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とある組織(Rush Gaming)の病と手術と、再生の話

ふと思った。
あぁ、Rushは重い病気を患って、大手術をしたんだな、と。

父親の狭心症の時の手術を思い出した。
心臓には冠動脈という太い大きな動脈が3本繋がっており、これらが心臓から血液、酸素を運ぶ役目を果たしているのだが、脂肪分の摂り過ぎなどが原因でその血管に老廃物がこびりつき少しずつ動脈が詰まって血流が通る部分が狭くなり、やがて詰まる。詰まって心臓が止まることを心筋梗塞、その手前の危険な症状を、狭心症や動脈硬化、などで病状を表すと認識している。

父親の場合、「最近なんだか速く歩くと苦しい」と思って病院に行き検査したところ、本人はケロッとしてるのにも関わらず即救急へ搬送。なんと冠動脈が3本のうち2本が完全に詰まっていて、残された1本も80%詰まってる状態だというのだ。(ええ・・・)もともと心臓の活動が強いだかで、ちょっとしか管があいてなくてもなんとかなるくらい酸素が体内に送られていたらしい。よく生きて、よく平気でここまで来ましたね、、と医者に呆れられたのを覚えている。

父は運良くその翌日、医者のコネも多かったというのも幸いして手術が決定。詰まった冠動脈の代わりに、右脚からとった動脈を移植し、新たな動脈として機能してもらうというバイパス手術を行った。いま父の体に酸素を送ってるのは、本来人類の心臓にあるべくして備えられている3本の冠動脈ではなく、脚からとってきた動脈だ。医学には全く精通していないのでよく分からないが、脚に異常は全くない。

無論手術の後何ヶ月か、半年くらいだったか、体に痛みはあったみたいだった。合気道の師範でかつ元々よく運動をする人だったので、リハビリは何ヶ月かあったにせよ回復は早かった。とはいえ、早かっただけで当然しばらくは元に戻るまで大変そうだな、とおもった記憶はある。

「心臓」「動脈」「酸素」「血流」「予兆」「発作」「手術」「リハビリ」
はっとした。
組織・チームとは、まさに人体そのものだ、と。

Rushの血液が濁り始めてきたのは、2019年の寒い12月頃だった。

予兆

苦しい。何かが、おかしい。

記憶はさだかではないけど、自覚症状がおきはじめたのは2019年12月末、Rushのトライアウト、いやハントの引退を発表した頃あたりからだったのではと思う。

この「苦しい」というのは、私個人の感情というよりも、Rush全体としてなんとなくある気持ち悪さみたいなものだと思ってほしい。
イメージ、朝起きるのがだるい、元気が出ない、なんだか気持ちが悪い、気力が沸かない、機嫌が悪い(という人が多い)といった類のものだ。
組織に酸素や糖分などの栄養が回っていない状態といってもいい。
Rush全体の低酸素、低血糖状態、のようなものだった。

ちなみにこれは社長達が大概経験してる事だと思うのだが、会社組織のエネルギー量が低いとどんな事が起きるかと言うと、まず遅刻する人が増えて、病欠が増える。また、不平不満、悪口を言う人が増える。これをその人の規律の低さや未熟さのせいにだけすると非常に状況把握を誤る。ここはとても注意が必要なところだ、とこの数年感じる。まぁ、本当にわかりやすく低エネルギー症候群に陥ると、集団感染したかのように遅刻と病欠、悪口が増える。
Rushの場合、会社スタッフ側と比べると従業員というわけではないので朝出勤という概念がないのだが、顕著に上記の派生のような実態が顕在化しはじめていた。

Rushベースはそれが顕著だった。居住スペースは日に日に汚くなり、起きてくる時間は遅く、肌は荒れ、時々会ってご飯をしても話題のうち殆どがどうでもいい事の悪口が増えた。一つひとつの悪い予兆は些細なものだ。いつもより部屋が汚い、料理が適当、起きてくるのが遅くてそれぞれ部屋にいるのでお互い何をしているのか分からない。悪口だって、チームの中の誰かについて悪口をいってるというよりも、殆どが最近みた動画や芸人、映画だったり、外部の人だったり世間だったり、どうでもいいことについての悪口だったりする。楽しい事がないわけではない。笑顔もあるし、Rushは概ね基本的には本当に家族のように暖かいチームだと思う。(これの反省もあるので後述する)

