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アムルタートのよもやま-4

ところで、
-2)歌舞伎
-3)人形浄瑠璃
-4)説経節
の3つでは、
安倍晴明に関し、同じ「ネタ」を扱っております。

晴明の誕生に纏わるお話を、
別名「信田妻」というのですが、
上記3つの古典芸能では、信田妻がメインとなります。

信田は篠田とも書き、あるいは篠田狐とも言います。
歌舞伎や人形浄瑠璃では、
蘆屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)という長い演目の、
一部を構成しております。

蘆屋道満大内鑑をフルバージョンでやると長いので(超大作)、
その内の一部、
舞踊「保名」を目にする機会は、そこそこ多いかなと思います。

史実と、浄瑠璃や歌舞伎とで、
晴明のお父さんの名前が違うのでは?と思ったりもするんですが。

そこはあまり突っ込まず流して下さい

篠田妻をざっくり纏めると、
・晴明のお父さん=保名が、
・森で怪我した狐の手当、解放し
・その狐がキレイな女の人に化けてやって来た=葛葉

日本昔話で言う所の鶴の恩返し的な話です。
いわゆる異類婚姻譚(いるいこんいんたん)。

保名さんと葛葉さんは仲睦まじく暮らし、
そのうち男の子が生まれました=晴明。

ある時、幼少時の晴明が「お母さんは狐だよ」と言い、
葛葉さんは「私はあの時、助けて頂いた狐です」と正体を暴露。

正体を知られたからには、もう一緒にいられない!

葛葉さんは
・恋しくば 訪ね来てみよ 和泉なる 信田の森の 恨み葛葉
という和歌を一首、さらさらと襖に書き。

「探して欲しいのか、探して欲しくないのか、どっちだ!」と、
私に突っ込まれながら、葛葉さんは、元居た信田の森に逃げ帰る。

というのが、信田妻のあらましです。
説経節、人形浄瑠璃、歌舞伎などの芸能に残ります。

ところが、信田妻。

能楽にだけは入って来てないんです。それが何でだろうな~と。

能楽で安倍晴明が登場するのは(あるいは晴明絡みのものは)
鉄輪しかないだろうと思います。

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