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②須田恭平 \ホキホキ-!/「ずーしーほっきー」の誕生について聞いてみた

こんにちは!
UHB新入社員の須田です。

今回のnoteは北海道とのつながりということで...私の通っていた公立はこだて未来大学で制作された北斗市の公式キャラクター「ずーしーほっきー」の誕生と最近の活動について取材してきました!


■ずーしーほっきーとは

2013年に北斗市のいいところをPRすることを目的として、情報発信を研究の柱とする公立はこだて未来大学が制作したキャラクターであり、現在は北斗市の宣伝隊長としてイベントなどの場で活躍している。
お腹は北斗市のブランド米の「ふっくりんこ」、背中は北斗市特産の「ホッキ貝」できている。何を考えているかわからず、突然四本の足で歩きだしたり、突然「ホキホキホキホキー!」と鳴き声を出す謎のキャラクター。その独特の見た目からネット上でも話題になり、全国的にも知られる存在になった。
2020年には「一目みたら忘れられない☆ご当地キャラクターランキング」の1位に輝いた。

■どのようにして「ずーしーほっきー」が生まれたのか

当時キャラクター制作に携わっていた、公立はこだて未来大学の安井教授にお話を伺いました!

北斗市からキャラクター制作を依頼された経緯を教えてください

(安井教授)2011年の11月ぐらいに、北斗市から「新幹線の駅ができるけれど、それがほとんど知られていない」という話がありました。それで北斗市を日本、全国、世界にアピールするキャラクターを作りたいということで、北斗市もオーナーであり、デザインをやっている未来大に依頼されることになりました。

大学から僕に「先生やってみませんか」っていう話があったのですが、僕はキャラクターの制作なんてやったことはありませんでした。話を進めていく中で、「学生とかと一緒に」、もうちょっとオープンにデザインしてみて、「学生だけじゃなくて学生と市民で一緒に作る」みたいにしたらどうかということになりました。
そして、もし学生と市民で作るとするなら、プロジェクト学習※で1年間でやっていけば、ちょうど3月くらいに着ぐるみができるスケジュールが立てられるんじゃないかということを北斗市と話し合っていました。

プロジェクト学習
異なる学科やコースの学生が混ざり合ってチームで現実世界の複雑な問題に取り組む3年次必修のプログラムです。具体的な課題を与えられることはなく、学生自ら問題を見つけ、チームで協力して1年間かけて解決を目指す、未来大学の特徴的なカリキュラムの一つです。

(ずーしーほっきーを生み出した)プロジェクト学習のメンバーはどうやって選ばれたのでしょうか

(安井教授)希望調査の前にプロジェクト学習の説明会があり、そこには北斗市の方がいらっしゃってトマトジュースを配ったりと、すごい盛況でした。
最終的には20人くらいが希望していたと思いますが、1回目の希望調査では60人くらいが第1希望でした。当時の僕は未来大に来て1年か2年目だったのでこんなものかと気にしていなかったのですが、今思うとこの人数は異例中の異例ですよね。
「キャラクターデザインプロジェクト」みたいなタイトルで「デザイン」いう言葉が入っていたのもあり、デザインコースの学生の希望者が多かったなという印象です。
ただ、デザインコースの学生がデザインっぽいプロジェクトに集まりすぎっていうのが、あんまり学びが無いと思っていて僕はすごく嫌だったので、デザインコースの学生だけにならないようにしたいと思っていました。
面談を経て、結果的にはデザインコースとほかのコースが半々くらいになりました。割と北斗市や函館市出身の子が何人かいたり、集まった学生は熱意のある人が多かったので、すごく良いメンバーになったと思います。

メンバーが決まったあとはどんな活動をしていたのでしょうか

(安井教授)最初に市長さんにご挨拶しに行くことになっていて、それにあたり全国にどんなキャラクターがいるかを分析したり、マッピングしたり、自分たちのチーム名も考えたりしていました。
このときから割と注目されていて、テレビカメラが来たりと注目されていました。

