ウクライナ・プレミアムリーグ

9月1日、鉱山現場にて部品倉庫の管理スタッフの1人がウクライナ軍の入隊事務所から連絡を受けた。9月2日に健康診断を受診するようにとのこと。
50名を超えるスタッフがいる中で、予備役はいるものの、実際に軍隊に召集されたスタッフはまだ1人もいない。
詳しく状況を確認すると、健康診断の結果を踏まえ、先ずは入隊候補としてリストアップされるとのこと。今後、入隊事務所から連絡があった際に、初めて入隊となるとのこと。従い、この段階では、あくまでも候補になったに過ぎず、引き続きいつも通りの勤務を続ける予定ですとの報告を受けた。
実際、ニュース等で聞こえてくる情報でも、ウクライナ軍の兵士の数は十分足りており、寧ろ足りないのは戦車などの兵器だと言われていた。

しかし、3日後の9月5日に正式に召集されることとなった。9月7日に入隊となった。
映画などで召集令状を受け取るシーンを見てはいたが、実際に自分自身の部下が現実世界で経験するとは思わなかった。私も他のスタッフも身を案じる言葉しかかけることができない。そうしたもどかしさや無力感、そして改めてロシアに対する強い怒りが込み上げてくる複雑な感情だったと思う。
映画との違いは、本人が意外にもやる気に満ちていたことだろうか。祖国防衛の士気の高さはこんなところでも感じられた。

今日現在、このスタッフの派遣先はまだ分からないが、彼のように軍隊での経験がない場合、いきなり前線に送り込まれることは滅多にないそうだ。後方支援として物資調達を担当する他、ウクライナ国内の割と安全な場所、国道での検問など、命の危険の低い所での作業も山のようにあるらしく、そうした場所に派遣されることがほとんどのようだ。特に彼のエキスパタイズは、部品の保管・管理・不足部品の補給ゆえ、この専門性が活かせる後方支援となることを祈るしかない。

ウクライナ・プレミアムリーグ:
下の写真は8月28日に開催されたウクライナ国内のサッカーリーグ(ウクライナ・プレミアムリーグ)の試合結果の抜粋。
ドニプロがキーウに3:0で勝利。

戦時下にサッカー?と思ってしまうが、戦争により無期限停止となっていたウクライナ・プレミアムリーグがロシア侵攻から半年経った8月23日に開幕した。
但し、ロシア軍の標的となるのを避けるため、「無観客開催」「シェルターを確保したスタジアムでの開催」「空襲警報が鳴った場合は直ちにゲームを中断」が試合の開催要件になっているとのこと。
記事によると、プレミアムリーグの再開は、ゼレンスキー大統領とウクライナ軍の希望によるものとのことらしい。特に前線の兵士からの声を汲み取って再開に踏み切ったとのこと。
ACミランで活躍したシェフチェンコ氏も、サッカーを通じて、戦争中であっても普通の国であること、普通の生活ができること、更に、そうした普通の生活を守るために戦っていることを訴えってゆきたいとコメントしている。

「普通の生活」を営むことに強いメッセージを感じる。

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