だけど、この小さな悪の老廃物は溜まっていく。雪だるまのように大きくなり、もともとつまり始めていた血管はいよいよ本格的に詰まっていく。

発作

ハントの引退、グリードのうつ病をキッカケに、チーム全体で一斉に問題が噴出した。それはもう、まるでその時はそれだけが原因だと勘違いしてもおかしくないほどに、大きな発作だった。
誤解を回避したいので繰り返すが、この発作はグリードの病状でも、ハントの引退でも、はたまたMW初戦の敗北による痛みなどではなく、これらはあくまで前後の事象であって発作ではない。ここでいう発作とは、チームを一人の人体だと置き換えた時に、チーム全体に起きた大きな負の事象の、短期間における連続発生の事を指している。

発作が起きると、まずチームの血流が大きく悪い意味で変化した。

要は、「本来流れるべき情報の流れが変わった」という状態だ。

例えば
、選手間で解決出来ない問題は本来チームマネージャー兼コーチであるくるたみに選手が相談すべきだが、一部の選手から私に直接相談が来る事が増えた。「うららさん、こうこうこういう事があって解決してほしい」「この人がこうでああで、どうにかしてほしい」など内容は個別に様々だが、本来機能すべきものが機能しなくなった状態の組織にはあらゆる不条理と問題が起きる。誰々が返信をしてくれないだの、誰々が言っても聞いてくれないだの、誰誰がこういってるだの、あいつは給料をもらってるのにその分の仕事をしていないだの、不満はまるで全身から血でも吹き出してるような、それはそれは痛みを伴う、攻撃的な事象が頻発した。予兆の段階では些細な事が、症状が悪化するにつれて攻撃的で、暴力的になっていく。

そしてこういう悪症状が出てる時に、悪意の有無に関わらず必ず出てくるのがこういう情報だ。

「XXがYYYって言ってるよ」

Rushのことをよく知ってる人なら本当にびっくりしてしまうかもしれないけれど、実際にこんな言葉が飛び交ってた事もあった。

「うららちゃん、eスポーツチームをもう廃止にしようかって言ってるよ」
「くるたみさん、選手にRush辞めて独立してチームを作ろう、って話してるみたいです」

途方もない疑心暗鬼と、深い恨みと嫌悪の始まりである。

この当時、私は毎日でないにしても油断をすると週の殆どの日においてくるたみの不満を口にしていたと思うし、もっと言えば軽く鬱になりかけたし、多分鬱だった。くるたみの話を聞くだけで憂鬱になったし、なんて酷い組織を作ってしまったのかと自己嫌悪で身体が動かない日が増えたし、昼間から酒を飲むことが増えた(それでも正常に機能する日を狙ってなんとかやるべきことと向き合った)。そしてそれはくるたみも同様だった。2人とも、誰かと会う度にお互いの不満を話してたんじゃないかと思う。2人だけじゃなくて、組織全体で悪口陰口が発生した。あちらではくるたみの不満をいう人がいて、こちらではうららや組織全体への不満をいう人がいる。そして悪口や不満を言い始めるとどうなるか。より事態は悪くなるのは明白だ。
「もうお願いだから選手と話さないでほしい、仲間内で私の悪口を吹聴して歩くのを辞めてほしい」
と本人にいうことすらあった。

悪口や不満が溢れてる時というのは、半ば本当に病気だ。心のどこかで、そうじゃないそうじゃないと分かっていても、悪いところばかりに目がいき、絶望ばかりしてしまう。

「もうあいつはだめだ」
「あいつがこうでこう悪いからこうなってるんだ」
「もうあいつ辞めさせよう」
「もうだめだから逃げよう」

びっくりしてしまうかもしれないけど、こういうのって割とよくある話だ。ちなみに私はCoD eスポーツチームを廃止にしようと本気で思った事は一度もない。一方で活動内容や状態に疑問や課題を見いださないわけでもないし、冒頭で述べたようにRushは深刻な状態不全に陥っていたので、言葉尻だけをとれば廃止検討に聞こえるような発言があったかもしれない。
同様にくるたみも、真意は他にあるにせよ、大事な仲間をどうにか自分の手で成功させたいという気持ちだったのかもしれない。
ちなみに心配しないでほしいが、これは後日誤解が晴れている。

