私たちの行楽(2024年4月26日(金)の300字小説)
「ゴールデンウイークだねえ」
「そうだねえ」
「出掛ける?」リビングルームで夫がテレビを観ながら話す。産休中の私、在宅勤務の夫、小さな赤ちゃん。それが私たちだ。
「小さな子を連れて、人混みの中には出掛けられないかな……」
「そうだねえ」
夫は思案顔で、
「でも、花が咲くころだよね。ちょっとお散歩には行きたいね」
「そうだね、それは行きたいね」私が言うと、夫が、
「マック買って、公園で食べない?」と提案してきた。
その光景が平和そのもので、私は、
「良いね」と笑ったのだった