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日本の田舎の景観が変わりつつあることをご存知ですか

この秋渡英して数年会えなくなるため、夏休みは神戸岡山の実家に行った。コロナに関する感じ方は実に人それぞれだからそれは控えたほうがいいという人がいることも知っているが、家族は全員ワクチン接種済みであるし、自らの信条に基づき、その手の心など持ち合わせていなさそうな人の「心からのお願い」は無視することにしたのだ。

それでとても気になったことがひとつ

地方の、地価の安そうな山林や田園などに「えっ?いつのまに!?」と思うくらい、ソーラーパネルが増えているの。

熱海の土石流でちょっと騒ぎになったあれ。山の中だけではない、畑の中にも、海の近くにも。

聞いたところによると「すごく安く導入できますから」という業者の口上で急激に増えているが、ようやく元がとれる頃に耐用年数が切れて、置き換えは自費になる(つまりトータルで持ち出しにしかならない)らしい。

というからには、なんらかの補助金が出ているのだろう。太陽エネルギーは効率が悪い技術らしいので、地方の中小企業や土地持ちの年寄りが「SDGsですから!」って騙されているのではないか、ものすごく心配。

ゴッサムシティより殺伐とした眺めだよ。中国に出張した時に、長距離移動のバスの車窓から、平野の途中に唐突に建設中の摩天楼の街が現れ「投資用の街がどんどん建設されているんだけど、誰も住んでないよ」と説明された時に似た不気味さを感じる。

どうみてもサステナブルではない。コンクリートを蝕む夏草の駆除のために強力な農薬を撒くのだろうか。食品育ててるわけじゃないから規制はないだろうけど、それは雨水に流され海に至る。

鏡面が曇って効率が悪くなったら人が磨くのかな。労働人口不足の地方で、腰を痛めた年寄りがそれをやるのかな。

20年程度という耐用年数後の置き換えコスト、誰が持つのかな。

なにより、私が子供の頃に小さな生き物を捕まえて遊んだ用水路はとうの昔に護岸工事され、アカテガニやエビやハゼは姿をけしてしまったのだけれども、こんどは雑草の生い茂っていたはらっぱや田んぼも固められて、アメンボやカエルさえも、いなくなってしまったというわけだ。

去年駒場野公園の自然研究舎の方が「近年、どういうわけかアマガエルが激減している」といっていたけど、どっかで因果関係あるんじゃないかな。

太陽光パネル設置業者で検索すると錚々たる企業名が上がってくる。どこも資金調達のために必死でSDGsを掲げていそうな企業ばかりだけど、ほんとうの意味のサステナビリティ考えて欲しいと思う。

助成金制度っていったいどういう仕組みなんだろう。しんしんと空き地の生物的多様性が失われているのって、それでいいんだっけ。

調べたら、経済産業省のだしているこのあたりの資料が推進施策の源泉っぽい。実は日本の太陽光発電の総量は、2019年末の時点で中国・アメリカに次いで世界第三位(約6300万kW)なんだって。土地めっちゃ狭いのに。そんだけがんばって、新エネルギーの比率は以下のとおり。太陽光発電は、8.1% のなかのさらに一部なわけよ。(Source)

そんなところから、太陽光発電を2050年までに火力発電を抜いて31%のトップシェアにもっていこうという構想があるらしいんだけど、それって、国土のパネル化をものすごい勢いで推し進めないとだよね。

それって、正しいSDGs(サステナブル・ディベロプメント・ゴール)なんだろうか・・・?


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