2024年2月14日(水)の300字小説

 今日はバレンタインデー。誰もが浮かれてカーニバル。百貨店のチョコ売り場は、カラフルな包装のチョコレートが並んで華やかだった。
 今年も今年とて、特別に渡す人はいない。父親と、職場の人にくばる程度だ。それでも、自分用のチョコを買ったり、なんだかワクワクしてしまう。
 どれも美味しそう。
 店員さんに、
「こちらの品、お酒好きな方に大変人気ですよ」と勧められたので、試食してみた。洋酒が利いていてとても大人の味。自分用にはこれにしよう。
「ありがとうございます!」
 若い女性店員さんは可愛らしい笑顔で元気よく言った。ああ、私が男子だったら好きになっていたな、いや男子じゃなくても若干もう好きになっている。
おしまい

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