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映画「スタンドバイミードラえもん2」感想 この映画で2020年を〆たことを後悔している。

※ネタバレあります

ひっっっさしぶりの映画感想だ。いやほんとに半年ぶりくらいかもしれない。元々映画の感想をお気持ち長文で語りたいからnote始めたのにね。いつのまにかゲームとかアニメの記事のほうが多くなっちまった。

いやそんなことはどうでもいい。このドラ泣きとかいう映画史上もっとも陳腐でダサい(俺調べ)キャッチコピーをつけた爆弾、「スタンド・バイ・ミードラえもん2」の感想だ。

いやまあ、例によってあまりにも酷い映画だときいたので観に行ったクチだ。監督はあの!あの!俺的2019年ワースト映画「ドラゴンクエストユアストーリー」の山崎貴!これはもう約束された勝利のクソ映画だ。前作のスタンドバイミードラえもん1、実は観ていないがまあ原作となるのび太の結婚前夜とかは観たことあるし大丈夫っしょ。

いやまあ大丈夫じゃなかったんですけどね。先に感想を簡潔にまとめるとひでえもん観たなって感じ。原作を適当に継ぎ接ぎしたのはまあいいでしょう。でもさあ、のび太が周りに甘やかされ続けるだけの物語を90分観るのは辛いよ。あと俺結構ドラえもん好きだからさ、ユアストーリーほどじゃないけど思い出レ○プされた感じっすねはい。

思えば俺の2020年の映画初めはCATSだった。同じネコが主人公のクソ映画で2020年を〆るのは丁度いいのかもしれない。いやよくねえ。なんで俺はこんな無駄な時間を・・・

ドラえもん50周年記念作品がこれかあ・・・

大人のび太がマジで不快

大人のび太が本当に観ててキツい。ワガママだし周りのこと考えられないしなんかもう完全に社会不適合者だ。いやまあ原作だと大人のび太ってそこそこ抜けてるとこはありつつも結構しっかり大人になってた気もするんだがなあ。

結婚式当日に逃げ出すってだけでもアレなのによりによってこの時代に来ている子供のび太とドラえもんが乗ってきたタイムマシンを奪って子供時代に逃げてしまうのだ。いや少し考えたら子供のび太達が帰れなくなって大変なことになることくらいわかるだろ。

なんとか手を尽くして二人が元の時代に帰ったときも大人のび太、二人にちゃんと謝ってなくないか?俺が見落としてただけかもしれんけど。でもさあ、下手すりゃのび太は右も左も分からない未来世界で野垂れ死にしてたかもしれんのやぞ。そこまでの悪行を大人のび太にさせるのはどうなの?

しずかちゃんを幸せにする自信が無いから逃げたらしい。まあそれは良いとしてそれを「子供時代ぐうたらだったから自分に自信が持てないようになったんだ!!」とかなんかイチャモンをつけ始める。なんやねんそれ。しかもその後子供のび太と大人のび太が「いれかわりロープ」というひみつ道具で入れかわってもう一度子供時代を満喫するというシーンになる。子供時代からの成長が全く感じられん・・・

ここでも大人のび太の悪行は止まらない。不良中学生を上から目線でバカにしてたらカツアゲされたので逃げるという場面があるのだがそこでラーメン屋の原付を盗んで逃げるのだ。結局うまく乗りこなせなくて原付はおしゃかにするし(エンドロールでその後ひみつ道具で直して返していたというシーンは挿入される。)たまたまそこをしずかちゃんとジャイアンとスネ夫に目撃されたがためにその3人も巻き込んでしまう。その後「ぼく、しずかさんを守れたかな・・・?」とか抜かすがいやお前が勝手に巻き込んで迷惑かけただけじゃんと。・・・しずかちゃんも涙ぐみながらうんとか言うんじゃねえよ。

多大な人に迷惑をかけてようやく未来に帰って結婚式に出席する。そこでまあありきたりな普通にいい感じのスピーチをした後、「僕は幸せになるために帰ってきた。それがしずかさんを幸せにすることになると思うから」とか言いやがる。それがお前の出した答えかよ。しずかちゃんも「よくできました」ってさあ・・・結局これはダメダメな社会不適合者の男が無条件の愛をあたえてくれる女を見つけちゃいましたって話?

あれこれツッコミたいところが多すぎる

これまで散々大人のび太をこき下ろしたが子供のび太も中々だ。まあ、やってることはTV版でやってるいつものダメさ具合って感じなんだけど子供のび太が調子に乗って苛つかせてくる場面がどう考えても多すぎると思う。序盤のお婆ちゃんがまだ生きていた時代に行く場面で10分に一回くらいはなんかやらかすから観てて普通に辛くなってくる。

のび太が調子にのってやらかしちまって結局酷い目にある。ちゃんちゃん。といった流れは30分の尺でやるから良いのであって90分の長尺でしかもそれを何回も何回も繰り返しやられるとのび太が本気でウザくなってくるよ。

なんでのび太やジャイアンに大長編補正があるのかおれはこの映画を観てようやく気づくことが出来た。映画くらいの尺で長々とのび太とかジャイアンをいつものノリで動かしてしまうと本気でキャラクターにムカついてきてしまうからじゃないかな。ギャグがギャグでなくなってしまう。