ここで言いたい事は、機能不全に陥ってる組織では、それまででは考えられないようなあらゆる異常が起きるということだ。

そう、「考えられないような事が起きる」
それがまさに人であり、組織なのだ。

私達の絆はとても深い。Rushにとって、くるたみがいなくなるということは内臓一個なくすようなものだと思って差し支えない。
ぱっと思いつくのは少し肝臓に近い。

肝臓の仕事は日々日々体に供給されるあらゆる栄養や毒素を消化処理し、適切な形に処理して身体の各所に送り届け、余分なものは自分のところで溜めておく、というものだ。

くるたみは、Rushの肝臓だった。ベースの管理人として物理的に本当に栄養を送り届ける役割もあった。Rushベースの選手達のご飯を作るという業務があった。運動が必要だとなったときは、朝からジムにみんなを連れていった。夜毎日ある交流戦に出たり、常にどんなときでもチームの心配事や解決したいこと、不安などの毒素を受け止めて、それら不安や困難を学びに変え、解決へと変換していくことが彼の強みであり役割だった。Rushの多くの若い選手が上京してきたとき、期待も不安も沢山ある中で寄り添ってくれたのも彼だし、大きな難題や困難があってもくじけずに立ち向かう事ができた。私はくるたみを誰よりも信頼していたし、辛い事や不安があればいの一番に相談していた。くるたみが1番、時にはチームが抱えきれない不安を自身に溜め込んでいた。

そんな重要な機能をもった内臓が、ある時急に活動を止めてしまったらどうだろうか。

よくあの当時の話しをするとき、「あのとき本当に喧嘩していて」
という言葉で語ってきたこの当時の私達だが、喧嘩というにはあまりに深刻だった。

喧嘩というのは、私にとって石ころにつまずいて怪我をして、痛みで腹を立てて泣きじゃくるくらいのものだ。別に誰が悪いわけでもなく、石ころがあってつまずいた、ただそれだけで治療も簡単だ。お互いの非を認め合ったり、素直な反省、ごめんなさい、で、仲直りは結構すぐだったりする。

しかしこの当時のくるたみと私、一部の選手間でのわだかまり、スタッフと選手間での不信感などは、石ころにつまづいた、とかいう次元ではない。

組織の血管が詰まって、老廃物がたまり、あらゆる箇所の血管に傷つけ、そして出血していた。どこか一箇所の出血を止めてもまた違うところから出血し、動けば動くほど、大量の出血を伴った。組織の出血は、実際に赤い血のように目に見えないが、陰口、悪口、病欠、遅刻、仕事のアウトプットの質量の低下、業績の悪化、物理的環境の不潔さ、身なりや見た目の悪化(太る、肌が汚くなる、言葉が悪くなる)、裏切り、侮辱、不信など様々な形で出てくる。

ミネソタから帰国後コロナの有無関係なく、あの時交流戦をはじめとする練習活動を毎日行うということは、まさに文字通り全身出血しながら重い刀で素振りし続けるようなものだった。

そして私は、eスポーツチーム活動休止し、手術を決めた。

手術

組織も人体も、対応策は結構似ている。
重症化してしまってもう無理な部分は切除したり、入れ替えたり、とっかかりをなくして流れを良くしたり、外部から必要な薬や栄養を投下したり、時には摂取するものを極端に減らして休ませることで治療したりする。

危機的状態に陥った時に、私が絶対にやりきると決意した処置が以下だ。

手術段階① 休ませる
交流戦の中止
・グリードの休養
・くるたみのコーチ業務他全てのRush業務の停止

手術段階② 切り離す
・Rushベースでのコーチ選手共同生活の廃止→物理的引っ越し
・方向性の違うメンバーとの離別

手術は痛い。
交流戦の中止は、その時半分は理解を得られたが不服だったメンバーも当然いた。想像の範疇内ではあったが、気持ちの良いものではなかった。
そしてRushとしてずっといてほしい、一緒にやっていく仲間として1番に思っていたくるたみを半ば職務上解雇にし、住んでいた場所から実質追い出すような形にしないといけなかった時の苦心は、表現するのが困難だ。

「憎たらしいから追い詰めたい」という気持ちのときにやってはいけない事だと思っていたので、この決断をするまでにとにかくまず自分の精神改善と自問自答を徹底的に繰り返した。(自分の改善の話はまた別途・・)
何度も何度も反芻して、心から良い未来だと信じれることをやろう、そう決めていた。そしてやっと最低限納得がいく精神状態になったとき、彼に提案した。そしてあとは、信じて祈った。この時、何度も脳内で唱えた呪文のようなものが、GREAT たみたみ Againだ。(なんだそれは)

