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二十四節気 霜降

朝夕に冷え込み 霜が降りるころ
霜は水蒸気が氷点下に冷えたものに触れてできる 氷の結晶のこと

秋の終わりの節気。
この頃の山の景色は、「山粧う」(やまよそおう)と表現します。
粧は、化粧の字ですね。飾るという意味があります。
葉を、赤や黄色に変化させる木々たちは、まさに、飾って私たちの目を楽しませてくれます。

五行で表したとき、秋は金。
金の性質は「従革」です。
従革とは、変化すること、させること。
自然界は、葉の色を変え、それを落とし幹だけになり、姿を変化させることで、私たちにおしえてくれています。

また、「金」は、物質はギュッギュッギュッと集めて固めていくと金属のように固くなっていきます。
それを磨いて磨いていくと、光り輝くものとなったり、刃物のように切味が出たりします。
私たちが、今まで身につけてきた知識や経験も、磨いて磨いてきて、キラキラな表現に変えていく。
内側のエネルギーを磨き、自分の型に変化させて外側に表現をする時。
秋に、文化祭や学芸会、演奏会、発表会が多いのは、自然の流れに沿っている行事のひとつといえるのではないでしょうか。


霜が降りると書いて霜降。
とても分かりやすい節気です。

ひとつ前の寒露は、露と書いてありますので、そこにあるのは、水の粒。
霜降では、寒さが一段進んだため、もう水にはならず、氷のまま残っている様子。
寒さが段々と近づいていることの兆しだなと思います。

霜が降りた様子、みたことありますか?
想像できますか?
葉の上の霜は、普段の緑にグラデーションでおしろいをしたような美しさがあります。
雪を「六花」というのに対して、霜は「三つの花」というそうです。
完全に凍っている雪よりも、少し緩んでいる印象があります。
(ちなみに、水は6の倍数で固まります。)

実際に、その形でなくても、水(液体)と氷(固体)の間の存在。
朝早く、陽が昇るまでの間にだけ、届けてくれる三つの花。
寒くなってきて、布団から出るのも…という季節になっていきますが、今だけの霜に会うためにちょっと外に出てみるのもいいかもしれませんね。
(私も頑張ります。朝のさ、鼻がツンとする冷たさは結構好き。)

七十二候

霜始降 しもはじめてふる
風が弱く良く晴れた夜明けに 霜が降りるころ

霎時施 こさめときどきふる
落ち葉に粛々と降る雨は どこか物悲しく無常を感じさせる

楓蔦黄 もみじつたきなり
紅葉や蔦が色づくころ

ありがとうございます!