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子育てに、ウールのギャッペ

ヨーヨーは赤ちゃんのとき、ちょっぴりお肌が弱かった。アトピーとまではいかないけど敏感肌で、新しい食べ物にもかぶれたり、ちょっとしたハウスダストで肌に赤みがさしたり。

それで悩んでいた頃、なにかの本(育児本ではなくマーケティングの本だった)で「フローリングブームに押されてカーペットが売れなくなっているけれど、実は本物の(化繊ではないウールで、天然染料をつかった)絨毯は部屋のホコリを吸着してくれるし、夏は湿気をとり、冬はあたたかいから、掃除機をかけさえすればむしろアトピーの子供によい」と言うのを読んだ。

(追記)質問があったので、頑張って思い出しました。出典は「小さな会社の生きる道」という中川淳氏の事業再生の本でした。

それ以来ずっと気になってここ数年、オンラインで調べたり、絨毯専門店を横目で見したりしてきたのであるが、

このたび、ヨーヨーの時から使っているベビータイルがもういい加減汚れていると気づくに至って、ついに、絨毯に買い換えることを決意した。

タイルを洗うの大変だし。あーちゃんが生まれるまでの間はお友達にも使ってもらったので、モトは十分にとった。

折しも、前から目をつけていた自由が丘の絨毯屋さんがセールしてるのに気がついたので、ついに、足を踏み入れることにした。

路面の絨毯専門店って、なぜか敷居が高い。

でも、今回のわたしは本気。買いたいタイプやサイズも決まっていて、価格調査もしていて、だいたいの予算は決めている。どうせ買うなら、長く愛せるものがいいなあ、ネットで買える量産品ではなくて手織りのペルシャ絨毯が欲しいなって思ってたのだ。

というわけで、そのお店にはいって、10分くらいで買うものを決めた。

何が気に入ったって、値段が十分に手頃なことはもちろんながら、それを扱うお店の人(後で聞いたら、社長だった)の説明が、絨毯愛に溢れていたこと。

短時間で、わたしはそれを織り上げているカシュガイ族の暮らしや、模様の意味や、染料なんかについての知識を得た。しかも、この商材のチャネル構造や百貨店の動向についても、好奇心のままになぜなにと聞いたことに当意即妙な答えをもらい、最初にざっと見て一番気に入った、暖かい色柄の絨毯を買い上げた。(暇だったら、もっと根掘り葉掘り聞きたかったのだけれど、赤ちゃん連れだとそうもいかないのだ!)

それは、川と井戸と木と動物の模様のはいった、暖かい色の絨毯。カシュガイ族が暮らすのは乾燥した砂漠の地域。模様の意味は、井戸や水場に水に恵まれ、不自由のない元気な暮らしが続きますようにという祈り。井戸のシンボルは、ペルシアの目玉の魔除け、ナザール・ボンジュウにも通じるんだって。

それが昨日、届いたのであるが、あーちゃんはもちろん、保育園から帰ってきたヨーヨーも早速コロコロして、その暖かさを楽しんでいた。

基本、掃除機をかけるだけでよくて、赤ちゃんがゲーしたり食べこぼしたりしても丸洗いする必要がないのがウールのギャッペのいいところ。

大事に手入れして長く使いたい。賃貸の我が家なのでまたそのうち引越しはすることは決まっているのだけれど、この絨毯の手触りや暖かさは「おうちのシンボル」として、ヨーヨーとあーちゃんが大人になっても記憶のどこかに残るだろう。

久々に会話を楽しんでお買い物ができたお店は、自由が丘のペルシャンロード、Websiteもあるけれど、やはり買うなら現物を見るのがオススメ。

手織絨毯はそもそも安くはないものなのだが、百貨店クオリティのものをずっとお得に扱っている。聞いたら、イラン人の社長が自ら故郷で買い付けをしてきて日本で30年以上も商売をしている、老舗の問屋なのだった。むやみに高いものを進めることもなく、手入れの仕方なんかもちゃんと教えてくれて、そして扱っている商品への「愛」があって、安心できるいいお店だったよ。

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