本当に、何度も考えた。実際、経営していて思うのは、決して全ての人がその組織にとって正解ではないし、逆もしかりだ。別離のほうが良いということも多々あるし、いたって普通なことだ。完全な別離のほうがいいのかもしれない、ただ袂を分けたほうがいいのかもしれない、という違う未来の選択肢を沢山考えた。でも、Rushとして残って欲しいから、だからこうするんだ、と自問自答を繰り返した結果、今に至る。

この瞬間はちなみに本当に孤独だ。絶対に分かってもらえないし、実際当時は本人にはだいぶ理解されていなかったらしい。それもそうだ。そういうものだ。

術後

術後の結果は、正直生き物だ。信じて待つしか無いし、結果失敗することもある。今こうやって「1番良い」といえる状態になれたのは、一重に本来、私達は素晴らしい個人に恵まれているからだと心から思う。少人数精鋭で、信頼しあい、協力しあえる仲間だ。みんな健やかで元気であれば、私達は前へ前へ進む事ができる。

さて、術後どんな施策をうちチームとしてやってきたかは、一個一個色々あったのでまた別途書くとしよう。
とはいえ本当にこの数ヶ月で様々な施策を行ってきた。100万円寄付したチャリティイベント、CoD Creators Party やZONe Challenge Week、ASTRO Challenge 企画、ベブゾーン、Rush道場、ウィンレッドのWarzone無双に、チームαβ、忍ismさんとのコラボ、ファニコン内施策の見直し、スマブラプレイヤーのkeptの加入、MSSPさんとのコラボ企画、CoD Cold Warのリリースプロモーション。

keptの加入を経てスマブラシーンと出会えた事は組織として大きな成長のきっかけになり、忍ismさんとのコラボと出会いはくるたみと五郎にとって大きな大きな転機になった。
チームαβで学んだ事は今のチームにも大いに影響してるし、MSSPさんとのコラボ企画は参加したメンバーがみな演者としてどう価値を出すかの学びにつなげている。

チーム内部としては、新たなメンバーを複数人追加して組織強化を図った。案件調整、スケジューリング専任マネージャーの配置、イベント施策などの人員強化、プロのメンタルコーチの雇用、他にもeスポーツチーム側のPDCAサイクルを強化する為に試験的にArugaというコーチングアプリの導入も行った。11月からは契約と組織変更に伴い、専任の動画編集スタッフも増えて少しにぎやかになった。またそれぞれの施策や学び、についてはまた違う記事にでも書こうと思う。

ちなみにだが、バランスを崩して崩壊してるとき、適切な休息と対処をしながらも、歩みを止めない事が大事だなと言うことをこれほどまでに実感した一年はないかもしれない。

今と、そしてこれから

今、数ヶ月の術後経過を経て、各スタッフ、選手の精神面や環境面は大幅に回復しただけでなく、幸いにも今が組織の歴史上最も良い状態だといっても過言ではない。個々人のパフォーマンスも、会社自身の業績も、そして嬉しい事にお客様への価値提供に関しても成果が出始めている。

小さな一歩一歩の積み重ねだが、応援してくれるファンの皆様や支援企業の皆様のおかげもあり、某スポンサー企業様へは毎月数百万円分のクーポン売上での貢献ができた。11月からサポートを本格化した選手チャンネルの売上は人によって3倍ほどまに成長したし、休養中にぐっと落ち込んでしまったチャンネルでも全盛期と同様かそれ以上に回復している。某イベント実施で協賛してくださった企業様には、取り組みを通じてRushのファンにもなって頂けた。個々人の名前をあげて、印象や雰囲気ではなく、ご一緒した取り組み内容やプロセスを経て評価して頂けるようになったのが、心から嬉しかった。

もちろんこれらは、それぞれの各人の成長や頑張りのおかげだ。
その中でも特に、1番辛い時期を文句の一つも言わずに一緒に乗り切ってくれたぷりんには、ただただ感謝しかない。

そして今年、別人のようにかわった新リーダー五郎率いる、新eスポーツチームのRush Gamingに、私は希望と期待しかない。
新メンバーSiriusを加え、そしてWinRedはべブラの欠員がでた今尚、日々の成長に目を輝かせながら練習に励んでいる。くるたみは、今またチームの大きな柱としてRushになくてはならない存在となって戻ってきてくれた。

私が2つだけ自分を褒めるとすれば、怖い手術を実施しきったことと、信じて待ったという2点だけだ。後は、みんなが今のRushを作ってくれた。

特にごろしゃの大きな変化は、チーム全体に希望の光をくれた。
本人からしたら必然かもしれないが、私にとっては奇跡のような尊い事だった。

Rushの思想、目標

私達のユニフォームやグッズに度々記載してる標語がある。
We win together, lose together and learn together.

