「曽根崎心中」(近松門左衛門)



江戸時代の大阪で生まれた「文楽」の人形浄瑠璃を初鑑賞。320年前に書かれた物語で台詞も古いけど、ストーリーはまんまロミオ&ジュリエット、あとイヤホンガイドのおかげで理解しやすい。細かい演出(遊郭の店主が客の愚痴に付き合わずに裏に下がってしまう場面とか ※水商売の人間が他の客の文句に乗っかると信用を失うから)も楽しい。近松は日本のシェイクスピアみたいな立ち位置かもしれない。

人形浄瑠璃は、人形劇、語り手、三味線の3要素から構成されててミュージカルっぽい。人形一体を3人が扱うからか(腕と足と支える動きで分担してる?)人形の動作がリアル。慣れてくると、裏方の人間の存在を忘れて、人形劇の世界に没頭できる。エンタメ体験として面白かった。

人形浄瑠璃はとにかく人手がかかる世界らしい。国から補助金が入ってて、1人8000円で鑑賞できるけれど、本来であれば劇場を満席にして1人4万円以上取らないと採算が合わないそうだ。人形一体を動かすのに3人掛かり。三味線奏者や語り部(しかも場面ごとに人が変わる)。舞台転換で働く黒子など、関わる人は多い。舞台自体もきちんとしていて、設営費も嵩みそうだった。

国立劇場は今年10月で閉館してしまうから、この場所で「曽根崎心中」を鑑賞できるのは残りわずか。もう一回くらい友達を誘って再訪したい。

#人形浄瑠璃

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