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フランツ・トストと角田君とホンダと

どうも、ウクモリ ヒロオです。

日曜日のアブダビGPで、今シーズンのF1選手権が幕を閉じました。マクラーレン・ホンダ時代の記録を塗り替える、圧倒的な勝利を収めたレッドブル・ホンダばかりが目立つシーズンだったかもしれません。ただ、私は1年を通じて充実したシーズンだったように感じています。北米ラウンドが増え、リアルタイムで観られないことが多かったのだけは、ちょっと残念でしたが(苦笑)

フェルスタッペンの独走以外では、マクラーレンの躍進とメルセデスの復調、相変わらずのフェラーリ(笑)など、見どころ満載だったシーズンだったので、来年2月にリリースされる総集編Blu-rayの到着が楽しみです。

ところで、今回のアブダビGPでは角田裕毅選手の活躍がひとつのハイライトになりました。実は、BAND-MAIDのライブ終了後に仲間と食事をして帰宅した時点では、ラスト5周という場面お。タイヤを摩耗しきっているはずの角田君(角田選手というより、彼の場合こちらの方が親しみやすいので)が、ハミルトンを振り切ったあの瞬間は、昨日リピートしてみてしまうほど興奮しました。様々な意見が飛び交っていますが、私は、1ストップでも悔いはないという角田君の言葉に嘘はないと思っています。
*今回掲載した画像は全て、アルファタウリ公式Xから引用しています。

角田君があそこまで奮闘できた理由・・・それはゴールした瞬間こそが、師であるフランツ・トストのF1引退を意味していたからだということは、周知の事実です。トストさんは、実に多くの名ドライバーを世に送り出してきました。昨年引退したセバスチャン・ベッテルは、彼がいなかったら、あれほどの活躍をしたかどうか分かりません。角田君も然り。ゲームばかりやっていた彼を見て、生活を改めさせ、レースに対して真摯であれと説いてきたからこそ、F1参戦3年目の今年は飛躍的な成長を遂げました。

角田君のヘルメットは、彼がいかにトストさんに対して経緯を抱いていたかが良く分かる仕様になっていました。笑顔で抱き合う二人。ふたりの絆を凄く感じると共に、これまでトストさんのもとで育ってきた選手は、師の愛情しっかり感じながら成長していったんだろうな・・・そんなことが頭に浮かびました。

絆という意味では、ホンダとの関係性もトストさん無しにはあり得なかったということを忘れてはならないと感じます。昨年までホンダでエンジン開発に携わっていた浅木泰昭さんが、DAZNの中継で仰っていたように、ホンダにとっても重要なパートナーだったトストさん。トロ・ロッソでのトライアルの結果、レッドブル・ホンダが誕生し、夢にまで見た初勝利を掴み、ワールドチャンピオン、コンストラクターズチャンピオンにもなり・・・そんなホンダ躍進の第一歩は、トストさんのホンダに対する尊敬の念と希望があったからこそ。だからこそ、ホンダが撤退を発表した際の心情は、相当複雑だったに違いありません。

実力がある者をしっかりと評価し、上昇気流へと導く・・・トストさんは、1997年にラルフ・シューマッハのF1ステップアップと共に、F1界での活動を始め、新人育成の面では秀でた存在となりました。それ以来、本当に長い間、新人に活躍の機会を与え続けたこと、本当に素晴らしいと思います。

トストさんにとって、最後の教え子が角田裕毅選手だということになります。
*厳密にいえばローソンなんですが、硬いことは言わないでくださいね(苦笑)

厳しい発言をするケースもありましたが、新人が現代のF1で活躍するためには3年は必要だと主張し続け、角田君が立派なドライバーに成長したことは、トストさんにとっても誇りなのではないでしょうか?

昨日、アルファタウリの公式Xが公開した画像。特記すべきはVICTORIES(勝利数)。ベッテルとガスリーが、奇跡的に勝ち取ったものです。決して強豪ではない元ミナルディが始まりであることを考えれば、本当に素晴らしい結果だと思います。

引退後はゆっくりらしいそうですが、数年で復帰・・・そんなことが日常茶飯事なF1の世界なので、「やっぱりワシは若いのを育てたいなぁ」と言って戻ってくるかも。

ただ、今はまず・・・本当にお疲れ様でした。たくさんの素晴らしい瞬間、ありがとうございました。

こんなことを語りつつ、今日のnoteを終えたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。感謝!

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