見出し画像

脳活動150%な授業の始まり イギリス大学院留学、本格始動編

こんにちは、バッハ・コナカです。無事コロナから復帰し、初めてのクラスに出席して参りました。レクチャーが言っていることの理解は60%、生徒たちのディスカッションは50%というところでしょうか。またまた落ち込みました。落ち込みすぎて絶望に慣れてくるっていう感覚。

基本的に一つのクラスのために20〜30Pの論文を3〜5本読んで概要を掴んでからクラス(授業は主にディスカッションベース)に臨みます。この論文がもう本当に抽象的で、マジで何言ってるの?っていう感じ。私は時間節約のためにすべてDeepLにかけてますが、それでも1つのクラスの準備に5時間かかりました(笑)。マルクスとかラカンとかフーコーとか構造主義については当然抑えていることが前提。ここらへんの理論に関しては大学で学んだけれど、なんせ10年以上前だから全部吹き飛んでしまってます。正直日本語で読んでも抽象的かつ哲学的すぎて、「これ、ネイティブの子たちは理解しているのかな?いや、してないでしょ」という淡い期待をこめて授業に臨みました。すると……

「みんなすっごい理解してる〜〜〜〜」。というのも彼らディスカッションでバンバンと発言するんですよ。たとえば「ウィリアム・モリスって何したんだっけ?簡単に説明して」と教授に言われればアーツ・アンド・クラフツ運動の創始者であることはもちろん彼が行ったことの社会的な影響までもさらりと論じられる生徒たち。「作者が構造主義について最も端的に説明している言葉は?そこでの広告の役割は?」と聞かれれば即座に要約してみせる。私なんてこの長い論文を読むのが精一杯で、しかも3日前に読んでいるから、何が書いてあったか思い出すのにも必死です。正直圧倒されました。当然一言も発言できませんでした。

サブカルチャーのカテゴリーについて話しているときに、モッズ、パンク、テッズ……と出てきて、ヒッピーって言おうとしたけどヒッピーは違うかな、と思っていたところで他のコースメイトが「ヒッピー」と言ったときのこのやられた感、高校生以来だなぁ笑。そもそも先生への質問に答えさえ出てこないことがほとんどでしたが、私は元来相当話好きなので、話したいことが湧き出てくることも。ただそんなときも英語にどう変換していいかわからず、どう言うんだこれって考えている間に気づけば次の話題になっている。ただリスニングに全集中しながら同時にノートもとる際に、いちいち日本語に頭の中で変換していたら全く間に合わないので自然と思考が英語になるのだけれど、英語での思考がまだ未発達のため、回路がうまく通ってない。半パニック状態でした。脳みそを150%オーバー稼働。けれども事前にリーディングをしているから、教授の言いたい核なる部分というか本質は理解できた気がします。細かい枝葉は別として。

終わった後に他の子たちに質問したら、実はみんなも大してよくわかってなかったり、リーディングリストを以外に全部読んでなかったりということが発覚し、要は彼らは日本の一方通行教育とは違ってディスカッションベースの授業に慣れているから、戦術を知っている、ということだそうです。一人の子が「私たちもリーディングに1日かかってるよ、あなたは一人じゃないよ」と言ってくれました。でも結局私のリーディングとリスニングの問題だから、ひとまずやるしかないですよね。誰かに助けを求めても、彼らだって助けようがない。だから自分の力を伸ばすしかない。そんな状況です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?