ダーウィン、僕たちはどうすれば良い?

「生き残る種とは、最も強いものではない。 最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである」

実際にはダーウィンが残した言葉ではないなど諸説ありますが、度々、改革好きの経営者界隈で聞く言葉。


ただ、現在のこの世の中が大きく変わらざるを得ないコロナ禍において、この言葉が頭をよぎった方は少なくないのでは。

実際自分もその1人であり、今回のブログのテーマも、とあるフィットネストレーナーの友人の手伝いをしている中で感じた、この言葉にまつわる、よもやまな感情や考えです。


コロナによって、世界が大きく変わってきている

現在、緊急事態宣言によって、ほとんどのフィットネスジムやヨガスタジオなど、三密になりやすいこれらの業種は、休業せざるを得ない状況になっています。スタジオレッスンでの売上はが0になるトレーナーや企業も多数います。

そんな、世界のどこかで起きている、ある意味”他人事”だった話が、4月上旬、僕の友人にも襲いかかっていました。

そう、彼女の職業はフィットネストレーナー。

恵比寿や渋谷で週に何度もレッスンを行う、人気トレーナー。専属の契約ジム等はなく、自分でスタジオと契約し、フリーランス・パーソナルトレーナーとして働いています。


なかなかそれだけで食っていくのは厳しいと言われているこの職業でも、
東京で一人暮らしを普通にできるほどの売上はあったようです。

僕も彼女のパーソナルトレーニングを受けたことがあり、
同い年ながらにも彼女のレッスンのクオリティや経営センスには、
とても尊敬していました。


そんな彼女のスタジオは、もれなく休業、4月以降の全てのレッスンを中止。再開の目処もまだ立っていません。

ポジティブな彼女の性格なので、あまり苦しそうには見えませんでしたが、
生活を脅かすほどの大打撃を受けているはずです。


オンラインフィットネスの立ち上げ

自分も近い将来フリーランスになることを想定しているので、彼女の苦しさは自分のことのように感じました。友達としてなんとか助けになりたいと思っていました。

なので、友達として、レッスンを受けたことがある生徒として、
「なんとか助けられないか」と違う友人にも声をかけ、およそ1週間でオンラインフィットネスの立ち上げを完了させました。

毎週日曜日、zoomでのオンライントレーニング。
単発でも遠隔で参加できるという気軽さがあり、毎回10〜15名の方が東京や名古屋、大阪、時にはタイやフランスからも参加いただき、3週間で40人近くの方に参加いただきました。

外出自粛によって運動不足気味な方、通っているジムが閉館になってしまっている方などが参加し、トレーナーの指示とともにみんなで体を動かす。

実際に聞いた声として、
・「参加直後にシャワーを浴びれるから良い!」
・「わざわざ時間をかけてスタジオとかジムに行かなくても良いのが最高」
・「なかなかリアルなレッスンに参加するのはハードル高いけど、オンラインだとハードル下がる!」
など、ポジティブな声やオンラインレッスンの可能性を感じる声を多数いただいています。

数字としても、満足度は98%を達成、リピート意向も100%。

また、トレーナーのレッスンのクオリティの高さもあり、すでにレッスンの頻度を週1回→週2回へ増やすことが決定しています。

微力ながら役に立てているし、このまま軌道に乗せ、ピラティスなど他のオンラインフィットネスも立ち上げようかとも考えています。


ただ、でも、やっぱり、リアルには勝てない

そんな、うまく軌道に乗っているオンラインフィットネス。
でも、でも、どうしても乗り越えられない壁があります。

リアルな体験には、どうしても勝てない。

初めてジムやスタジオに行くまでの不安感、緊張感。入った途端感じる、様々な匂い。トレーナーから受ける細かい指示や励まし。一緒に参加している方と生まれる一体感や仲間感。何よりも、「その場にいる」という高揚感。終わった後には、いつも買うコンビニおにぎりを横目に、サラダチキン。

五感をフル活用して、参加前、参加後も含めてのフィットネス。
小学校の時の川添先生の言葉を借りると、「家に帰るまでがフィットネス」そう考えています。


一方で、ジムやスタジオがいつ再開できるかわかりません。これらは三密の温床な気がしますし、また、オンラインの気軽さ便利さにみんなが気づき始めています。「格安定額でいろんなフィットネスを受講し放題!」なんてサービスも、めまぐるしいスピードで成長しているようです。

afterコロナではなく、withコロナになる。
そんな未来を想定すると、確実にオンラインフィットネスの可能性は計り知れません。

ここから僕の思考が始まりました。

変化に適応 v.s. 価値あるものを守る

ふっと視野を広げると、今、この構図は世の中のいたるところで起きていることを感じました。またそれは、オンラインコンテンツv.s.リアルコンテンツに近い構図とも言えそうです。


例えば、Netflixと映画館。YouTubeとコンサート。zoom飲み会と合コン。

どちらも大事にし、共存することが理想であるのは間違いないけど、
人の時間やお金は限られていて、どちらかに多くを割くと、どちらかは少なくなる。古き良きものを大事にするのか、それとも変化に適応したものを推し進めるのか。

ここでダーウィンの言葉がよぎります。

「生き残る種とは、最も強いものではない。 最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである」

時流を読み、変化に適応するのか。はたまた、また元の日常に戻れる日が来ることを信じて、その準備をするのか。

自分は、フィットネスで生計を立てる身ではありませんが、茶道や花道という古き良き伝統に関わるものとして、この問いを避けては通れませんでした。



おそらくコロナと共存する未来では、また新しい何かとも共存する必要がありそうです。

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