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翡2-呪殺

■1990年8月某日深夜。とある神社の境内。ゆるやかな坂になった参道。参道の中ほどに赤い鳥居。鳥居の境内から外側には杉木立が参道に沿って並んでいる。周囲は山の中の雰囲気。鳥居から内側の参道は雑木がまばらに並んでいる。それらの木の太さは一抱えほどある。鳥居をくぐって女(高木霊子(34))が現れる。白い経帷子姿で、長い髪を振り乱している。頭の上には火鉢の五徳をひっくり返して乗せている。五徳の3本の脚に百目蝋燭を立てて火を灯している。首から紐を通した丸い鏡を掛けて、右手に木槌、左手に五寸釘を支え、手近の雑木にわら人形を打ち付けている。
霊子「…」
怒りの形相。人形の頭に釘を打ち込む。

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