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夏フェス革命


かなり!面白かった!フェスの成り立ちやあり方、それが現在に至るまでどんな風に変化していって社会に影響を与えていたのかということを音楽に纏わる情報だけでなく、ビジネス的な観点や社会学的な要素も取り入れながら分析されていた。フェスとは何ぞや?
ただの音楽を楽しむ場所なんだけど、それだけでないような。

フェスとは①出演者のみ②出演者以外の環境③参加者間のコミュニケーションで成り立っていて、当初は①に重きを置いたイベントだったのだが、その後に②や③に重きが置かれるように変化していった。それが現在のSNSの流行やサブスクリプションの普及であったりで、変化していった点が納得の一言だった。ただこれはフェスだけでなく、ダンスイベントだったり、人々の楽しむ場所・ツールに関して精通しているものであるとは思う。音楽のイベントなのに、音楽を楽しまないというのは少し寂しさを覚えてしまうのだけれど、言わば音楽の楽しみ方は究極的には「人それぞれ」であり、「悪いこと」は決してないんだとも思う。自分の中にある理想的な音楽のあり方、ロックのあり方というものが明確にあるからそういった寂しさのようなものを感じると客観的には思った。今の時代、音楽を聴けることが当たり前で、自分の好きな音楽とかアーティストとか、むしろ演奏者が選ばれてしまうような時代。音楽やフェス自体は潤っているのに、当の出演者は潤っていないというような、、、それは本質とズレてしまっているのような感覚だった。

このまま人々が②や③に重きを置くことを当たり前に思って、そのまま流れていってしまうことはすごく恐ろしいが、、、
18世紀のクラシック演奏会が今のフェスのようなあり方であったように、このまま時代がうまくバランスを保っていけるようになると良いなと。今までの自分はどちらかと言うと音楽を主体的に考えていたのだけれど、②や③も楽しめるような人間が1番楽しめるのだろうなと、、所謂自分の中にフェス革命が起きた。

『フェスにおいて顕在化している音楽のあり方に対してなんらかの懐疑的な視線を向けている。音楽の楽しみ方は究極的には「人それぞれ」であり、「悪いこと」は決してない。しかし、それぞれに理想的な音楽のあり方、ロックのあり方というものが明確にあるからだと思われる。この手の問題提起が単なる個人の好みの域を出ないものなのか、それとも音楽の価値の欠落についての重大な意味合いを持ったものなのか、、、』
『フェスが時代を先取りするメディアだとすると、現在のフェスは先の時代のあり方がすでに投影されている可能性がある。そんな「社会を見通す力」を持ち始めたフェスは、音楽業界のあり方にも当然影響を及ぼしている。』
『フジロックの理想的なあり方について「お客さんが一つもライブを見なかったというもの」としている。』
『女は見られるために、そして男は彼女らを見るために演奏会にやってくる者もいた。言ってみれば、18世紀の演奏会は社交にやってくる者、娯楽の場と心得ている者、そして音楽に一生懸命耳を傾けようとする者といった、さまざまな人々がごたまぜに存在したアマルガムのような場だったのである。』
『日本、日本って叫びながら日本を汚したり壊したりするよな。超やだ。』(バカリズム)
『「サッカーファン」ではなく、「お祭り騒ぎがしたいだけ」である事の証明だろう。普段は出来ない"バカ騒ぎ"の理由にW杯を利用しているだけなのだ。敗戦にも関わらず奇声を上げながらハイタッチしているのは理解不能だ。』(フットボールチャンネル)
『mixi.サービス開始から2年強で、Yahoo!JAPAN Googleに続く国内第3位の人気サイトにまでになったサービス。』(mixiと第二世代ネット革命)
『ロックインジャパンにおける参加者同士のコミュニケーションは、「夏らしさを感じる」ためだけでなく、「周りと自分が同じであることを確認する」ために行われている、と言えるのではないだろうか。定番曲で盛り上がり、未知の曲には無反応という「アンセム文化」とでも言うべき空気が徐々にDJブースにおいて醸成されていった。現場のDJも事実について認めつつ、そこから音楽の楽しみを広げてほしいということを述べている。』
『“ラブとピース"が謳われるこの手のイベントの実際の参加資格は"タイムとマネー"である。』
『1997年のフジロックが提供していた価値は①出演者のみで、②出演者以外の環境③参加者間のコミュニケーションについてはほとんど存在しなかったと言っていいのではないか。』
『ロックの漠然としたステレオタイプ:【ポピュラー音楽、特にロックの歴史に関しては、社会体制に対する反抗的なエピソードばかりが特権的にとらえられる傾向にありますが、娯楽的、体制順応的な側面がないと商業音楽として普及することはない】と指摘(ポピュラー音楽研究 増田聡准 音楽と政治)
【ロックとは何か】という問いについて【資本主義社会の中で、利潤を目的として生産される商業音楽の一つ】と説明』(ポピュラー音楽研究 増田聡准 音楽と政治より)
#music #夏フェス革命#paperbacks

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