次はフィールドワークとして、北斗市にできる新幹線駅について勉強したり、きじひき高原の展望台に行ったり、上磯(北斗市)でホッキ貝の話を受けたりトマトのハウス栽培とか見たりしました。全然その時はホッキ貝なんて気にしていなかったんですけどね。
このときの気づきみたいなのをマップにまとめたりして、フィールドワークを通して北斗市についての基礎知識を得たみたいな感じかなと思いますね。

その後7月くらいに2回、地元の小学生とのワークショップをやりました。
ワークショップでは、小学生目線での地元を象徴する要素、例えばホッキ貝とかトマトとかネギとかいろいろあると思うんですけど、それを収集しようという目的がありました。

小学生にいろんなアイデアを出してもらい、それをまとめて、「こういうキャラクター作りましょう」ということをしました。その中で、特技とか、特徴とかそういったものも決めるとなると、なぜか小学生はみんな足が速いとかって言っていて、多分小学生にとって足が速いというのはキャラクター作りにおいてとても大事なことだったんだと思います。
ワークショップをやっていると、児童たちの郷土への思い入れの多様性に学生たちが気付くわけですよね。すごい子供たちが頑張るので、保護者からは「頑張ったね」「すごいね」「いいね」みたいな共感がすごかったですよ。

ワークショップを通して、誰が使ってくれるのかとか、誰がパートナーなのかみたいなところで、そういった視点に立った創意工夫が何かこういう競争の場の価値を高めることに学生たちが気づいたんですよね。
この後、学生たちがまた更に100個以上アイテムを作ったりするんですけど、「これだったら子どもも喜んでくれるかも」とか、「子どもにどう見えるのか」とか、その辺を気にするような発言が出てきて、ワークショップをやったことで誰のためのキャラクター作りか、それが見えてきたのが重要だったかなと思っています。

その後、男の子っぽいやつ、女の子っぽいやつ、なんか不気味なやつみたいな感じに分散するようにして市役所や商工会、中学か高校の生徒会にもレビューしてもらい、絞っていった結果、最終的にはこの5つを投票候補として作ることになりました。

ただ、ちょっと顔が似ていたり、目の表情とかが割と似通っていたので、この辺はお互い尖らせていこうということでブラッシュアップしました。
最初はずーしーもそんな気持ち悪いキャラじゃなかったんですよ。

ずーしーは何で入れたかっていうと、当て馬的なもので、全然そのときは選ばれるとはあんまり思っていませんでした。いや、ひょっとしたらみたいなとこはちょっとどっかにあったかもしれないけど。

住民投票の結果、なんか選ばれちゃったのがこれ。

多分ダントツだったような気がします。(※投票総数8951票のうち、2914票の得票)
いわゆるキャラクターっぽいキャラクターが他の4体で分散してしまって、なんか変なの選びたいやつらがずーしーに集まったり、特に小中学校の子供は面白がってこれに入れたそうです。
そうそう、投票時は「ホッキーずーしー」だったんですよ。
でもホッキーくんがいっぱいいたので、ちょっと「ほっきー」を後ろに移動して「ずーしーほっきー」にすることで、謎なニュアンスも更に高まってキャラクターに合っているということで、発表時には「ずーしーほっきー」に変わりました。

着ぐるみの基本設計は業者がやってくれたんですけど、「お米の部分を外せる」というのは学生たちがいくつか提案した中で実現した部分ですね。

■ずーしーほっきーの活動

ここからは、ずーしーほっきーが北斗市の公式キャラクターに決定した後の活動や今後の活動について、北斗市役所総務部企画課の赤坂さん、三好さんにお話を伺います!

左から三好さん、赤坂さん

ずーしーほっきーが北斗市のキャラクターとして決まった後、どんな活動をしていたか教えてください。

(赤坂)今やっていることはずーしーほっきーの利用許諾、イラスト使って商品やポスターを作りたいですという外部の方からの問い合わせの対応ですね。
例えばビジネスされている方が、ずーしーほっきーのキーホルダーを作りたいとか、人形作りたいとか、北斗市で工事をする土木関係の方が、工事看板にずーしーほっきーを入れたいなどでずーしーほっきーを使っていいかどうかの問い合わせが来ます。
常識の範囲内のものであれば、申請いただければ基本的に無料で自由に使えるようにしているので、ずーしーほっきーのグッズが結構世に出回っている状況です。
ただ、北斗市で作っている物っていうのは一切なくて、北斗市としてはずーしーほっきーを広く知ってもらいたい、ずーしーほっきーのインパクトある見た目から「なんだコイツ」ってなって、少しでも北斗市っていう名前にたどり着いてもらえたら我々としても嬉しいなと思っています。

