですが、調べてみてわかったのは自分には作品集制作のための資金がないと言う悲しい事実。
社会の端っこで細々と生きていたUGYAUは恥ずかしながら貯蓄皆無。
出したい気持ちはあっても首が回りません…。

ですが、そこで知ったのがクラウドファンディングです。
2016年はキングコングの西野亮廣さんがえんとつ町のプペルの製作費をクラウドファンディングで集めたことが大きくて話題になっていた年。
こんな方法があるのかとびっくりした事を覚えています。

この方法なら、わたしにも作品集を出せる可能性がある!

クラウドファンディングの存在を知ってからしばらく経った2017年の年明け。
どうなるか不安もありましたが、思い切ってやってみることにしたのです。

2017年の5月に開催する浅草個展で発売する為の作品集制作費用を募るプロジェクトは2017年2月1日にスタートしました。

そして結果は…

ギリギリではありましたがなんとかプロジェクト成功!

新作のふんどしキャラクターを描き、出来上がった全てのキャラクターの設定をストーリーの中に落とし込み、
個展の準備と並行して作品集制作に全力を注ぎました。

そしてついに、FUNDOSHI FANTASYは一つの物語としても誕生したのです。

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出来上がったのは、世界を変えたいと望む者の希望と挑戦の物語

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~あらすじ~

女子高生ゲーム実況者siroはとあるゲームを手にするが、それは数年前から消息不明となった兄の残したゲームだった。
実況プレイを始めてみるとその世界のキャラクターは全員がふんどし装備。
そして、気がつくとなぜかsiroはそのゲームの世界へと入り込んでしまっていた!!

金宮太呂王(きんぐたろう)の命令を受け旅立つ勇者 久郎衛(くろえ)とsiro。
美しい姫、精霊、鬼、謎の傭兵集団、魔界の住人…など、多様な人々がとの出会いと別れを経て、国の戦乱や闇の勢力の陰謀などが入り乱れ旅は過酷さを増す。

この世界は一体なんなのか。
siroは現実世界に戻ることが出来るのか!?


【 あなたは世界を変えますか? 】

なんと、流行りの異世界転生ものです。
(トラックには跳ねられませんが)

主人公は女子高生で勇者はサブキャラでした。

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女子高生のsiroはゲームの中の世界を旅しながら何を感じ、彼女の運命と世界の行く末はどうなってしまうのか。

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ふんどしと言うモチーフから出来上がったアート作品と物語ですが、
結構大真面目なテーマを盛り込んだ壮大なストーリーに仕上がっております。

ぜひ多くの方に見てもらえたら嬉しいなと思っています。


ほぼ日、ストーリー全話公開プロジェクト


皆様に見て欲しいならwebで公開すればよろしい。


数日前に閃いちゃいました!

せっかくこうしてnoteに記事を書く習慣が出来てきたところですし、
他の作品の紹介やcoffeeの話も書きつつ作品世界をそのまま楽しんでもらうコンテンツもあっても良いかな。と。

ただ一気に上げようとするのは大変なので、1ページか2ページずつほぼ日でアップしていく事にすればわたしにも出来るかも?

お、漫画のweb連載みたいで、なんか良いなあ。

などと、またもやノリでやってみる。

きっとFUNDOSHI FANTASYはそんなのがいいのだ…。


そんな訳で、近日中に
【FUNDOSHI FANTASY 全話公開プロジェクト】始動いたします!

楽しみにしていただけましたら幸いです。


本日のこの記事を読んで気になってしまった方で
そんなちまちました更新を待ってられん!と言う
素敵な方がいらっしゃいましたら、
作品集の通販もございますので宜しければショップを覗いてみてください!

全話公開プロジェクト開始に先駆けて

【FUNDOSHI FANTASY作品集購入キャンペーン】

やっちゃいます!


またもや長々と書いてしまいましたが、
少しでふんどしの面白さに興味をみってもらえていたら幸いです。


おまけのFUNDOSHI FANTASY リンク集


・ストーリーなしの作品画像は以下のUGYAUのOfficial websiteでご覧いただけます。


・なんとFUNDOSHI FANTASY にはオリジナル曲がございます。YouTubeにてご視聴いただけます。


・Facebookページもございます。


・ふんどしそのものが気になった方は、日本ふんどし協会さんのHPを。
 認定ブランドのふんどしも通販で買えますよ。

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