そして今年、新生Rush Gaming eスポーツチームで、五郎が提案しチーム全体へ浸透させているチーム目標がこれだ。

仕事も、eスポーツも、人生も、私達にとって1番大事な事は、
「学びつづける事」だ。
今となっては、選手からスタッフにいたるまで、あの1番辛かった暗黒時代ですら肯定的に良い失敗、良い学びと思っている。

生き物である限り私達は間違い続けるし、負ける時もあるし、これからも何度でも勝ったり負けたりするんだと思う。その連続の中で、私達はこれからもただひたすらにトライし続け、動き続け、学び続けようと思うことができた。

Keep learning. Keep moving.

僕たちの、新しいフィロソフィーは、この言葉でいきたいなと思っている。

色々な事があった末に、今尚、一緒に歩んでくれる仲間達に、改めて感謝の意を表したい。

(追記)全組織で悩むリーダー仲間の皆様へ

組織の失敗、会社の失敗、チームの失敗、事業の失敗。
あらゆる失敗が起きてる時、残念ながら全ての責任は我々リーダーにあり、トップにあります。残念ながら自分がトップなのであれば、どんな末端の事も全て自分のせいです。
朝起きれない社員がいるのも、パフォーマンスが出ないスタッフがいるのも、病弱なやつがいるのも、良いアイディアが出てこないのも、すべてトップの責任です。
速攻解決につながる特効薬は存在せず、我々はどんなに病もうが苦しもうが、向き合い解決しようと務めるかしかありません。誰よりもなによりも自分が改善の糸口を発見して解決につとめないといけない使命にあります。

私も、組織の手術の際、本心を言えば1番削除して取り除いて入れ替えたいのは、他でもない私という臓器でした。うつ病になる社長が多いのも本当によくわかります。皆、一度や二度くらいは近い症状になると想います。

でも、残念ながらトップというのは、「心臓」なのだと想います。脳であることもありますが、大きな役割は心臓だと想います。
いかなる時も、身体にどんな異常がおきていようが動脈が硬化していようが、わずかながら残されている動脈の隙間をぬって全身に酸素を行き渡らせ、歩ける状態を作れるくらいの酸素を送り続けるような、強い心臓でないといけない。

もしかしたら肺が悪いのも、動脈が硬化したのも、肝臓が元気がないのも、心臓のせいでは直接的にはないのかもしれない。外的要因もきっとある。だけど、心臓はいかなる時も元気に身体を、組織を動かし、健全化を推し進めないといけない。

だから、心臓頑張れ!!私頑張れ!!!元気を出す事が、元気を送る事が1番の使命だよ!と、最近ことあるごとに自分を鼓舞しています笑 冗談抜きで、本当に社長達、みんな心臓です。止まったら、終わりです。でも、心臓さん頑張って元気を送ってれば、ワンちゃん死ぬ前に治療できるかもしれない。心臓が止まったら死ぬけど、心臓を突き動かし、なんとか解決方法を見つける事ができたら。そもそも、「いい仲間」がいれば。その人達とともに、正しい「人の判断」ができれば、必ず未来は好転する。必ず。

私は心から、人に恵まれている人生です。とても運がいい。
運が良いからこそ甘えてしまいました。

肝臓に、沢山負担をかけてきたこの2年間でした。(自分の肝臓そのものは割と年々労っています())

組織における肝臓のような人間が弱ってしまうと、強く自浄作用が強い故に発見が遅れる傾向にあります。そして肝臓が弱ってしまうのは実際は肝臓自体が悪いのではなく、他に理由があるにも関わらず、組織だと人の問題はその人のせいだけにされがちです。体調不良があらゆる原因の蓄積と組み合わせで起きてるのと同様に、私達の問題も構造的で、複雑だったにも関わらず、です。

きっと会社を長くやってればやっているほど、共に目標を目指す、組織の大事なコアメンバーがいるはずです。自分にとって、誰が肝臓で、誰が脳みそなのか。白血球は誰で、胃腸は誰なのか、顔はだれなのか。

人体に例えて組織を見つめ直すと、少し新しい一歩が踏めるのではと思った年の瀬です。

よろしければサポート頂けたら嬉しいです! Rush GamingやWekidsでの活動費に充てさせて頂きます。