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イギリス人の皮肉に戸惑う話

ここにきて最も困惑したことランキング上位の出来事といえば、仲良くなってきたイギリス人から繰り広げられる、嫌味めいたジョーク。日本でも「いじり」というコミュニケーションがあり、私はこれがわりと嫌いなんですがーーなぜかというとまず第一としていじめと大して変わらないのにいじる側には「冗談じゃん」という言い訳を与えることになるから。第二に通常いじる側を逆にいじると、その人が信じられないくらい戸惑ってしまい、その様子を見るのがなんか辛くなるから。いじられるのが嫌ならいじるなよ、と思うーーイギリスのジョークはこれとは全然違います。そんなに悪質ではないです。ただちょっと面食らうというか、対応に慣れてないからびっくりします。
たとえば、今一緒に暮らしている大家のレディがスーパーに買い物に行くというので、「一緒に行っていいですか?」と尋ねたときのことです。引っ越してきたときに「もしスーパーに一緒に行きたいことがあれば言ってね」と言われていたこともあり。彼女は「いいわよ!車で行って途中で息子をピックアップして他にもいろいろ寄るけど大丈夫?」ということ。「もちろんです!」ということで車に乗り、スーパーに送ってもらい、なんとその人が「じゃああなたのことは家まで一回送るわね」とほかの用事を差し置いて送ってくれたんですね。「ありがとう!」とその車を降りるときに、彼女がにやりと笑って「あら、私はあなたのタクシーかしら?ふふ」と言ったんですよ。私はびっくりして「No……」としか返せなくて、結構焦ってイギリス人の友人に相談すると、「それはむしろ親交が深まっている証で、仲良くなればなるほどそんな感じでジョークを飛ばすものだから気にしないでいいよ」とのこと。
またこんなこともありました。こちらで何かと頼りにしているイギリス人の友達がいるのですが、「君は何か質問があるときにしか連絡してこないんだね、ハハハ、ジョークだよ!」と言われたことがあって、これまた真っ青になったのを覚えています。なぜかってそんな意図はないにせよ、「質問があるときにしか連絡していない」というのが事実だったから笑。私がすぐさま「そんなつもりはなかったのだけど結果そうなってしまい本当にごめんなさい」と謝ると、マジでただのジョークだからそんな真剣に受け取らないでくれたまえ的に言われたことがありました。
さっきのタクシーの件もですがポイントは、ジョークとはいえ指摘することが「事実」であるということ笑。これが結構ドギマギするというか、要するに半分本気なんだそうです。でも、悪意はないから気にしない方向で大丈夫だよ、とローカルの友人たち。イギリス人の皮肉めいたジョーク、まだまだ慣れそうにありません。

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