あとの活動としては、ずーしーほっきーはずっとFacebookをやっているので、Facebookでずーしーほっきーの動きだったりとか活動、イベントの告知をしたりしています。
イベント事があれば市内のいろんなイベントに出ますし、道外のイベントも行けそうなときは出展しています。

イベントに出たときはどんな反応が返ってきますか?

(赤坂)イベント会場をずーしーほっきーがうろつきまわって手を振ったりとかするんですけど、反応は良いですね。
キモいと言いながらも、笑顔で「ずーしーだー」みたいになってるんで、愛されているキャラクターではあるのかなと思います。ただ、ちっちゃい子は泣きますね。小学生高学年くらいになってくれば、面白がって近づいて来ますが、それより下の子とかは怖くて近寄りたくないって言っているような子も結構います。
大人の方は大体「ずーしーだ」って言って寄ってきて、写真一緒に取りたいってなることが多いですね。

YouTubeで「バーチャルずーしーほっきー」というものを見つけたのですが、どうしてバーチャルにしたのかなどをお聞きしたいです。

(赤坂)もとは、コロナでイベント事も減ってずーしーが出動しづらい状況になったときに、ずーしーを外に発信する方法がないかということでバーチャルになったと聞いています。

バーチャルずーしーで初めて声を聞きました。

(赤坂)ずーしーほっきーは基本的に喋らないんですけど、あれはバーチャルずーしーという同じずーしーほっきーではあるんですけど、ちょっとなんか別の立場みたいな感じで普通に喋ります。
昨年、スマホをかざすとバーチャルずーしーが出てきてPR情報を喋るポスターを何パターンか作って、市内や北海道の大きい商業施設とか、東京の北海道物産館みたいなお土産屋さんとかに、貼ってもらえませんかと依頼して、そういった形で周知できないかなと活動していました。

新函館北斗駅で見つけました!

(赤坂)北斗市の情報紹介とイベントの情報発信の他に、子育て支援やふるさと納税に特化したポスターなど何種類か作っていて、喋る内容も若干異なっています。子育て世代が集まりそうな商業施設とか、函館市の駅前にある商業施設のキラリス函館など、いろんなところに貼らせてもらっています。

他のも見つけたら試してみます!

※どうやらこのページから(https://www.city.hokuto.hokkaido.jp/docs/11647.html)手元にずーしーを出せるみたいですよ...!

バーチャルずーしーほっきーを今後どう使っていきたいかなどは考えていらっしゃいますか?

(三好)リアルなキャラとできることは全然違ってきます。例えば、SNS関連であれば本物よりもバーチャルのほうが使い勝手はいいので、そういうところでそれぞれの強みを活かしながら、どんどん活躍してもらいたいなと思っております。

バーチャルだと表情とかも動きますよね

(三好)そうですね。細かい動きもできますし、場合によってはダンスとかも。

ダンスもできるんですか!?

(三好)そうです。細かい動きができるのも3Dモデリングの強みなのかなと。人間にできることはバーチャルにもできますが、ゆるキャラ(着ぐるみ)は全部が全部できるわけではありません。
最悪100mを10秒台で走る人に合わせて動かすこともできますし。でもバーチャルずーしーはどんなに頑張っても多分20秒くらいはかかると思うんですよね。

(赤坂)百裂拳の動きもバーチャルだからできることですよね。

(三好)でもやっぱアニメとのコラボってなかなかクオリティも求められたりするのですが、ちゃんと版元の許可も得て作りました。
去年はJALのTiktokにも出て、いま9万viewくらいだったかな。なのでやっぱ大企業の力というのは強いなと思いました。
既存の今のうちのやってるやつだと全然求心力はないので、バーチャルずーしーを今後どう活かしていくかは、SNSをどう活用するかにかかってくるのかなと思っています。

