見出し画像

2023.08.14 21:02

虹を一昨日も見たが昨日も見た。台風が来ているせいで大気が不安定なんだろう。合成のような綺麗にアーチにかかる虹をこの短期間で2度も見れたのは何かが起こる予兆だった。

お盆で休みではあるが彼女と別行動し帰りは一緒に晩ご飯を食べようと連絡をしていた。

ダラダラ過ごしていた僕はそろそろ出るかと思い外に出たら、彼女から連絡が来る。その予定をキャンセルして体調が悪いためにそのまま帰りたいと言う。珍しく買い出しまでお願いされたのでこりゃ相当調子悪いなと予測する。電車の移動中に連絡が来たので途中で引き返して最寄駅の一つ前で降りてお願いされた必要なものをコンビニで買う。

少し時間がずれつつもぐったりと最寄駅のタクシー乗り場で横になってる彼女に会う。必要なものを渡してタクシーを待つ。なんとなく熱中症だろうと思っていた。本人は寒い寒いと言う。なんか危ないかなぁと思いつつもタクシーに乗って家に着く。

本人はたぶん風邪かなぁと言っていたが、僕はたぶん熱中症じゃないかという。兄が昔、熱中症になって同じように寒気を感じていたのでそんな話をする。

近くのスーパーでスポーツドリンクやゼリー、氷枕を買い、無料の氷を大量に持って帰ってくる。血管がよく通る場所を冷やして、保冷剤や氷嚢で冷やし、濡れ布巾で体を濡らして扇風機の風で気加熱するようにし、体温を下げる行為をしていたが、本人あまり変わらず節々の痛みや、体調が悪くなる一方。

どうなるかなと思いつつも、夜が深くなりお互い少し眠ることにする。朝には少しマシになってるだろうと軽く思っていたが2時ごろに起こされ、氷を交換したりする。

意識に応答はあるがだいぶきつそうで、熱も38.9ほど。万が一があったらと思い相談して救急車呼ぶ。彼女の方から救急車の話をしてくれたのは助かったように思う。

一度救急車を呼んだことがあった僕は割とスムーズに受け答えして、手配してもらう。初めて呼んだ時はパニックになりおどおどしていたが、その後これからはもう少し落ち着いて話せるようによくシュミレーションしていた。

救急車が来る10分ほどの間に保険証や、財布とか、入院するなら必要そうなものをざっと用意して待機していた。

電話口の救急の人は住んでる10階まで来てくれるよう言ってたが、下まで降りれるなら降りて欲しいと言われ、ゆっくりと歩いて一緒に下まで降りる。

隊員の対応が良く言えば冷静、悪く言えば冷たい対応で僕は彼女が今どう思っているかを表情から汲み取ることができた。表情が見なくても、隊員の対応でどう思っているかわかったと思う。

お盆のためか少し車内で待機し、近くの病院が検査だけならいけるというのでそこにお願いし救急車で移動する。救急車に乗ったのは初めてで色々と車内を眺めていた。うねった道を曲がるごとにぷらぷらと何かのコードが壁に当たったり、指先につけていた心拍の青い光が少し早く点滅していた。微妙な角度に座らされていた彼女の顔は飲み過ぎでゲロを吐いた時より調子が悪そうだった。

病院について横になるように言われる。救急隊員の冷たい口調に苦しさを感じていた僕らは、母より少し若いくらいの女性の看護師さんの優しい口調に少し救われた。(僕はそう思っている)今ではあまり言われないが看護婦という言葉はこの人のために残しておくべきだとも思う。

結果は熱中症ではなく、流行りの病だった。たぶん救急隊員の人は分かっていたのだろう。僕は熱中症だと思い込んでいたから、ドキドキしていたが隊員からしたら、この程度の話だったのだろうとも思う。

薬をもらい、タクシーを手配してもらい家に帰宅した。病院で薬を飲んだ彼女は痛みが少し和らぎ、どこか気持ちも楽になったように見えた。ただのコロナで救急車呼んで…のような話もしたが万が一を想定して、お金もかかったが動いてよかったと思う。

週末に大切なイベントがあったがその予定のキャンセルの連絡をしていたりする。たくさんそれに向けて準備をしていたのでなかなかつらそうだ。ただ今は身体が優先だよ、と話し合う。

病院で患者の情報を書いていたのだが、僕は彼女の正確な住所も知らなければ電話番号も出てこなかった。いつもLINEだから仕方ないと思いつつもちゃんと準備をしなくてはいけない。緊急連絡先に僕の名前ではなく、遠くに住むお母さんの名前と電話番号を書いたのは色々と考えさせられる。とりあえず今は冷風当てて凍えていたのは笑い話になればいいと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?