あとは大人のび太が原付を盗む場面も違和感バリバリだ。「なんで音声認識じゃないの~~~???」とか言ってあたふたしてるんだけどいやお前はるか未来から来た人間じゃなくて数十年後の人間で普通にこの時代をしっている訳だから流石にそうはならんやろ。・・・そのくらいのび太がバカだって制作陣は言いたいのかな?だとすれば流石にやりすぎじゃないか?やるとしたら「子供の体だと小さくてうまく運転できないよ~~」とか「どうやってエンジンかけるんだっけ?」みたいな感じで良いだろ。めちゃくちゃ不自然だよ。のび太流石に記憶無くすレベルの足りない人じゃないだろ。

ここまでで感じたのは本当に制作陣はのび太が大嫌いなんだなってことかな。そもそもドラえもんって作品に思い入れあんま無いんだろ。

あとは入れ替わりロープなのだが入れ替わって1時間たつとお互いの記憶が消えてしまうという重大な欠陥があることが判明する。まあそこで慌ててドラえもんとのび太は子供の体で昔をエンジョイしてる大人のび太を探すのだがここもなんか不自然な場面が多い。たずね人ステッキがうまく作動しないからタケコプターで飛んで自力で探すという方法をとる・・・いやだったら「大人のび太の魂が入った子供のび太の場所まで!」といってどこでもドア使えばいいじゃんとか取り寄せバッグで取り寄せちゃうとかあるだろ。

全然見つからなくてのび太の記憶がほぼ消えかけになったところでようやくどこでもドア使えばいいじゃんとドラえもんが気づくが・・・いや遅えよ。こんな重大事態なのに忘れてただけかい。しかも長々と「大人のび太くんの魂が入った子供のび太くんの場所へ!って言わないと大人のび太くんの場所まで行けないんだ!」とわざわざ説明してから使う。いや観客舐めてんのか?子供でもそんなわかるわ。セリフで説明してる暇あったらさっさと行けや。

こんなんしてるからギリギリ1時間を過ぎてしまいもう二人ともぐったりして記憶もほぼ消えてしまっている。それでもダメ元で入れ替わりロープを握らせるがやはりうまく作動しない。

って場面なんだけどこんなのび太がのび太じゃなくなってしまうってすっげえシリアスなシーンで入れ替わりロープが「もう1時間たってるのでむりですよ~」とかなんか気の抜けた感じで喋り始める。いや、その、、、そういう「おどけ」の演出ここで入れるか?まあ何だかんだ上手くいくんだけど。その理由がみんながドラ泣きしながら必死にのび太に呼びかけたからだ。ほら感動ポイントだぞ。みんなもドラ泣きせい!!!

他にものび太の住んでた街が数十年で昭和の町からサイバーパンク2077みたいな街並みに変わってていくらなんでもそれはないだろとか(いやまあこれは原作からしてそうかな?)序盤で不自然に謎のシーンを入れて中盤あたりで実はこれはこういうことでした~~~とかいう意味不明な伏線回収?シーンがあるとかこれがあんまり本筋と関係ないとか・・・いや全部突っ込んでいたらキリがないわ。

「ドラえもん」という物語を履き違えてないか?

ここからは俺のすげえ個人的な意見なのだがドラえもんはのび太の成長物語であると同時にやはり「SF」だと思うんだよね。この映画はのび太の成長物語という体は一切なしてないと思うし「SF」という要素もかなりないがしろにされていると思う。

普段のドラえもんはTVアニメや漫画だと「”すこし””ふしぎ”」な感じのゆるいSFをひみつ道具というエッセンスで展開する。大長編だと結構壮大なSFが展開される。恐竜時代にタイムスリップして・・・宇宙戦争に巻き込まれ・・・鉄人兵団と本気の闘いをして・・・時空犯罪者とのバトル・・・などなど。魔法の世界に行ったこともあったねそういえば。

短い尺では主要キャラが織りなすすこしふしぎなドタバタ劇が丁度いいだろう。30分でがっつりSFやるのは少し無理がある。一方大長編だと逆にそんなことやると単調になりすぎるから壮大なSFをやるのだ。壮大なSFをやるからこそみんなに大長編補正がかけたり、ともすれば物語を破壊しかねないひみつ道具の使用にものすごい制限をかけたり。話によってはひみつ道具をフル活用してもどうしようもない強大な敵が出てきたりする。そういったドラえもんのSF要素が小さい頃俺は大好きだった。

スタンド・バイ・ミードラえもんだと短い尺の物語を継ぎ接ぎしているから観ててなんか単調だなってなるしそもそも「ドラ泣き」とかクソ寒いこと言ってるところからわかる通りとりあえず感動させることをメインに据えている。いままでの大長編ドラえもんでも感動できる場面はあったがそれはあくまで壮大なSF物語に感動できる要素があったという感じだ。ところがこの映画はとにかくドラ泣きさせようというのがメインでSFであるということは二の次って感じだ。入れ替わりロープのワンシーンがそれが如実にあらわれていると思う。呼びかけだけで奇跡が起きてのび太達が元にもどるのは個人的にはちょっと・・・とは思った。他のひみつ道具を使ってどうにか入れ替わりロープを作動させるとかのサイエンス要素ほしかったなあ。

まあ未来の街並みの近未来っぽさとかタイムマシン使うときのCGの演出とかはすごく良かったとは思う・・・が、俺が思い当たる褒める要素はそれくらいかなあ・・・

ドラえもん50周年記念作品である「スタンドバイミードラえもん2」正直すごくつまらなかったしユアストーリーほどじゃないにしても怒りがこみ上げてくる映画だった。ドラえもんを台無しにされた悔しさでドラ泣きしそうにはなったかな。

みなさんもこの映画が終わる前に是非!!是非!!劇場でドラ泣きしてみてくださいね!!!





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