全然違う使い方として、例えばここにQRコードがあって、かざすと画面上にずーしーほっきーが出てきて、「ここは北斗市役所でここはこういう部署なんです」みたいな説明ができるようになったら、「トラピスト修道院」とか「きじひき高原」とか案内が居ないところでそういうのを使えるようになります。
さらにこれが発展してAIになりますって言うと、「いま修道士さん何人いるの?」っていうと「いまトラピスト修道院には修道士さん何人いて...」というのもできちゃう存在になるんじゃないかなと考えています。

ずーしーほっきーは新幹線駅のPRのために誕生したキャラクターですが、実際に新幹線のPRにはなりましたか?

(赤坂)ずーしーほっきーが実際新幹線のPRになったかというと、もしかしたらずーしーほっきーのキャラのインパクトが強すぎて独り歩きしてしまったのかもしれないですけど、なんとなくずーしーほっきーと北斗市と新函館北斗駅が繋がって、北斗市のことを知ってくれている人もいれば、「新幹線が停まる駅ね」と知ってくれている人もいますし、「あー、ずーしほっきーの街だよね」って言ってくださる外部の方もいるので、そういった北斗市を知るためのきっかけの一個には活躍してくれているんじゃないかなと思っています。
結構東京のイベントにPRしに行ったりするときも、「北斗市っていう名前は知らないけどずーしーほっきーは知ってる」とか、北海道の新幹線の駅があるんですって言うと、「あっ、あそこね。立ち寄ったことある。」みたいな話を聞いたりするので、そういうふうに結ばさってアピールにはなってるのかなと思います。

やっぱり北斗市を知ってもらえるというのはとても意味のあることだったんじゃないかなと思います。
あとは、なんとなくこう北斗市民にとっても北斗市といえばの中でずーしーほっきーが出てくるみたいな、愛着じゃないですけど、市の一つ自慢できるものみたいな。
こんだけインパクトあって、グランプリにも1位になったりとか。
これは市としてというよりは市民的な発想なんですけど、道外の人とか北斗市に関わりがない人に地元の話するときに使えるネタにはなるんじゃないかなと思います。なかなか北斗市って、食べ物が美味しいよっていうのはあるんですけど、普通の地方都市っていうか田舎な街なので、普通に話のネタの1個として使えるものができたのは大きいと思います。

■ホッキ寿司だけじゃない北斗市の魅力

北斗市の魅力を教えて下さい!

(赤坂)北斗市は自然も多くて海もあり山もありっていう田舎の自然が多い魅力と、程よく街としての機能も兼ね備えてる街だなと思っています。
どうしても札幌とかと比べると街の規模は違いますし、便利さとかも比べ物にならないんですけど、「ちょっと都会の喧騒から離れて生活したい。かと言って不便すぎるのも...」という人にとってはちょうどいいんじゃないかなっていう風に思っています。
あと北斗市は新幹線の駅があって、高速道路が空港まで繋がっているので空港も行きやすいし、フェリーターミナルも近いので結構アクセスがいいんですよね。
空港も新幹線の駅も車でここから20~30分で行けますし、フェリーターミナルを使えば車で本州も行けますし、そういうアクセスの良さは結構いい魅力的な部分なんじゃないかなと思ってます。
あとは食べ物が美味しいっていうのはありますね。農作物はお米の「ふっくりんこ」もそうですし、トマトや長ネギ、マルメロなどがとれますし、海鮮もホッキ貝から始まり峩朗(がろう)カキ、わかめ、ふのりなどがあります。

新幹線が札幌まで繋がって、北斗市に来てくれる人が増えると良いですね

(赤坂)そうですね。函館に来るついでにでも北斗市に寄ってもらえたりとか、我々も札幌遊びに行きやすくなりますね。


ずーしーほっきー
information:https://www.city.hokuto.hokkaido.jp/shisei/shinkansen/character/
Facebook:https://www.facebook.com/zushihocky/
YouTube:https://www.youtube.com/@user-ot1rm3vf6t/


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